休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ボイリング・ポイント/沸騰』

20230502(了)

映画『ボイリング・ポイント/沸騰』

 フィリップ・バランティーニ監督/スティーヴン・グレイアム/
 ハンナ・ウォルターズ/ジェイソン・フレミング
 2021年製作/95分/イギリス/原題:Boiling Point/DVDレンタル
 <★★★★>

去年の新聞広告(2022.7.14)の切り抜きに書かれた言葉たち

 90分間、驚異のワンショットに世界が絶賛!

 ロンドンの高級レストランの舞台裏、崖っぷちシェフの波乱に満ちた一夜

 運命を狂わす、スリリングな一皿

ああ、ポスター写真もおんなじだ。確かにこんな感じでした。
 
高級レストランという評価にほとんどしがみついているみたいな店。
クリスマスを控えていて、満員。
ワタシは高級レストランなんて行ったことがないし、内情なんてなおのことわか
らないが、ともかくトラブルが、起きるわ起きるわ、理解を超えたことなんぞ何
一つないが、一つ一つ鬱陶しいやつが機関銃(って古いか)のように間を置かず
に。
「一夜」というには90分はちょっと短いんだけれど、だんだんわかってくる構
成員たち個々の事情や人となり、シェフ個人の事情の絡んだらしい彼自身の反応
のしかたなどが、一つ一つのトラブルを危なっかしくして行く。

でかい暴発を誘発しそうな具合になってくる。

すごいですね、見逃していないと思います、謳い文句の「ワンショット」!
カメラが店舗の中を、映す対象をどんどん変えて行きながら動き回る。
脚本やカメラの動き等々、ものすごく綿密に計画を立てて、エイヤッ!で撮った
んでしょうねぇ。
エピソードがてんこ盛り過ぎて、どこから暴発しても不思議じゃないハラハラ感
で、正直言って少なからず疲れました。
なもので、結末はもうちょっと柔らかくてもよかったかなぁ。

映画を作る側がいかに大変か、やっぱり気になり続けました。
映画の観方としてはアリでしょう。それはわかるんですが、ワタシはいい悪いじ
ゃなく、「好きじゃない」というほうになりますかね。
映画のための映画がたいてい苦手に感じる性向と、たぶん根が似たようなものじ
ゃないかしらん。
 
それから、同じような意味だと思いますが、「沸騰」あるいは「沸騰点」という
より、「煮詰まる」とか「煮詰まる点」と言った方が、語感として近い気がする。 
ま、それじゃ語呂が悪いけど。
好きなタイプじゃないとはいっても、挑戦が感じられ、面白かったです。