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(帯惹句) テナー・サックスのマスターであるマイケル・ブレッカーが、流麗 |
なアレンジに最高の魅力を発揮するクラウス・オガーマンと繰り広げた壮大 |
なコラボレーション。そしてプロデューサーのトニー・リピューマの完璧なサ |
ウンド作り。あたかも画家がキャンバスに描いてゆくように、大都会のさま |
ざまな表情が美しいトーン・ポエムとなって表出されてゆく。シリアスである |
とともに、たっぷりと情感の込められている作品。 |
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この 「CITYSCAPE」は、このあいだ聴いた「GATE of DREAMS」の6年近く |
あとの作品ながら、基本的に大きく変わることはなくて、“夢見る大都会” |
ふうなムード音楽(褒め言葉のつもり)やね。 |
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違いとしては、主役の一人がD・サンボーンからマイケル・ブレッカーに移っ |
て、普通の音色の生真面目なソロになったので、たしかに雰囲気的には |
すくなからず変わりました。 |
ブレッカーがこのころには健康を害していて、元気がないはずで、ソロも良 |
くない、などというコメントをちらっと見てしまったが、そんなことは全くない。 |
それとキーボードがクルセダーズ(ジャズ・クルセダーズ)の昔から知って |
いるジョー・サンプルからバーンハートというそんなに特色がわからないか |
たに変わったとか、スタープレーヤが減ったとかといったことが、構成や音 |
色に変化を与えていると思う。弦は分厚くなった。 |
結果、仄暗く、惹句にあるように少しシリアスになったよう。 |
それでも、都会的な心地よい音楽です。好みの点数も高いです。 |
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あえて言うならば、繰り返して聴いていると、この47分ほどの時間、べたー |
っと鳴り続けていて、なんとなく隙間がなく重ったるい感じであることかな。 |
美しく、穏やかで、いかにも癒し系なのに、癒しに拘るなら日本人には、わ |
びさびの感覚とか楚々としたイメージではないことが、ちょっと違うかも、な |
んて思ってしまったりする・・・。関係ないことですけどね。 |
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ジャズと謳っているわけだけれど、ジャズとしてとりあげられることも、名前を |
出してムード音楽として取り上げられることも、あまりないジャンルじゃない |
か。こうして廉価版のシリーズでも、あとのほうでようやくされたという具合 |
だと思う。見つけられてよかったですヨ。 |
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④⑤⑥の原題は IN THE PRESENCE AND ABSENCE OF EACH OTHER |
これでは邦題に繋がらないと思ってしまうのが教養のなさってことかしらん |
ね。 |