休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『千年医師物語 ペルシャの彼方へ』

20211130(了)

映画『千年医師物語 ペルシャの彼方へ』

 
  監督;フィリップ・シュテルツェル//トム・ペイン/ベン・キングズレー/
                      ステラン・スカルスガルド
  原作;ノア・ゴードン
  音楽;インゴ・ルートヴィヒ・フレンツェル
  2013年製作/150分/ドイツ/原題:The Physician
  <★★★△>

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11世紀のイングランド。少年ロブ・コーンは母親を脇腹の病気で突然なくし、
兄弟ともバラバラになる。逃げるように転がり込んだのが、馬車で放浪しつつ
理容師と医師のまねごとをする男のところ。成長していく中で、母親の死以外
にも医療の問題に様々ぶつかったことが彼を一念発起させ、大変な名医がいる
という遥か東方のイスファハンテヘランよりずっと南でイラン高原のまった
だ中やね)に向かわせる。
 
道中で素敵な女性と出会うが砂嵐に遭って別れ別れになる。出身を隠して(ユ
ダヤ人として)名医のもとで勉強し始め、様々友人知人を作りつつ生活。
科学を快く思わないイスラムのガチガチの原理主義とでもいう勢力が業を煮
やし、大部族と結託。今の王国を転覆させんがために黒死病(ペストだよね)
をまん延させる。これがきっかけで、その時の医療に不満を抱くロブは禁断
の腑分けに手を染めしまう。反対勢力には渡りに船で、それは万死に値する
決定的な罪。名医ともども、ロブもワンマンの王と友に準じるほどに口をき
けるようになっていたが、王の病気と、反対勢力の攻勢のタイミングが重な
り、ドラマはいよいよピークを迎える。王の病を治療するのも山場なんだけ
ど、これがまたしても脇腹だとわかる・・・
この辺りの宗教上の勢力地図も、以降は塗り替わってしまうんだろうなぁと
いう感じでした・・・
そうそう、彼には一つ特技があるのでした。(患者の)胸に手を当てるとわ
かることがある・・・
ハイ、書きすぎ。
近代医学の黎明の更にさきがけというところでしょうか。
名医とロブが牢屋に入れられた時、それぞれ自分の命の心配をして当たり前
なのに、ロブのやった解剖の結果を名医のほうがいろいろ尋ねる。「ねぇ、
あそこはどうだった?どうなってた?」 というふう。名医のくせして解剖
もしたことなかったんかい!と貶すなかれ。すぐになくなってしまう命のこ

とより知的好奇心のほうが勝っているという表現のシーンは、なかなか素敵

でした。

 
で、脇腹の病気って?
(ワタシは、黒死病のほうに注意が向いてしまってました。終りの方になっ
てからやっとわかりました、アホですねぇ)
ベストセラーになった原作小説があって、その第一部なんだそうな。
いわば古めかしいコスチューム・プレーなんですが、なんだか悪びれず堂々
としたドラマになっていて、よかったです。邦題もグッド!
みんな英語だったけど、ドイツ映画なんですね。
(ごく短いセックスシーン以外は、文部省推薦・・・なんて、今どきそんな
もんあるんかいな?)
 
音楽は聞いたことのない方。いたってオーソドックスなオーケストラル・ス
コア。あまり特色のあるものではなかった。

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