休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ザ・リアル・・・トゥーツ・シールマンズ

20200808(了)
THE REAL...TOOTS THIELEMANS
  The Ultimate Collection 3CD
  <1>①~⑲ <2>①~⑲ <3>①~㉒
  2017年/CD/3枚組/Sony Music/フュージョン/輸入
  <★★★★>

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  ジャン=バティスト・フレデリク・イジドール・"トゥーツ"・シールマンス
  (Jean-Baptiste Frédéric Isidore "Toots" Thielemans, 1922年4月
  29日 - 2016年8月22日)はベルギーの首都ブリュッセル出身のジャズ
  ・ギタリスト及びジャズ・ハーモニカ奏者。シールマンス男爵(baron
  Thielemans)の称号を持つベルギー貴族である。
 
もちろん、きびしい音楽じゃありません、雑に言うならムード音楽。
やや古めのポップス、ジャズ、映画音楽がそれぞれ好きな人なら、この名
はおそらく聞いたことがあるはず。いわば、ハーモニカ奏者の代名詞みた
いな名前。ワタシはジャズと映画音楽です。
ムードとして、あるいは音色として、加えたいと思う時、どんなものにも、
おそらくひょいひょい身軽に参加されたようで、参加した録音は数知れな
いと思う。まあまあ長生きもされたしね。ハーモニカに気づいたら、たい
ていこのかた。どんだけ忙しかったんやろう。
ジャズやフュージョンを中心に、リーダーアルバムもたくさんある。
楽譜に書かれたものだけでなく、インプロヴィゼーションのソロも立派に
とっている。
ワタシが映像で観たことがあるのは、ハーモニカ以外ではベース(エレキ)
を弾いているものしかありませんので、知識としてもその程度です。ベル
ギー人ということすら知りませんでした。ジャンゴ・ラインハルトなんか
に憧れてギタリストになったのね。それが余技であるハーモニカのほうが
人気が出ちゃったんだとか。だから、エレキベースは近かったということ
なんだな。そうそう、口笛も何曲か吹いてます。
 
ここには、1955年から2009年までのソースから60曲が集められていて、
年代別でなくばらばらと収められている。年代別に見ると18種類あるの
で、25~35枚ほどのアルバムからピックアップしたんでしょう。
夥しいレコーディングのことを考えれば、3枚のベストものといっても、
なかなか選びきれるわけもなく、再編なった業界の中でSONY MUSICが
良かれと思うコンピレーションをけっこう安直にやったというだけ。
でも、実に広い色々な形での参加を選んであって、THE REAL...という
タイトル(ベスト?)もあながち間違いじゃないように思います。
 
ワタシとしては、ジャズ系の参加やリーダーがやっぱり素敵ですが、シ
ャキシャキしたコンボジャズよりは柔らかいフュージョン系のほうがや
っぱり合う感じがしましたね。それとブラジル系もいい。
実は歌物がたくさん入っていて、3-4曲に1曲ぐらいの割合。感心しにく
いものもなくはなかった(歌、いらへんで!なんてのも)のですが、トゥ
ーツは意に介さず、自分の仕事をしっかりこなしているという風でした。
歌手はくせ者系が多かった。名がわかるものもわからないものも。
思わず声を上げてしまったのはジョニー・マティス。一曲ありました。大
学生のころ、彼がバカラックものを歌ったアルバムがものすごく気に入り
ましてね。チャチなオープンリールでよく聴きました。(今でもあったら

ちょっと聴いてみたい) 少なくてちょっと寂しい気がしたのは映画音楽

系。

一切なかったのがクラシック系。たぶんこれは単にレコーディングなんぞ
していないんでしょう。クラシック系の作曲家だって、触発された人、い

たんじゃないかなぁ。

 

ジャズ系でダメだったのは、歌がフランス語のもの。シャンソンならハー
モニカは出てくることがあるし、アコーディオンなんかと音が似ていて違
和感はない。なのにジャズになったとたん、アカンのです。もっとも、こ
れはハーモニカのことではありません。あくまで、フランス語で歌われる
ジャズのこと。(2曲ぐらいありました、残念ながら)
 
ジャケット写真が古臭い。1955年あたりのものかもしれない。でも、55
年に出たものの音質については響きが物足りないというぐらいでちゃんと
していて、ジャケットから連想されるような古さの心配は杞憂でした。
 
夏向きかどうかはともかく、さわやかでした。

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1-1 ブルースエットという名曲でいきなり捕まれる。とてもシンプル
1-2 ポール・サイモン、淡くユニゾンふうに高音の声のようなものが聞こえる、ガーファンクル?
1-3 口笛、でも即興がギターとぴったり合っているので、ギターもご本人?
1/4 さもありなんという奥行きのないサウンドは1955年、でもOK、OK
and so on ・・・