休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『復讐は私にまかせて』

20231003(了)

映画『復讐は私にまかせて』

 監督;エドウィン
 2021年製作/115分/PG12/インドネシア・シンガポール・ドイツ合作/
 原題:Seperti Dendam Rindu Harus Dibayar Tuntas/DVDレンタル
 <★★★>

去年の8月の新聞に評が載った作品。(観てもいいという)メモあり。
見出しは、「奇妙な俗っぽさ 社会を抉る」
30年余り前を描くインドネシアの作品。珍しいので選んだのですが、なん
と取り寄せなし、珍しや在庫がありました。
 
基本的には恋愛~夫婦愛の物語で、様々に枝葉末節とも伏線とも、観ている
間はわからない、波乱万丈のストーリー。そのこんがらがったへんてこりん
なストーりーに色々と影を落とし、ストーリーのエンジンになっているらし
いのが、夫になる彼の少年時代に負ったトラウマ。
 
いきなりこの男女のカンフーの殴り合いから始まるも、なんだぁ、じゃれ合
いだったのかと狐につままれ、即相思相愛になる二人には、それぞれ「大問
題」があるのに、結婚にまで進んでしまう・・・
彼女に横恋慕しているしつこい男、彼のトラウマに絡んでいるかもという感
じの大物、これもトラウマのもとになった軍隊崩れ、その他もろもろ。
中で妙ちくりんなのが、二人の窮状に反応する形で突如現れるなにかの「精」
(あるいは魔法使いふう?)のような謎のオバサン。何か伝説みたいなもの
があるんじゃないか。どうやらこのオバサンの存在が邦題を考えつかせたん
じゃないかしらんね。漫画にも出てきてウィンクしたりする・・・
最後は、伏線を回収して、あらあら、二人はどうなっちゃうんだろう、とい
う、無理をしないものの、変なエンディングになりました。
 
セックスも暴力も悩みも、あるいは取り込まれた通俗的なジャンルのあれこ
れも、どこかあっけらかんとして軽いのが、特色なのかもしれない。何度か
出てくるカンフーアクションもそれなりにやっているものの、リアルじゃな
い。それをやる役者の体躯だってそれらしくないしね。
評では娯楽性だけじゃなくて、社会構造を抉る批評性を挙げて、けっこう持
ち上げているが、ワタシにはその辺は実は全く感じなかった。
撮影に知られた日本人が入っているほか、一流スタッフによる仕事だそうで、
映像にはチープさはほとんどありませんでした。
インドネシアじゃあ9割近くがイスラムだろうに、宗教色も少なかったなぁ。
なんだか作る側の熱量は感じました。