去年の8月の新聞に評が載った作品。(観てもいいという)メモあり。 |
見出しは、「奇妙な俗っぽさ 社会を抉る」 |
30年余り前を描くインドネシアの作品。珍しいので選んだのですが、なん |
と取り寄せなし、珍しや在庫がありました。 |
|
基本的には恋愛~夫婦愛の物語で、様々に枝葉末節とも伏線とも、観ている |
間はわからない、波乱万丈のストーリー。そのこんがらがったへんてこりん |
なストーりーに色々と影を落とし、ストーリーのエンジンになっているらし |
いのが、夫になる彼の少年時代に負ったトラウマ。 |
|
いきなりこの男女のカンフーの殴り合いから始まるも、なんだぁ、じゃれ合 |
いだったのかと狐につままれ、即相思相愛になる二人には、それぞれ「大問 |
題」があるのに、結婚にまで進んでしまう・・・ |
彼女に横恋慕しているしつこい男、彼のトラウマに絡んでいるかもという感 |
じの大物、これもトラウマのもとになった軍隊崩れ、その他もろもろ。 |
中で妙ちくりんなのが、二人の窮状に反応する形で突如現れるなにかの「精」 |
(あるいは魔法使いふう?)のような謎のオバサン。何か伝説みたいなもの |
があるんじゃないか。どうやらこのオバサンの存在が邦題を考えつかせたん |
じゃないかしらんね。漫画にも出てきてウィンクしたりする・・・ |
最後は、伏線を回収して、あらあら、二人はどうなっちゃうんだろう、とい |
う、無理をしないものの、変なエンディングになりました。 |
|
セックスも暴力も悩みも、あるいは取り込まれた通俗的なジャンルのあれこ |
れも、どこかあっけらかんとして軽いのが、特色なのかもしれない。何度か |
出てくるカンフーアクションもそれなりにやっているものの、リアルじゃな |
い。それをやる役者の体躯だってそれらしくないしね。 |
評では娯楽性だけじゃなくて、社会構造を抉る批評性を挙げて、けっこう持 |
ち上げているが、ワタシにはその辺は実は全く感じなかった。 |
撮影に知られた日本人が入っているほか、一流スタッフによる仕事だそうで、 |
映像にはチープさはほとんどありませんでした。 |
インドネシアじゃあ9割近くがイスラムだろうに、宗教色も少なかったなぁ。 |
なんだか作る側の熱量は感じました。 |