休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

サイコ グレイト・ヒッチコック・ムーヴィー・スリラーズ

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20190214(了)
PSYCHO Great Hitchcock Movie Thrillers
 
(1) PSYCHO(A Narrative for Orchestra) 14:27
(2) MARNIE 10:06
(3) NORTH BY NORTHWEST 3:03
(4) VERTIGO(Prelude;The Nightmare;Scene d'amour) 10:30
(5) A PORTRAIT OF HITCH from THE TROUBLE WITH HARRY 8:16
(6) SPELLBOUND Theme 4:46
(7) ALFRED HITCHCOCK PRESENTS TV THEME 4:39
 
  (1)~(5)B・ハーマン指揮(作曲・編曲)/
                   ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
        Ⓟ1969年/録音1968年
  (6)ミクロス・ローザ作曲/
        スタンリー・ブラック指揮/ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団
        Ⓟ1963年/録音1963年
  (7)グノー作曲「操り人形の葬送行進曲」/
        A・ギブソン指揮/コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
        Ⓟ1971年/録音1965年
  CD/映画音楽//ⓒ1992年 /Decca/London/PolyGram/Made in USA
  <★★★☆>
 
またすごい顔のジャケット写真。ジャネット・リー じゃないですよねぇ。
オペラ『マーニー』を観て、映画の音楽も聴いてみたくなって新たに探しました。
なんか持っていたような気もするのですけど・・・
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(1)「サイコ」(1960)。管弦楽のための物語(抜粋とか組曲ぐらいに捉えれば
いいのかな)。
68年にしてはデッドな音。弦楽のみのオケはやや薄手。でもそれだけサントラ
に近い感じがする。恐怖を煽る有名な音とか、えぐるような低弦なんかもなか
なか効いていて、悪くない。やっぱりハーマンは上手いし、映画のテンションを
よく伝えている。(もちろん今から見ると、鳴り過ぎ!)
 
(2)「マーニー」(1964年)
さて目玉。このメロディーは覚えている。大時代な音楽やね。
ところが、いかんせん、先月のニコ・ミューリーのオペラの音楽をもう覚えてい
ない!ハーマンの音楽よりは当然もう少し尖がっていたと思うんだけれど、ど
こか似ていた気もする、、、ウーン、情けない!まあ今の記憶力なんてこんな
もんです。これじゃ比べられないやねぇ。でも、ムードとしてはホントけっこう共
通点があったような気がしてきた。盗んでも盗んでもトラウマから自由になら
ないマーニーの衝動や心情に共通点があるというようなことなんじゃないかし
らん。オペラ版の音楽をもはや聴く機会なんかないでしょうねぇ、、、
(このCDを手に入れた意味ないじゃん・・・)
 
(3)北北西に進路を取れ(1959年)
知ってはいるけれど、このスケルツォの音楽はあんまりおもしろくありません。
シンドバッドの冒険」の音楽がハーマンにもありまして、なんかこれと共通点
があるような気がします。
 
(4)「めまい」(1958年)(前奏曲/悪夢/愛のシーン)
これはすごい。豪華絢爛の疑惑(じゃない、たぶん‘悪夢’だね)の音楽。「シェ
エラザード」に匹敵するような。愛のシーンの音楽は不安の入り混じった情緒
纏綿の感じが、これまたよろしい。
 
(5)「ハリーの災難」から“ポートレイト・オブ・ヒッチ”
滑稽味や軽妙な感じの曲調が入り混じり、牧歌的な弦の美しいメロディが繋ぐ。
タイトルは知ってますが、どんな映画かは知りません。ポートレイト・オブ  って、
どういうこと?これはクラシック系の素養からのものですね。
 
