(帯紹介文) 79年のクリスマスイブに作曲開始、翌年初頭に完成した交響曲第2番 |
は、ペンデレツキの中で最も親しみやすい作品、という評さえありますが、果たして |
どうでしょうか。うっかりしてると、「きよしこの夜」の引用にも全く気づかないかも。結 |
局クリスマスっぽい雰囲気とは無縁で親しみやすくはないけれど、作曲後のポーラ |
ンドの不安定な政情を予見させる、真摯な力作なのです。仏革命二百周年のため |
に書かれ89年にパリで初演された第4番は、80年代後半の作曲者の作風を代表 |
する作品。楽想は落ち着かず変転し、アイロニカルな雰囲気(そこがいい)に支配さ |
れます。 |
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(1)は後期ロマン派の匂いをぷんぷんさせたところがあるので、聴きやすいと言う人 |
もいるんでしょう。おしまいにはショスタコーヴィチや‘ゴジラ’調なんかもある。だから |
少しは雄々しいという言い方もあるかもしれない。 |
そうそう、「きーよーしー、こーのよーるー」のメロディ、一瞬聞こえた。 |
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(2)になると戦争や軍隊のイメージのようなものが濃い感じ。騒がない。暗く陰気。 |
あっちこっちで、‘独白’的な調子が出て来る。 |
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共になんとはなしに、歴史的な観点のような表現が多いみたいで、そういう面では、 |
ショスタコーヴィチに近いのかな。 |
2番と4番では性格は異なるものの、両曲の根っこは似ている。 |
続けて聴いていた同じくポーランドのルトスワフスキは、もっとスタイリッシュとでも |
いうのかな、エンタテインメント性がはるかに高く、暗さも強調しない。意味感を強く |
押し出さない。その辺がペンデレツキさんと大分タイプが違うんだなあと思ったしだ |
い。ま、もっともペンデレツキもどんどん作風を変えた作曲家だから、こんなコメント |
もこの曲だけのこと。(このCDでは気がふれたような荒れ狂い方はしません。) |
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