休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

フィリップ・サルド=クロード・ソーテ監督作品集

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20190705(了)
フィリップ・サルドクロード・ソーテ監督作品集
LE CINEMA DE CLAUDE SAUTET: MUSIQUES DE PHILIPPE SARDE
 
  作曲:フィリップ・サルド
  指揮:ジャン=ミシェル・ドゥファイエ、ユベール・ロスタン、カルロ・サヴィーナ、
          ピーター・ナイト、ビル・バイヤーズ、ユベール・ブージス
  演奏:ロンドン交響楽団(「ギャルソン!」)、パリ管弦楽団(「僕と一緒に幾日か」)
 
1. すぎ去りし日の… 1969
  ①La chanson d'Helene (Romy Schneider, Michel Piccoli)
  ②Generique
  ③L'accident
  ④La Rochelle
2. (未公開)はめる/狙われた獲物 1970
  ⑤Generique
  ⑥Max (suite)
  ⑦Max et les ferrailleurs (Mouloudji)
3. 夕なぎ 1972
  ⑧Generique
  ⑨La lettre de Rosalie (Romy Schneider)
  ⑩Cesar et Rosalie (suite)
4. 友情  1974
  ⑪Generique
  ⑫Convalescence
  ⑬Course a l'argent
5. (未公開)MADO 1976
  ⑭Mado
6. ありふれた愛のストーリー  1978
  ⑮Une histoire simple
  ⑯Concert et bandoneon
  ⑰Le temps qui passe
7. (未公開)UN MAUVAIS FILS 1980
  ⑱Un mauvais fils (suite)
8. ギャルソン! 1983
  ⑲Garcon!
  ⑳Le petit voyage
9. 僕と一緒に幾日か  1988
  ㉑Quelques jours avec moi
  ㉒Limoges
  ㉓Francine sacree
10. 愛を弾く女  1992
  ㉔Trio pour piano, violon et violoncelle (Composed by Maurice Ravel)
11. とまどい  1995
  ㉕Nelly et monsieur Arnaud (suite)
ボーナストラック TITRES BONUS
  ㉖Entretien avec Claude Sautet
  ㉗A House by the Sea (Julie Dawn、「夕なぎ」から英語ヴァージョン)
 
 CD/映画音楽/Ⓟ&ⓒ 2000 仏Universal/EmArcy/輸入/中古
 <★★★★>
 
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《素晴らしき映画音楽作曲家たち》解説から;
クロード・ソーテ監督(1924/2/23生)とフィリップ・サルドのコラボレーション作品
を集めたコンピレーションで、1969年の「すぎ去りし日の…」から1995年の「とま
どい」までの11作品の音楽を収録している。ソーテは恋愛や友情をテーマにした
ドラマを得意とするフランスの名匠だが、サルドが初めて組んだ監督であり、彼
にとっては映画の世界の教師的存在でもあった。ソーテの映画にサルドが提供
した音楽は、どれも複雑な心理劇を巧みに描写した上質なアンダースコアばか
りである。
・・・最新作の「とまどい」から5分半ほどの組曲が収録されているのと、ボーナス
トラックとしてソーテ監督へのインタビューと、ジュリー・ドーンが歌う「夕なぎ」の
主題歌の英語版"A House by the Sea"が入っているところがポイント。・・・彼
のベストスコアの幾つかを収録した好アルバム・・・
 
解説のポイントとある㉖と㉗はワタシには全く不要。
でも、とにかく素敵なトラックがたくさんあって、サルドがいかに優れた作曲家か
よくわかりました。どんな抽斗でもレベルが高いと思いました。
(1)の4つのトラックを聴くだけで掴まれましたね。
ロミー・シュナイダーのかわいい歌とちょっとドスの効いたピッコリさんの喋りの
下に流れている音楽①や、複雑で美しい②のサウンドを聴くだけでほれぼれ。
少し前にもフランスの作曲家F・タルゴーンを聴いてやっぱりいいと書いたばか
りですが、この作曲家も素晴らしい。ファンになりそうです。
映画自体はたぶんどれも観たことはないと思います。それでもそう思います。
 
特に小編成のものは得意のようで、ジャンルを軽々と跨いで実に様々なシチュ
エイションのサウンド(≒想像力を刺激する)を作れ、その感覚も繊細至極。こ
のCDの中だけかもしれませんが、優しい感じも素敵です。
前半ではイタリアのバロック音楽をちらちら聴かされたので、モリコーネの傾向
に近く、どちらかというとハリウッドに近い華麗なサウンドがうまいタルゴーンと
の違いはこのへんかな、と思ったりしていましたが、後半ではそれなりに華麗な
オーケストラル・サウンドも出てきましたので、そんな単純な傾向なんぞないん
だと納得。もっとも、おそらくフルオケのサウンドはタルゴーンとはかなり違った
ものなんだろうな。担当した『テス』(英仏)なんかをもし聴ければ、その辺はも
う少しはっきりするんでしょう。‘ほしいものリスト’には入れてあるんだけれど、
簡単には聴けそうもない。
ちょっと変わっていたのは⑩。音楽をテーマに男女の三角関係を描く純愛ドラ
マで、すべてラヴェルの音楽を用いたらしい。サルドさんは音楽監督
ここではラヴェルのピアノ・トリオが流れます。ワタシ好みの演奏ではないので
すが、ちゃんとした演奏で、カントロフ(vln)やルヴィエ(p)が弾いている。エラー
ト・レーベルから(!)サントラが出ているとのこと。
さらに言うなら、ある種天才的なひらめきのフランソワ・ド・ルーベのようなタイプ
とも違う。こんなに変わったアイデアは使わない(と思う)。
 
女優さんはロミー・シュナイダーエマニュエル・ベアールが出ているものが多い
ですね。あとはピッコリ、モンタン・・・
大半が映画をあまり見なかった時期と重なっていて、タイトルもほとんど記憶に
ありません。ビデオで見るようになっても、フランスの恋愛ものはやっぱり観ま
せんでした。
でも、映画も観ずに、音楽だけでこんなに気に入ってしまいました。レベルの高
さは疑う余地なしだと考えますが、、、まあいつものこととはいえ、偏った内容な
のは、ご容赦。
 
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