休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画「それでも夜は明ける」 12 Years a Slave

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20141106(了)
スティーヴ・マックィーン監督/映画「それでも夜は明ける
  12 Years a Slave
  キウェテル・イジョフォー/マイケル・ファスベンダー/ベネディクト・
  カンバーバッチ/ポール・ダノ/ポール・ジアマッティ/ルピタ・ニョンゴ/
  サラ・ポールソン/ブラッド・ピット
  音楽:ハンス・ジマー
  2013年/米英映/134分/DVDレンタル
  <★★☆>

注意! 否定的意見の感想文です
 
ブラッド・ピットの製作、人気監督作品、キウェテル・イジョフォーの熱演、多
くのゲスト出演陣、オスカーの作品賞受賞・・・
と、メジャーによる社会派の力作のようなんですけどね。
アメリカは、時々はこのジャンルに立ち返らないといけないんでしょうかねぇ。
「自由黒人」という位置づけの教養も地位もある黒人が、1841年に、はめら
れて奴隷になり、結果的に12年間を奴隷としてすごすことになる。その悲惨
さ、希望を失わないことのむずかしさたるや・・・ という実話に基づくお話。
映画だって、どれだけ黒人の奴隷制度がらみの作品が作られてきたことか、
わからないほどだろうに。
人種差別の問題なのか、昨今の民族主義の盛り上がりのためなのか、製
作意図はワタシにはわからない。
人間はちょっとした価値観の違いでもって、いくらでも残酷なこと、いやらしい
ことができることがよくわかっている。歴史の長い宗教がバックボーンにあろ
うがなかろうが関係ないことだって、今更見せてもらわなくてもわかっている。
それに、恨みや怒りの表情についちゃあ、けっこうヘタクソな役者であっても、
たいてい巧まずして演じることができるので、みな熱演とはいえ、それほどス
ゴイというほどのものでもない。
熱っぽく作られた映画ではあったものの、ワタシには特に感興を呼び起こして
くれるようなものではありませんでした。
奴隷制度という題材を正面切って扱ったのは立派なのかもしれないですが、
その扱い方にプラス・アルファがなければ、映画としてはつまらないでしょう。
実話なんだから芸もクソもないと言われれば、それまでのこと。そんなら言っ
てもしょうがないけれど、あの結末ではそもそも映画にする意味あるのかしら
ん。従いまして、ワタシはあまり評価もできないです。
熱演のイジョフォーも12年間の艱難辛苦にしては、いまいちやせ細るわけで
もなく、ふくよかな体躯そのまんまだったしなぁ・・・
‘アンクル・トムズ・キャビン’一つで十分で、映画にするなら、ひねくったもの、
たとえば最近観たタランティーノの変な映画「ジャンゴ 繋がれざる者」のほう
がよほどいい。もちろんこの手のお話や作品について、なんにも知らないとい
うような人が‘もし’いらっしゃったら、その時はこの映画でも「可」でしょうが・・・。
しつこくなりました。
ワタシの精神的状況がいまいちだったことも、マイナスに作用してしまったき
らいがあると、言い訳がましいですが、付け加えておきます。
ジマーの音楽は、きまじめな劇伴。真面目にやれば悪くないじゃんって感じで、
不可はないですが、面白くもない。