(6)「白い恐怖」(1945年)
ここからはハーマンではありません。ローザの有名曲です。合唱入り。
中では録音が最も古いけれど、他のに負けていない立派な録音。
高校生の頃に大好きだったスタンリー・ブラックとロンドン・フェスティヴァル管
弦楽団。サントラの雰囲気を壊さない豪華な音質の映画音楽がたくさん聴け
たので、夢中になりましたね。たしか“フェイズ4”といった音質重視のデッカ/
ロンドンの録音。このブラックやエドモンド・ロスなどのラテンやフランク・チャッ
クスフィールド・オーケストラなんていうムード音楽系も良かったけれど、なぜ
かこの方式でストコフスキー指揮の「シェエラザード」が出た。友人の弟が買
ったLPを仲間で聴き、そのギンギラギンな音に驚きあきれたんでした。話題
にはなったものの、評価はひどかったと記憶しています。堅物の評論家ばか
りでしたからねぇ。
はい、昔話でした・・・ 「白い恐怖」なかなかよござんした。
 
(7)テレビの「ヒッチコックのテーマ」(1955~)
もちろんのことこの音楽はヒッチコックによって有名ですが、これは純然たる
クラシックの曲なんで、クラシックの曲としての録音からのフィルアップ。アレグ
ザンダー・ギブソンの名が懐かしい感じです。サントラに使われた音源ではな
いでしょう。
<付>
グノー(1818-1893)が楽長を務めていたサン・トゥスタッシュ教会の聖歌
隊に、後に画家として著名になるピエール=オーギュスト・ルノワールが、
1850年頃から数年間所属していた事がある。グノーはルノワールに声楽
を教え、ルノワールの歌手としての才能を高く評価していた。そのため、
グノーはルノワールの両親にルノワールオペラ座の合唱団に入れるこ
とを提案したが断られた。グノーはルノワールを歌手にしようと考えてい
たので、その才能を惜しんだ。 <Wiki>
関係のない話です。初耳。ルノワールは歌がうまかったんだ。
 
 
 
(付)あるちゃちな持論です。
 
映画音楽作曲家ハンス・ジマーについて・・・
この方の技量、能力のすごさは認めます。今晩、彼の2枚組CDを車で掛けて
いて、思いついたことが一つ。平凡な感想です。
ジマーの音楽は、たいそうゴージャスな「カラオケ」と言っていいんじゃないか
という一点です。
どんなタイプの映画にも付けられるすごい能力がある。ポップスだろうがジャズ
だろうがラテンだろうが変わらなく、抽斗の多さは抜群。それを駆使した雰囲
気の作りかたのうまさは天下一品だと思う。
ただし、彼の音楽にはたいてい欠けているものがある。
それは、キャッチーな「メロディー」だとか「主題」だとか、刺激的な、あるいは
突飛な音色だとか。(全部が全部ではないのですけどね)
そしてそれらを奏でるのは、映像やキャラクター達なんだと思う。そういうスタ
イルを貫いているのもすごい。今はそういう求められ方が中心なんだね。
でもここが肝心で、自己完結はたいていしない音楽。「パイレーツ・オブ・カリ
ビアン」だろうが「ザ・ロック」だろうが、そうだとワタシは思ってます。
だからちょっとごわごわだけれど、「カラオケ」という言葉を使った。‘協奏曲’
ぐらいまでなら譲ってもいいんだけどね。
ふと思った程度なんですが、どうでしょうか?
ワタシにはだからどうしても不満なのです。認めていないわけではありません。
実にプロらしいプロだと思う。
それに対して、例えばこのハーマンの音楽は、編成の大小にかかわらず、ほ
とんどが自己完結しているように聞こえる。ジマーさんのは音楽だけではどう
も存在感が希薄なのに、ハーマンさんの音楽は作品として自立している。
映画を観ている段階では、ほとんど何の問題もないような両者の音楽なんだ
けれど、ひとたび映画を離れると ―― 離れる必要があるかどうかということは
当然あって、映画を離れた音楽なんて認めないという考え方もありますけどね
 ―― 存在感が違っちゃう。
 
棚にサロネン/ロス・フィルのハーマン・フィルム・スコア集があった。こちらは
更に演奏巧者で、見事な「作品」に仕上がっていました。ご本家より上等!
 
久々の映画音楽で、くどくなっちゃいました。
 
え? Yahooブログ やめちゃうの?
引き継いでもらうって、同じように書けるのかしらん。どこを選ぶかで変わって
来るんじゃない? せっかく馴染んでたんだけど・・・