休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

METの《カルメル会修道女の対話》を映画館で

20190611(了)
  METライブビューイング2018-19 第10作
  ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場 上演:2019年5月11日

プーランクカルメル会修道女の対話

  指揮:ヤニック・ネゼ=セガン/メトロポリタン歌劇場管弦楽団 他
  鑑賞;20190611/なんばパークスシネマ(シアター9)/18:30-22:00
10作中、これでなんと6作。よくこれだけ観ることができたものです。映画だ
から生より安くて観やすいということもあるが、なんてったってライブの緊張
感や生々しさの力。なんと言おうと、本チャンのたった1ヶ月あと!
主役であるブランシュが修道女になる経緯が始めのストーリーなんだが、そ
のあとは、修道院内での院長交代劇や近づく革命の影。
そして、フランス革命の終盤、誤解を受けたような形で修道院と修道女たち
が革命という流れに巻き込まれ、殉死を選ぶことになってしまう。おしまいに
は、修道女たちのほとんどが断頭台でもって順々に斬首されて行く。断頭台
での音が次々に聞こえ、歌う修道女の数が減っていくという幕切れは、CD
鑑賞でもなかなか強烈。
宗教は好きでもないくせに、音楽だけは許してしまうワタクシメです。ちょっと
ばかり後ろめたい気もするのですが、こんなに素敵な音楽なので、困ったこ
とだが‘しょうがない’で済ますしかありません。
一応予習のつもりで、フランス初演の指揮をしたピエール・デルヴォーのモノ
ーラル録音を車で2-3度流しました。はっきりいって、これはプーランクの音
楽的集大成ふうじゃないですかね。メロディーメイカーとして美しい旋律がふ
んだんに出てくるのみならず、ご自分の過去の作品からも色々流用をなさっ
て、親しみやすくも、さらに美しくもなったし、素っ頓狂や繊細さだけでなく、け
っこうぶ厚い迫力ある音をも、これでもか!と書いているのでした・・・
さてさて・・・
上手く撮れなくて、少々曲がってますが、配られたタイムスケジュール、今回
も貼り付けておきます。
イメージ 2
イメージ 1
さほど度々取り上げられる演目とは言えないにしても、珍しいというほどでも
ないらしい。
でも、予想通り、舞台上は動きが実に乏しかった。これを工夫するのは大変
や。今日観たのは、他の上演でも似たものなんでしょう、いろいろ象徴的な
舞台でした。
ストーリーも宗教的なこと~カトリシズム~についても、なんぼフランス革命
とゆうても、ワタシなんぞには、どうしてもわけのわかりにくい困った代物という
しかない。(何度か書いていますが、ワタシんちは特にオヤジの家系は代々プ
ロテスタントなので、キリスト教との接点があるものだから、理解できることも
あるんですけどね・・・)
でも、歌は主役のイザベル・レナード(『マーニー』の主役も務めた)のみならず、
全てのキャストがすごかったし、オーケストラ部分も陰影の乏しさみたいなもの
がないわけではなかったにしろ、とてもいい出来だったんじゃないでしょうか。
第一幕が少々退屈な感じでしたが、第二幕と第三幕は音楽のすばらしさにす
っかり魅了、圧倒されました。
好きなプーランクがぎっしり詰まっているってことが最大の理由だとは思うので
すが、でもやっぱりこれら歌唱と、わけがわからんなりに、悲しくも感動させら
れてしまう昂揚がそうさせたんでしょうね、おしまいにゃあ、涙まで流してしまっ
て慌てた。涙腺緩い。ジジイになった証拠みたいなもんや。
もっとも、これをシーズン最後に持ってきたのもむべなるかな。
山形在住のオッサンに、ライブ・ビューイング観てきたよってメールしたら、プ
ーランク好きもいいけれど、ええ加減ワーグナーにでも取りついてみたらどな
いやねん!てな意味のコメント。
今はそんなにプーランクばかりじゃないんだけどね・・・
元気そうな文章でほっとしました。
2019-2020シーズンも決まっていて、演目や出演者の情報も流れた。
でもまだパンフレットはないみたい。
義務的に聴こうというつもりはさらさらない、そんな時間はもったいない。いく
つか行ってみたいと思える演目もあって、そのことが大事。
今年の冬からやね。