爆睡したとかシュールだとかいったネットの感想が始めのほうにありました。疲 |
れて観るのはつらいかも・・・ でもシュールじゃないなぁ・・・ とか思いつ |
つ。それでもどなたかのブログで面白そうだったので・・・ 映画大国のものと、 |
随分ムードが違うんですよね。面白かった。眠気なんかとんでもない。 |
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朝早く自分で弁当作ってるから独り者なんだ。方向変える操車場っていうんだっ |
け、その段階から立合ってのち、電車の運転を始める。ずーっとトンネル(地下)
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なのね。そして外へ出たら、そこは雪国だったなんてもんじゃない、雪もいくら |
か降っているからなんだろう、薄暗くぼやーっと白い景色が広がっている。その |
中へ鼻づらの丸い電車が走りこんでいきます。もちろん曇天。この感じだけで気 |
に入っちゃいました。こういう天候はごく普通なんだろう。 |
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このおっさん、勤勉実直の67歳で、あとちょっとで定年退職。部屋にインコみ |
たいなの飼ってましたね。『サムライ』のカナリヤとはだいぶん待遇が違う・・・ |
直近の予定としては、終点まで行って終わって、飛行機で(オスロに?)帰って |
くるんだなんて言ってましたね。終点の宿屋のばあさんには何十年も泊めてきた |
が、もう会えなくなるんだと寂しがられ、また来るから、なんて返事している。 |
(これ、ちゃんと果たされるのです) |
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送別会の二次会みたいなのに行った時、予期せぬ事態が起き、翌日おそらくは |
じめての遅刻をし、それを皮切りにホルテンさんには実に様々なことが起きて |
行くというのが本筋。その予期せぬ事態ってのも面白いんだけれどね、全部言 |
ったら大変・・・ ホームらしいところにいる母親を訪れたところでは女性の |
スキーのジャンプが差別されていたことが出てきて、あとで手当てされます。 |
住まいの近くの食堂で、食べている最中にコックが逮捕される。意味あるんか! |
と思うが、これがおかしい!これの続きもあとで短く描かれます。 |
友人に何かを急に手放す決心をするんだが、空港にいるらしいその友人がなか |
なか見つからない状況が無意味にギャグっぽい。不審者と間違えられたり、会 |
えたら車が故障したり。なんと処分するのは船!船なんか持ってんだ・・・ |
サウナの後、ホルテンさんの唯一の趣味であるパイプたばこのお店でのギャグ。 |
タバコ屋の外で、極寒の路上で寝る男を助けると、自称元外交官で自宅に招い |
てくれたあと、早朝におかしな車の事故。その時から、自称外交官ちの犬が連 |
れになる・・・ |
と、随分書きましたが、なに、問題ない、こんなもんじゃないのです。 |
おしまいには、電車の運転席の横にホルテンさんと犬がおり、外は始めに書い |
たのと同じ白くぼーっと霞んだような雪景色。宿屋の女主人がいる駅・・・ |
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そうそう、運転手たちが集まった送別会で、余興として、オープンリールに録 |
音した鉄道にまつわる様々な音を聞かせて、「これ、なーんだ?」とやる。機 |
械音やホームなど様々な音。難しそうな音ばかり。ホルテンさん以外の皆に大 |
うけだった。おもしろいシーン。なんでホルテンさんには受けなかったんだ? |
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雰囲気はすべて緩いんだけれど、眠るどころじゃない、このおっさん次は何す |
んのん? |
お隣の国に、カウリスマキという知られた映画作家がいて、日本にもファンが |
多いみたいですが、ワタシは苦手。このいろいろ削ぎ落とした(観た人は、削 |
ぎ落とされたものを附けなおさなきゃならない、みたいな)変わった作風とは |
似てないとは思うものの、なーんとなくこの「ホルテンさん」と共通点がある |
ような気がしました。国民性ふうな雰囲気なんですかねえ。あるいは単純に国 |
が近いからか。ユーモアというのも含んでいるね。 |
「違うやろ!」と笑われるかもしれませんけど、でも、ワタシは、始めにも書 |
いた通り、この作品、気に入りました。 |
邦題、これでいいんじゃないですか、悪くないと思います。 |