休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『コット、はじまりの夏』

20250430(了)

『コット、はじまりの夏』

  監督:コルム・バレード/キャサリン・クリンチ
  音楽:スティーヴン・レニックス
  2022年製作/95分/アイルランド/原題:An Cailin Ciuin/DVDレンタル
  <★★★△>

この作品の感想文、難しい!特に最後。(きっと違う意見もあるはずです)
 
アイルランドの田舎の酪農地帯での何十年か前の話。原作があるようです。
二つの家族が出てきます。中心に描かれるのは日本でいえば小学生の高学年ぐ
らい。ああ、ポスターによると9歳なんやね。小学生真っ只中。女の子で名は

コットと聞こえる。愛称でしょう。ほぼほぼアイルランド語なので、聞きなれ

ない。

 
(完全にネタバレしていますので、ご注意)
 
コットの家族は父母と娘3人だったか4人だったかで、子だくさん。なのに父
はサッカーや競馬などの賭け事に嵌っていて、大事なものも売り払うなどのダ
メ親父で、勤労意欲も乏しい。金がないから牧草を刈り溜める人手を雇えない。
母も危ない感じで、アルバイトでもしているのか、子供たちの弁当をボイコッ
トしたりするが、それでもよく我慢していて、今またおなかが大きい。
コットは父母が怖く、異常に引っ込み思案で自分が出せない。まるで自閉症
いまだにお漏らしをする。学校でもいじめに遭ったり白い目で見られたしてい

る。当然学業はダメ。ただ、、、幼いとはいえ、かわいいというよりかなり美

でね、引っかかっちゃった、、、(そこは引っかかるところじゃない?)

 
そんな中、父母は手に余るコットを夏休み中だけ、いとこだかの家で預かって
くれないかと頼み、OKを得る。車で数時間は離れていそう。「口減らし」なん
て言葉を連想。そうでもないんだが・・・
そのいとこさんちは、中年夫婦だけでやっている酪農家。息子を事故でなくし
ていて、彼らの代で終わるしかない。多分長らく沈んではいるものの、きっち
り仕事をし、互いを思いやる夫婦。そこへ難しい女の子が来るわけで、受け入
れには一大決心を要しただろう。で、こっちでは久々に3人の生活が始まる。
 
このいとこさん夫婦んちで、いろいろとあるんだが、早い話が、コットが夏休
み中に、徐々に徐々に馴染み、心を開き始め、まるで人生を取り戻してゆく、
みたいなことになる。優しく美しい景色は特筆もの。
夏休みが終わり、コットは実家に帰らねばならない。問題はコットがこの夫婦
んちに完全に馴染んで愛情も抱くようになっていたのだろう、送ってくれた夫
婦を追う。追いかけて追いかけて、追いついて固くハグまでしてしまう。その
状態のコットの涙目には、実の父親が近づいてくるのが見えている・・・ 彼

女は「父か来る、父が来る」とぶつぶつ呟いている・・・ そんなひと夏の終

わり。

と、そこで終わるのですよ、映画ではね。
この子にとって、人生を変える何事にも代えがたい素晴らしい体験だった、と
いうこの終わり方。ワタシ、困ってしまいました。終われないでしょ・・・
なので始めに「難しい」と書きました。

(端折ってしまうと、困ったということが書けないと思ったので・・・スンマ

 セン)