休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ハチャトゥリアン/「ガイーヌ」組曲

20241224(了)

ハチャトゥリアン

「ガイーヌ」組曲 第1番 - 第3番

Aram KHACHATURIAN(1903-1978) Gayane Suites Nos.1-3

組曲 第1番
 ①序曲              1:30
 ②ガイーヌとギコ         2:51
 ③アルメンのソロ           3:44
 ④アイシャとアルメン         3:39
 ⑤ガイーヌのソロ           3:35
組曲 第2番
 ⑥収穫祭             2:33
 ⑦娘たちの踊り          2:31
 ⑧シャラーホ           2:18
 ⑨花嫁選び               3:04
 ⑩子守唄             5:16
 ⑪剣の舞             2:26
組曲 第3番
 ⑫狩り              5:01
 ⑬村人全員の踊り            1:50
 ⑭アイシャのソロ          1:42
 ⑮ガイーヌのアダージョ       4:56
 ⑯ソロ/愛のデュエット       4:49
 ⑰終曲               4:17
 
  アンドレ・アニチャノフ指揮
  サンクトペテルブルグ国立交響楽団
  録音;1993年8月、ロシア、サンクトペテルブルグ放送、スタジオ1 Tot.56:02
  CD/クラシック/管弦楽曲/Ⓟ&ⓒ 1994 Naxos/輸入/中古
  <★★★★>

『ガイーヌ』はパラパラと知っているのですが、こうした組曲3つで多くを聴くの
は初めて。だから全曲だって聴いたことはない。
間違いなく、セミクラ、なんていう軽いイメージがあってちゃんと聴かずに来てし
まった曲。そういうのもたまには聴いてみようなんて気を起こすこともあって、今
回はそれ。と、正直に、もうひとつ⑮のため。もったいぶることもない。安かったし・・・
 
この組曲の中には数少ない知っている曲「バラの乙女たちの踊り」も「アイシャの
目覚めと踊り」も、そして「レズギンカ」すらも収録されていません。曲のあちこ
ちには、それらからと思しいメロディが埋め込まれていたりはしています。
その他マイナス点を先に書いてしまうと、録音。悪いとまでは言えないのですが、
スタジオ録音らしく、ホールトーンが人工的で安っぽく、ダイナミックレンジがな
んだか狭いせいだろう、音量を上げるとウルサイ。シャッキリ感もいまいち。録音
をいいと書いた評はあったが、決して魅力的だとは言えないと思う。
 
でもそれらを帳消しにしてしまうといってもいいところがいくつもありました。
第一に、この演奏には外連味は皆無と言っていいが、熱気だとかパッションだとか
いったものが強く感じられたこと。ハチャトゥリアンアルメニア人なのであって、
この演奏者たちのような白ロシア人じゃない、お国ものというのは正しくないんだ
けれど、でもコーカサスのことなんか知っているんじゃないかなぁ。
第二は、オケが上手い。サンクトペテルブルクってんだから、レニングラード。か
ムラヴィンスキーの手兵レニングラードフィルハーモニー交響楽団がこれにな
ったんじゃないかと思いたいところなんだが、それは違うよう。レニングラード
フィルは今はサンクトペテルブルクフィルハーモニー交響楽団。(このごろその
名を聞かないって、、、当然か)
第三は、⑮アダージョですよ。『2001年・・・』のサントラは、ハチャトゥリ
アン自身が指揮したウィーン・フィルハーモニーの演奏で、映画の影響もあるかも
しれないけれど、深く沈潜してゆくような感じでテンポもゆっくりなのに対して、
ここでのアダージョは、もっと「歌って」暖かく、テンポがもう少し速いのね。も
のすごく違う。でもワタシ、聴いてて思わず涙が出そうになっちゃった、、、 ま、
それもこれも映画のせいと言えば言えますが(ジジイになったせいもあるんでしょ
う)。 ああそれと、映画で使われたのはフル・ヴァージョンでなく、途中までの繰

り返しだったのね。知りませんでした。ホントに上手く使われていた。見事なアイ

デア。

さて、第四は、ちょっと変った音楽だなぁと思えるものが、いくつかあったこと。
例えば⑦とか⑧。民族色を超えたオリジナリティがあると思いました。
 
そんなことで、初めて聴く曲が多かったものの、聴きやすさ抜群。悲し気な曲も含
めて乗りよく楽しむことができました。まぁ、ちょっと飽きが来るのが早いかもし
れないけれど・・・ 車内でかなり大きめの音量で鳴らしておりました。
 
次に「スパルタカス組曲」なんてどう?(昔聴いてつまらなかったやつ・・・)