20240815(了)
ANTON BRUCKNER(1824-1896) COMPLETE SYMPHONIES <5>
CD5 |
I. Introduction, Adagio - Allegro 19'42 |
II. Adagio, Sehr langsam 18'45 |
III. Scherzo. Molto vivace (Schnell) - Trio, Im gleichen Tempo 11'35 |
IV. Finale. Adagio - Allegro moderato 23'29 |
録音:2009年7月、ジュネーヴ、ヴクトリア・ホール Tot.73:31 |
<★★★☆> |
CD/10枚/交響曲/Ⓟ 2015 Pentatone Music B.V. Ⓒ 2023 Brilliant Classics |
CD5 |
重みのある内容とともに、ちょっと素っ頓狂な曲調が多い曲で、ひとことで言う |
なら「野暮ったい」代表格のシンフォニーだった、もともとは。 |
前の4番のように、イイネェ!という感じにはならなかったものの、テンポの工 |
夫などですっきりして聞こえるように頑張っており、いくらかは成功しているよ |
うに思います。 |
演奏論になってしまいますが、スケルツォの第3楽章などでは速い部分とそでな |
い部分とのスピードの差が大きく、trio部分では同じテンポでという指示を |
正直にやっているこの演奏では、それがいささかやり過ぎな感じで、オーケスト |
ラもちゃんとついて行けていないように聞こえるもんだから、これでいいんだろ |
うかという気になってしまいました。つまり、ちょっと引っかかった。野暮った |
さとは違うんだけど。 |
ある解説によれば、この一連の演奏は(録音が良いということのほかに)誇張さ |
れた表現や声部の埋没といった心配がない、と書かれていたんだが、まあそれは |
ここでは少し違うと思う。いろいろ動かしてますよ。自分で何度も聴くまではわ |
からなかった。色々解釈を施す指揮者とは一線を画す、みたいな思い込みをして |
しまってましたが、そうでもなかったんだ。 |
ここまでの曲同様、明るくすっきりと様変わりし、「ドイツの野人」なんて言葉 |
のイメージなんぞまったく当てはまらない、言わば「純音楽」的なものとして提 |
示されている。そのへんはだいたいイメージ通りで変わらないですね。 |
第2楽章の主旋律や第4楽章の緩徐な部分の美しさは他のどの曲にも負けない。 |
最終的には、フーガの大伽藍のごとき第4楽章を乗り切れるかどうか! |
(毎回OKというわけにはいかなかったです。体調や気分次第・・・) |
以下は古い記憶です・・・ |
ブルックナーのライブの経験は本当に少ないのです。 |
ところが、この曲だけは大指揮者、名人オーケストラで聴いたことがあります。 |
名は明かさないでおきます。演奏は全く記憶になく、聴いたという事実が残っ |
ているだけ。その時は、なんでマーラーの5番じゃないんだ!なんて思いつつ |
チケットを買い、コンサートに臨んだことなら、恥ずかしながら覚えています。 |
戻りまして、〆・・・
たくさんの主題がばらばらとあって、どうもまとまらない感じ(≒野暮ったい) |
であることもまた事実でして、その辺が版によってかなり違ったりするんでし |
ょうか。ともあれこの演奏でもって、これまでのとっちらかったイメージが相 当すっきりしたようには感じました。 |