休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

五大陸を巡るシン・音楽漫遊記

いずみシンフォニエッタ大阪

   第53回定期演奏会

(1)<アフリカ>
  マイケル・ブレイク: クウェラ 日本初演】 1992&1998
(2)<ヨーロッパ>
  ピエール・ブーレーズ: Derive Ⅰ 1984
(3)<アメリカ>

  H.ヴィラ=ロボス: ファゴット弦楽合奏

         のための7つの音のシランダ 1933

 ―INTERMISSION―
(4)<オセアニア
  カール・ヴァイン: オーボエ協奏曲日本初演
(5)<アジア>
  室元拓人: 烏滸の火縄 室内オーケストラのための
  (世界初演/関西出身若手作曲家委嘱プロジェクト第10弾)
 
  飯森範親(指揮)/いずみシンフォニエッタ大阪
  東口泰之(ファゴット)、古部賢一(オーボエ)
  2025年2月15日、コンサート/於;住友生命いずみホール

このところ、半年に一度、この室内オケの演奏会のみ、生演奏を聴いています。
金も時間もないので。
今回のプログラムは、大阪万博にひっかけて「五大陸」云々と書いてありました
が、この字面を見た感じでが、なんだかええかげんだなぁ、と思ったものです。
中身はぜんぜんそんなことはなく、楽しかったんですがね。
 

(1)M・ブレイク・・・ 

南アフリカ出身(1951- ケープタウン生まれ)の作曲家だそう。

解説には独特のコード進行の事が少し書いてあるものの、そういうことはワタシ
はわからない。でもどうやらそれはストリートミュージックからきているもので、
感じとしてはイギリスの白人系のものとはとても思えない、つまりネイティブの
アフリカンの感性から来ているんじゃないか。弦楽合奏。ピチカートが多く、緩
急はあっても細かくひたすら軽く羽ばたいて回るよう。(もう一度聴きたい!)
 
(2)P・ブーレーズ・・・ 生誕100年だそうだが、それがヨーロッパ代表の理由?
どうでもいい話です。だけど、珍しい感性の(1)を聴いた後では来世紀までも名
が残るに違いない、さすがのブーレーズでも、どこか聴きなじみがあるという感
覚を持ってしまいましたね。つまらないという意味ではさらさらない、まぁ言っ
てみれば、ハラハラはしない、落ち着いた鑑賞になったということでしょうか。
 
(3)ヴィラ=ロボス・・・ アメリカ大陸代表?ウーン。ブラジル北部のダン
スを基にし、「ドレミファソラシ」までの7音のアルペジオが手を変え品を変え、
いったいどれだけ出てくるの、というファゴット協奏曲で、単純なテーマながら、
ファゴットの難しさは猛烈。とはいえ、1933年の作曲ですからねぇ、現代音楽っ
て柄じゃない、聴いてりゃあヴィラ=ロボスだってわかっちまうサウンドだし。
でも、誰にでもわかりやすく、楽しいわねぇ、これは。拍手も多かった。
ああそうそう、ドからシへ上げる音型だけなんで、どうしたってその次のドを待
ち望むのが人情。その聴衆の不満をどう癒すのか! でね、あの最後の音は、いっ
たいどう考えたらよかったんだろう・・・ 解決したのかどうか、微妙でした。
 
(4)C・ヴァイン・・・ オーストラリア、1954-。
聞いたことはないがそこそこ有名らしい。前曲に負けず劣らずの大変なテクニッ
クを要するオーボエ。といっても、オーボエも初めはイングリッシュホルン並み
にしばらく低い音。第一楽章の大半までは暗い感じ。アボリジニとかの民族色は
ない。あくまで西洋人の音楽。そんな暗さが、緩徐な第二楽章も含めて、どんど
ん明るくお祭的とでもいう雰囲気に変わってゆく。第三楽章のカデンツァなんて
なかなかのものですよ。お国柄なんてものはわかりませんが、調性も感じられ、
わかりにくさもない。
 
(5)室元拓人・・・ 1997-。アジア代表としての委嘱作。期待の作曲家らし
い。三重は尾鷲の「オコゼ笑い祭り」ってのに材を得たもので、室内オケとして
は目いっぱい大きく、奏者の多くは大声じゃないが、妙な声をだす。本物の祭り
じゃ笑いを入れるが、ここでは笑いじゃない。
もう、若々しくとんがりまくって、元気いっぱい。ヴァイオリンの弦の上に息を
吹きかけるヘンテコリンな奏法だとか、100均で買ったグッズで音を出すとか、
金管のマウスピースだけで様々に鳴らすとか、おかしな試みもいろいろ。難解さ
を感じるどころでない、楽しい現代音楽!いやいや、おかしい音がいろいろ聞こ
えて、音楽としてちゃんと聴けたかどうか、自信がない。
 
上手く書けないが、今回はみんな面白くて、楽しみました。
タイトルはつまらなかったけどねぇ。
 
始めと中間にお喋りをされるのはいつも通り。今回は中間に(5)の作曲者室元さ
んが加わられました。この室元さん、通路を挟んでワタシの席の隣にいらっしゃ
て、舞台と往復されてました。若くてハンサムボーイながら、頭髪の乱れは、あ
りゃあ寝ぐせやね。
 
このオケは音楽監督であった西村朗さんの提唱で、現代音楽の演奏を主目的とし
て2000年に関西系の演奏者で結成された室内オケですが、西村さんが去年亡くな
られた。パンフを読めば、その後11月に、海外でも有名な作曲家藤倉大さんが音
楽監督に就任されていたそうな。知りませんでした。日本の現代音楽の作曲家と
してはビッグネームやね。藤倉さんの監督としての本格的参画は来年2月のプロ
グラムからとある。プログラムはすでに発表になっている。
(さあ、今年7月と来年2月のセット券、どうしよう、物価高で・・・家計簿の中
身が劇的に悪化しています。)