ワタシには鑑賞能力も批評能力も、これらに関してはろくにないことがよく |
わかるというような音楽です。 |
ですから、面白いとか楽しいとかのレベルでしか、書きようがない。 |
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クルターグという作曲家の作品を聴くのは初めてです。Wikiから少し・・・ |
厳格にして寡作。83歳にして、作品番号44。クルターグの作風の特徴は、 |
例えば類ないシンプルな表現とヴィルトゥオーソがというようにいつも正 |
反対とも言える表現が一つのものとして共存していること、「沈黙」の重 |
要性(クルターグは「沈黙」は、魂が決めると言う)、噪音を好む、独特の |
音色感(アンサンブルには必ずハンガリーの民族楽器チンバロンを用い |
るが、多くの場合ハープと共用する、グランド・ピアノとアップライト・ピアノ |
を共用したりするなど)、非常にメッセージ性が強いこと。従って、初演か |
ら多くの支持を得、各地で再演が繰り返される・・・ |
リゲティ・ジェルジュとは・・・ 友情は生涯にわたった・・・ |
1993年から1995年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のレジデンス |
作曲家 |
1994年『石碑 Op.33』はクラウディオ・アバド指揮で初演 |
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(1) 車の中ではほぼ聞き取れない弱音で始まり、徐々に不穏でしめやか |
な調子が聞き取れるようになる。ティンパニ何発かで盛り上がり、猫の鳴 |
き声のような管が聞こえたと思ったら、度肝を抜く大爆発が3度。 |
はじめよく聞こえなかったもんだからヴォリュームをかなり上げちゃってま |
してね、いやー、これにはビックラコイタ。はじめて聴いた時は腹も立った |
が、まあ事故を起こさなくてよかった。その後ははじめの逆で、どんどん小 |
さくなって消え行ってしまう。 |
長く書くようなもんでもないんですが・・・いったいどういうかたのお墓? |
ホラーどころの話じゃない、死人も起きてしまうような爆発でした。 |
(車の中では聞き取れない音のために、部屋で聴き直しました・・・) |
ギターは聞こえたろうか。 |
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(3)ベートーヴェンのレオノーレ序曲の‘ジャン!’の音のような幕開け。 |
その一発の‘ジャン’の音が伸びながらぐにゃーっと変容していくというよう |
・・・ 引き込まれる。 |
「古代ギリシャの石碑」といった意味なのかな。(1)の墓よりよほど‘お墓’ |
らしく、引きずる過去があり、彷徨うような感覚がある。陰鬱な消え入り方 |
もそう。とても含みのある音楽だとは思いました。 |
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(2)これもWikiによれば、シュトックハウゼンの5期に分けられたうちの第一期。 |
(期なんて、わずかな間に弟子だか研究者だかが早々に決めたんだ・・・) |
50年代なんだが、世界初の電子音楽を発表している。「グルッペン」はアコ |
ースティック。聴いたことのある「コントラ・プンクテ」なんていうのと同じ時期。 |
聴衆を取り囲む3つのオケというようなスタイルらしい。Gruppe の複数形。 |
4チャンネルとか、後ろにスピーカーがなきゃ本来の音は聴けんわけやね。 |
聴いてみたい気が起きたよ。 |
さまざまな楽器がそこいらじゅうで、パラパラバラバラと邪魔しあわないように |
くっきりとした音で鳴きかわす感じ。それに往々アンサンブルよろしくビシッ! |
とばかりにアンサンブルを決める、また散らばる・・・またまとまる・・・ 非常 |
にかっこいい。録音もよく、各楽器の性格が生きていて、ほとんど美しい。 |
失礼な言い方になりますが、それ以上でもそれ以下でもない。でもこれで |
ワタシとしてはかなり満足しました。若いころはこの作曲家、全く受け付けま |
せんでしたからね、音を聞いておれるというだけでも、変わったもんです。 |
この作曲家のその後の理屈込みの変貌について行くことには、興味が持 |
てないというか、無理だと思いますけどね。 |
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あれれ、ジャケットをよく見ると、4D AUDIO RECOREDINGと書いてある。 |
それなりの再生装置があれば、Gruppen であることがわかるディスクな |
んだよ、きっと。 |