大阪府に戻って、また中古屋に時々行くようになってから、この3枚組のCD |
はずっとその店の棚にあった気がする。 |
たまたまなんだけれど、ラッキーというべきか、この4曲はみんな、ちゃんと |
聴いたことがないものばかりなんだよね。まとめて聴ける!そこがおもしろ |
いっちゃあ面白い。毛嫌いしてきたというわけではないつもりながら、遠から |
ずなんです。だいだい歌曲は5-6年前までは苦手で通してきたしね。 |
その後苦手という気持ちも薄らいで、いろいろ聴くようになってきた。今回、 |
なんで突然このセットものを手に取る気になったのかは、(安いじゃないのォ |
と思ったこと以外は)まるで説明できないんですけどね。 |
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(1)(2); |
オケ伴の歌曲にそこそこ好きなものがあるのは、宗教系のものに好きなも |
のがあるせいなんだが・・・ |
「ヴェーゼンドンク」と「リュッケルト」の美しさ、すばらしさにはビックリでした。 |
邦盤で、ありがたいことに(1)(2)(3)は訳詩付きだったので、すべて読む |
ことができましたが、思ったとおり何の感興も呼び起こさずじまい。詩のセン |
スの乏しさは大人になっても、ジジイになっても、変わらなかったですね、 |
結局。 |
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「リュッケルト」はマーラーの交響曲中の歌付き部分の水準に勝るとも劣ら |
ないので、まあそのつながりで聴けたんだけれど、ヴェーゼンドンクにはビ |
ックリしました。特に後半3曲。そのセンス、その美しさ、尋常じゃない。「ト |
リスタンとイゾルデ」を書いている時期と重なるんだってね。それに、マーラ |
ーにだってちゃんと繋がってる。いやー、知りませんでした。 |
演奏にもよるんでしょう。 |
イヴォンヌ・ミントン(Ms.)のセンスやうまさもあろうが、なんといっても透明 |
感のある声質だと思う。マーラーはピッタリでも、これじゃあワーグナーはど |
うか、となりそうなのに、これがめちゃくちゃフィットしてました。 |
それから、ブーレーズ、ロンドン響がねばつかず、やはり透き通った感じな |
のも、曲にすっごく合ってた。 |
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(3)マーラーの作曲家人生のプロローグを飾る作品だそうな。 |
「さすらう若人の歌」まで3-4年、「巨人」まで5-6年というところ。 |
ワタシの印象としては、音色やフレーズが、いわばロマン派やワーグナー |
やブルックナーなどの借り物が、本来のものとは言え未成熟なものとごち |
ゃまぜになっている。どの楽章もどうも収まりが悪い。オリジナリティある |
成熟したフレーズやオーケストレーション、それに構成力などを磨き上げ |
るところまでしばらくかかるというところ。なんというか、もうちょっとという |
感じ。特に長い第1部は全体に石の多い玉石。第3部は管弦楽はだいぶ |
んマシなんだけれど、歌は残念ながらソロも合唱もかなり具合が悪かった。 |
例によって車中でのヘヴィーローテ―ションのおかげで、だいぶん馴染み |
ましたけどね。 |
ブーレーズは、この内容を叙事詩的な広がりという言葉を使って説明して |
います。ストーリーや歌詞を読むと、ワタシには相当にドラマチックというか、 |
暗いメルヒェン。それに、、、なんだか聞いたような話。要約してみると・・・ |
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第1部・・・誇り高い女王が、森の中に咲く赤い花を見つけてきたものと結婚 |
し王座につけると公示。ある兄弟がそれを受けて赤い花を探しに出かける。 |
善良な弟がそれを見つけるが、よこしまな性格の兄がスキを見て弟を刺殺 |
し、宮廷に花を持ち帰る。弟は柳の木の下に人知れず?埋められる・・・ |
第2部・・・ある吟遊詩人が偶然その柳の木の傍らを通ると、一本の白く輝く |
骨を見つけ、これをフルートに作り替える。すると不思議なことに、このフル |
ート、兄弟殺しの物語を語るではないか。詩人はその女王と婚約者を探して |
旅を続ける・・・ |
第3部・・・女王の城郭でまさに婚礼が執り行われようとしている。吟遊詩人 |
が招き入れられ、フルートを吹くことになる。フルートは兄弟殺しを物語る。 |
新王はフルートを奪い取るが、それを唇に当てると、またもやフルートは兄 |
弟殺しを、その物語と殺された者の悲しみの歌を歌う。女王は地に倒れ伏 |
し、客人たちは散り散りに去り、城郭は崩れ去る・・・ |
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だいたいこんな話を5人の歌手と合唱が歌う。ところが、第1部をマーラーは |
気に食わず破棄してしまった。 大分たって第2部と第3部をまとめ上げて出 |
版し、初演。 |
この破棄されたはずの第1部が生き残り、数奇な運命を経たのち、ブーレー |
ズが再演、録音する権利を得た。それまでに随分の年月(80年とか90年と |
か)がかかったことになる。 |
経緯なんかどうでもいいことだけど、ともあれこの話はオペラっぽい。 |
脚色したらよかったのにとつい思っちゃいましたね。もっとも恋人をマーラー |
に取られてしまったツェムリンスキーにならできても、マーラーじゃオペラは |
想像出来んワ・・・ |
ワタシの感受性では、物語が説明不足になってしまうことも辞さずに、第2 |
部、第3部だけにしてしまったマーラーの判断はいくらかはわかった気にな |
りました。 |
長くなりました・・・
(4)交響曲第10番アダージョ。字面としては若い時から知ってはいたのです |
が、まじめに‘ちゃんと’聴くのはおそらく初めて。 |
「調性的には交響曲第9番からさらに不確定な印象を与え、無調に迫 |
る部分が見られる。極度の不協和音が用いられており・・・」(Wiki) |
とあるも、その辺はよくわかりません。でもうんと新しい不協和音があって、 |
こんなのは確かにマーラーでは初めて聴いた気がするけれど、それ以外は |
あくまでマーラーらしい緩徐な楽章。いくつか聞き覚えのあるメロディがあり |
ました。 |
しかしそういったこと以外に・・・ワタシの安直な印象では、しきりと、波乱万 |
丈の一大ロマンスものの映画のエンドロールのような感じを受けたことです |
かねぇ。せいぜい1950年代までかしらん。コルンゴルトだとかM・スタイナー |
とか・・・ |
実にたくさんのかたが、この10番全体を補筆完成いるんやね。満足できる |
ものなんて多分ないと思うし、あれば聴きたいけれど、、、マーラーのシンフ |
ォニーを補筆してみたい作曲家はわんさかいたんだね。やはりWikiを覗いて |
みて、ちょっと驚いた。 |
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5月にしては異常に暑い日が続きます。
さっきのニュースでは、帯広で38.8度。5月どころか、北海道の記録だとか。
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こんな気温じゃあ、昼日中、聴いておれないような音楽・・・ |
もっとも、動くリスニングルームはただ今修理中。ちっぽけな車が、偶然と |
はいえ二度続けてぶつけられて、今、代車をあてがわれてます。これには |
残念ながらCDプレーヤーが付いていません。 |
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