休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

モンサルヴァーチェ/「鳥の歌」の主題によるマドリガル 他

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20161130(了)
      <SPANISH CLASSICS>
モンサルバーチェ /Xavier Montsalvatge (1912-2002)
フォリア・ダリニアーナ(1995) 14:07
 
民謡「鳥の歌」の主題によるマドリガル(1991) 5:15
コンチェルティーノ 1+13(1975) 12:05
 ③Allegretto 5:00
 ④Moderato 5:06
 ⑤Moderato energico 2:05
カダケスのリディアによせるセレナータ(1970) 9:33
五つの十字架への祈り(1969) 21:16
 ⑦キリストの受難 4:44
 ⑧聖母の涙 4:20
 ⑨聖処女の冠 2:59
 ⑩嘆き 6:16
 ⑪礼拝の時 2:53
  パースペクティヴ・アンサンブル/
  アンヘルヒル=オルドニェス(指揮)(⑥以外)/
  サーシャ・クック(Ms.)②、⑦~⑪/ティム・フェイン(Vn.)③~⑤/他
  録音:2012年9月、グリーンヴィル・コミュニティ教会、スカースデイル、NY.
  CD/Ⓟ&ⓒ2013 Naxos、現代音楽/輸入     Tot.62:36
  <★★★★>
 
(帯惹句) 20世紀スペインを代表する音楽家の一人、ハビエル・モンサル
バーチェ(1912-2002)。彼はスペイン内戦後の1942年から新聞で音楽評
論を始める傍ら、数々の作品を世に送り出しました。その作風は時代に
よって違い、このアルバムでも多彩な音を聴くことができます。Track2の
「民謡の主題」で使われているのは、カザルスの演奏でもお馴染みの「鳥
の歌」。強烈な個性と絹のような滑らかな声を持つ歌手サーシャ・クックの
歌うこのメロディは聴き手の心を優しく溶かしていきます。舞曲のエッセン
スを新古典派の様式にはめ込んだ「フォリア・ダリニアーナ」は楽しさ満点。
やはり新古典派のスタイルで書かれた「コンチェルティーノ」と名フルーテ
ィスト、ランパルのたえめの「セレナータ」そしてこのアルバムの白眉でも
ある「十字架への5つの祈り」。ここでもクックの名唱が冴えています。ス
ペインの歴史に刻まれた悲劇と揺るぎない信仰心。これらが昇華した名
作です。
多彩!
①新古典や新即物主義なんかの感じで始まり、フランス近代のムードも
加わる。ほぼ常にフルートが活躍する。
奏したものが混ざり合い、盛り上がって終わる。
完全に好み。楽しい。
②どうしてもカザルスを想起してしまう。そのチェロ独奏で始まり、弦楽合
奏とともに、魅力のあるメゾ・ソプラノが歌い始める。実に雰囲気がいい。
短いけれど、思いのほかよかったですね。
③-⑤ ヴァイオリンのコンチェルティーノ。
おどろおどろしくなったりもするが、概して不協和音が小気味よく美しい。
時に、調性から離れたりしているような気もする。
ぶった暗さ(本当は暗くない)やリズムが、フラメンコのイメージを想起さ
せる。
⑥ フルートとピアノ。
プーランクのような例外もあるにはあるけれど、ワタシは概して好きな演
奏形態じゃない。センスがあって悪くはなかったのですが。
⑦-⑪ さて、このアルバム中白眉という宗教的作品。詞には特に興味は
ないが、5つとも別人のもの。
②と同じメゾ・ソプラノは魅力的。そのバックはピアノとさまざまな打楽器
が中心で、これもあまり好きな演奏形態ではない。
何度か聴いてみて・・・ものものしい⑦よりは、それ以降のほうがいい。
受難ものだけれど、常識的には使わないんじゃないかと思われる(よう
知らんけどね)民謡調が使われていて、それがけっこう濃厚なのがいい。
聴くほどに馴染んでくる。⑪など絶品。短いが感動的。
この前のモンサルヴァーチェのアルバム(1ヶ月前にアップした)もそうだ
ったんだが、この作曲家、ワタシには一筋縄ではいかない。何度も聴か
ないと入ってこない。でもそうすれば入って来るってこと。
若いアンサンブルのよう。演奏のレベル、かなり高いと思う。