休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

『今日から第二の患者さん』

20210614(了)

漫画『今日から第二の患者さん』    

      がん患者家族のお役立ちマニュアル/青鹿ユウ
1、だいじょうぶ
2、私、支える人
3、いよいよ手術
4、どうする?しごと
5、おかねと保険
6、ちょっとまって!アドバイス
7、退院後は不安がいっぱい!?
8、「だいじょうぶ」は大丈夫!?(前編)
9、「だいじょうぶ」は大丈夫!?(後編)
10、発見!話し合いの秘訣
11、ツラさの順位
12、陥りやすい落とし穴!?
13、ありがとうエピソード
14、今日から第二の患者さん
   あとがき
   オット君のあとがき
 
   2017年5月/マンガ/小学館/中古
  <★★★☆>

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「第二の患者」というのは、癌患者の家族のことで、患者本人と同様の
感情や苦しみを抱くことから、そう呼ばれるんだそうな。
 
比較的若い漫画家夫婦の夫(仮にオット君という名にしている)が大腸
癌になって4年強の体験を漫画に綴ったもので、若い人にも役立つんじ
ゃないか(≒受けるんじゃないか)と、まとめてみたもの。
子どもはいないよう。猫が描かれている。
 
発覚当初は、同棲はしていたものの、結婚はしていなかったみたい。
でもこれ読んでると、ちゃんと夫婦やってる。
ノホホンとした彼と支える気満々の彼女(筆者)は、はじめっから、よく
頑張っているけれど、なにかと互いにぶつかったり、周囲を気にしすぎた
り、気にされ過ぎたりと、いろんな状況に陥る。その都度、そう簡単なは
ずはないけれど、打開策のようなものにヒーヒーと言いつつたどり着いて
行く。その一つ一つが章になっていて、途中ではチェックポイントとして
まとめたりする時もあるが、おしまいには、必ず、「きっとこういうこと
なんだな」という、まあ、これが狙いのまとめで、これを並べれば、確か
にマニュアル本っぽいと言えなくもないですね。
 
もうどうしようもない状態になってから癌だとわかり、おだやかに逝く方
法を探すしかなかったワタシのオヤジのことをつい思い出しましたが、そ
れはさておき、早期発見であれば、このようなマニュアルは、とてもいい。
彼女の前のめりによるアップダウンや、兄弟・親戚・友人たちの千差万別
の反応に翻弄される状況は、「第二の患者」という「患者」たらしめ、言
得いて妙。
そしてそうしたものを克服して行くために、彼と彼女が一つ一つ話し合っ
て行くことの大事さなんぞ、つい自分だったらと置き換えちゃいましたよ、
癌になってもいないのに。
ワタシは、曲折はあってもこの二人の間での実に様々な話し合いが持たれ
ること自体が、もっとも優れたマニュアル部分だと思いました。
ずばり、自分だと欠けることになるであろうこと、が響いたわけです。
この歳になっても(この歳になったからか?)彼らのように話し合うこと
は、多分ようせんのやないかなぁ、わからへんけど。

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日本人の三分の一近くが癌で亡くなるなんて言われている。

ラッキーなことに、ワタシの周りには、癌で亡くなった人やキャンサー

キャリアーは、三分の一もいない。

・・・

この歳になっては、こんな感想文書いているほど悠長なことじゃいけな

いかもしれない。

気を付けていることは、少しはありますが、気を付けていない部分もた

くさんありますしねぇ。

 

※古いデータですが・・・

  1位:悪性新生物(≒癌)    28.5%
  2位:心疾患        15.5%
  3位:脳血管疾患       9.9%      
  3位:肺炎          9.9%
  5位:不慮の事故       4.8%
  6位:老衰          4.2%
  7位:自殺          2.3%
  その他           24.9%  (H23年、厚生省)
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