休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

TVドラマ『ペリー・メイスン』1/2

20220122(了)

テレビドラマ『ペリー・メイスン』1/2

            (1-4話)

 ティモシー・ヴァン・パタン監督/(デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督)
 マシュー・リス/ジュリエット・ライランス/クリス・チョーク/シェー・ウィガム
 タチアナ・マスラニー/ジョン・リスゴーロバート・パトリック
 (2020年6月~米)DVDレンタル
 <★★★☆>

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DVD2枚だけのTVドラマながら、1枚に4話が長々と入っている。
2枚でなんと480分もある。1枚だけでもいっぺんには観られない。
(1)-(2)
E・S・ガードナーのあのペリー・メイスンですよね、その若いころという設
定。第一次世界大戦の後の不況のさなか。
少々いじけたやつで、弁護士でなく探偵。戦争体験がしばしばフラッシュバ
ックで描かれ、やむを得ない行為とはいえ、罪に値するとも言えることをや
って、それをずっと引きずっている。そのほか、離婚したためにロクに子供
に会えないことなんかにも気をふさがせられている。
このメイスン探偵役の顔、角度によって、日本の安田顕という俳優にちょい
と似て見えることがある・・・ 60年以上も前にメイスンに扮したレイモ
ンド・バーとは似ても似つかない。
彼は馴染みのベテラン弁護士(ジョン・リスゴー)に調査を依頼される。弁護士
はその町(ロス・アンジェルス?)のクラブの会員なので、一見セレブ。
 
昔の第2次世界大戦後の設定のテレビドラマだと、ポール・ドレイクという
探偵がいました。名前をまだすっと思い出すんだから、よっぽど印象が強か
ったんだろうなぁ。メイスンはここではそのドレイクに当たるような調査仕
事をしている。もとのドラマにいたデラ・ストリート(この名も覚えている)
というメイスンの相棒かつ秘書のような女性もちゃんと出てくるが、この女
性はこの時点では探偵メイスンとさほど親しいわけじゃないよう。
 
事件は、赤子が誘拐され身代金が要求されるが、夫婦が大金を支払い、サン
フランシスコのようなケーブルカーに行くと、なにかがこじれたか赤子は死
んでいた、またその死にざまが、瞼が上に縫い付けられていたりと猟奇的で
奇妙だった・・・というのがとっかかり。

始めはその父親が、次には母親が(これが中心になる)疑われ、弁護士の仕

事や調査仕事が始まる。

様々な事情の絡まりが見えてくる。そうした調査にメイスンがいちいち首を
突っ込む、というまあ、ありがちな進み方ですが、ジェイムズ・エルロイ
たいで、なかなか重たい感じ。
警察がなんとなくヤクザっぽい。検察側のボスがやはりクラブの会員。
赤子の親である若い夫婦のうち夫は町の名士(ロバート・パトリック)の隠し子で、
なんで資産などないはずの若い夫にそんな大金が払えたんだということか
ら、始め夫が疑われる。当然親たるこの名士も臭い。この名士がバックアッ

プしていると思しいまるで新興宗教風なキリスト教の説教師を始めとした団

体も臭う。

次には赤子の母親が、誘拐犯との不貞を暴かれることで疑われる。この疑惑

が中心。

他には・・・関係ありそうな人間の死の真相に近づくも、報告を改竄させら
れてしまう黒人巡査(彼の名がポール・ドレイク!)が、大事なキャラク
ーであるかのように描かれ始める。これで、一通りカードが揃ったのかな。
 
そうそう、音楽、すぐ、テレンス・ブランチャードじゃないかと思ったら、
珍しや、当たってました。たまには当たる。暗いが、逆にどこか暗くなり過
ぎないような抑制が働いているみたい。                           
 
(3)-(4)
ここでは、前述ポール・ドレイクという名の「黒人巡査」が上からの圧力で
捻じ曲げた報告書の真実をこっそりメイスンに明かすようなことはあるもの

の、探偵メイスンにとっても事務所のボスたる弁護士にとってもロクなこと

がない。

赤子の母親の弁護の役に立ちそうなことは悉く頓挫し続け、弁護士事務所も
も立ち行かなくなりそう。
(「デラ・ストリート」という女性は共同経営者という設定なのね)
警察と検察は決して一枚岩じゃなく、そこがほつれて行くのかと思うものの、
この段階ではまだそこまでじゃない。その芽は見える。
新興宗教っぽいキリスト教の団体(名称わからなかった)が事件に絡んでい
るかどうかは見せてはくれないが、代表と目される母娘 (娘は盛り上げ部分
を受け持って、まるでギフトがあるかのよう。てんかん発症ついでにお告げ
を聴き、ミステリーにも絡んできそう) と長老たちの対立が由々しく、無視
できない執拗さで描かれ続ける。
なんと、第4章で片が付くのかと思っていたら、終わりませんでした。
 
犯人像なんてワタシにはまだ全然見えてこない。見逃したことはいろいろあ
るのかもしれない。でもまあ第5章以降を借りるしかない。      

 

ここでいったん切ります。

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 (レイモンド・バー。「アイアンサイド」よりやっぱり「メイスン」でしょう)