休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

レ・ヴァン・フランセ/フランスの風~ザ・ベスト・クインテット

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20190418(了)
レ・ヴァン・フランセ/フランスの風~ザ・ベスト・クインテット
CD1 【フランスの管楽作品】
1)ジャック・イベール(1890-1962)/
    3つの小品 ①2:14 ②1:39 ③2:45
2)モーリス・ラヴェル(1875-1937)〈メイソン・ジョーンズ編〉/
    クープランの墓 ④3:11 ⑤3:57 ⑥4:23 ⑦3:08
3)アンドレジョリヴェ(1905-74)/
    オーボエバスーンのためのソナチネ ⑧2:04 ⑨2:53 ⑩3:03
4)ダリウス・ミヨー(1892-1974)/
    組曲「ルネ王の暖炉」Op.205 
    ⑪1:59 ⑫1:55 ⑬1:13 ⑭2:28 ⑮0:53 ⑯1:41 ⑰2:39
5)ポール・タファネル(1844-1908)/
    木管五重奏曲 ト短調 ⑱9:40 ⑲5:59 ⑳7:56
CD2 【20世紀の管楽作品】
6)ジェルジ・リゲティ(1923-2006)/
    6つのバガテル ①1:11 ②3:21 ③2:24 ④1:00 ⑤2:29 ⑥1:34
7)アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー(1871-1942)/
    フモレスケ(ロンド) ⑦4:18
8)サミュエル・バーバー(1910-1981)/
    夏の音楽 Op.31 ⑧11:38
9)シャンドール・ヴェレシュ(1907-1992)/
    オーボエクラリネットバスーンのためのソナチネ 
    ⑨2:16  ⑩3:19  ⑪3:16
10)パウルヒンデミット(1895-1963)/
    5つの管楽器のための小室内音楽 Op.24-2
    ⑫3:00 ⑬1:52 ⑭4:26 ⑮0:48 ⑯3:03
  Les Vents Français
   エマニュエル・パユ(フルート)、フランソワ・ルルー(オーボエ)、ポール・メイエ(クラリネット)
   ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)、ジルベール・オダン(バスーン)
  録音:2011年8月、ミュンヒェン
  2012年4月/CD2枚組/室内楽/EMIミュージックジャパン/邦盤/中古
  <★★★★△>

楽器編成がもともと好きです。
精神安定剤のようなものかもしれません。
似たようなものは持っているのですが、、、
すごいグループなんだということに釣られて手に入れてみました。
(3)(5)(7)(9)以外はダブっちゃったものの、パユやメイエを含んだこの
かたたちは、確かに目の覚めるような手練ればかリ。
今まで聴いてきたCDの演奏とはかなり違ってしまって、なんだか別の曲
みたいに聞こえたものもありました。(もっとも、(2)は編曲ものなので違っ
ていて当たり前ですけどね。少し前に、大好きな「ソナチネ」の楽章一つを
サキソフォン四重奏団で聴いてたいそう気に入ったんでした。)
CD1 【フランスの管楽作品】
(2)はしょうがない。でもこれはもともとピアノ曲なんだから、そう不満はな
いですね。ただし、当然オケのときの楽器の使い方ではないところもある。
それとオケ編曲では使った「フォルラーヌ」の代わりに「フーガ」が入ってい
るのがちょい残念かな。大好きな曲なので。
大好きといえばミヨーの(4)ですが、これが持っているCDと違っていた最
右翼。おっとりと夢見るようなものだと思っていたのですが、ここではおっと
り感よりはしゃきっとカラフル。これもまたよし。
ジョリヴェの(3)はフランスものだからここに入ったんだろうが、CD2のほう
でもよかったかもね。
(5)というより、タファネルという作曲家を知らない。フランスの管楽器を語
るうえで忘れてはならない、などとある。音楽は馥郁たるロマン派のもの
で、とても素敵なセンスの曲なんだけれど、このCDの曲の集め方からは
半世紀ずれてしまったけどなぁ、演奏が生き生きしているために、なんとか
かっこがついたんちゃうか・・・という感じ。第3楽章のVivaceだけはわずか
に新しさがある。
CD2 【20世紀の管楽作品】
・いきなりのリゲティ(6)が嬉しい。1951-3のピアノ曲からの自身の編曲も
の。はじめはこともなげに、例えば鼻歌交じりのスポーツの練習であるか
のように奏される。でもピアノでは聴き取りにくそうな(バルトークのような)
民族音楽的な面もこの編成だとどんどん聞こえてくる気がする。すばらし
い。
・ツェムリンスキー、このところいくつか聴いているので、この曲も意識しま
した。 「随所に配された装飾的楽句の節回しから匂ってくる、世紀末
ウィーンの街角にたちこめていた空気の残り香こそは、この小品が持
つかけがえのない魅力だ・・・” とあるも、そこまでは無理でした。かわい
らしいというぐらいで、印象が薄い。
・バーバーのこの(8)は雰囲気がけっこう印象に残っている曲。嫋々とした
始まりに油断しそうになるが、さまざまな曲想が聴きどころ一杯で、遠い子
供時代の夏の日々への懐かしさを呼び起こさせる。このグループが演奏し
てもそれはあまり変わらないみたいでした。
・ヴェレシュという作曲家は初めて。共産党政権下のハンガリーで黙殺され
続けていた方だそうで、再評価はこれから。バルトークリゲティの間。 
ゲティの恩師。‘恩師’ねぇ。舞曲や民族色を感じる気がします。ま、いつも
のことですがワタシなんざそんなもんです。こうした木管合奏はバルトーク
が遺さなかったから、穴埋めだなんて書かれてらぁ。どこか失礼。
ヒンデミット(10)は室内音楽集、作品24、36、46の全8曲の中の作品24
に含まれる。でも、でも管楽器だけの作品はこれだけで、とりわけ名曲じ
ゃないでしょうかね。やはり多作家ミヨーの大傑作(とワタシが勝手に言っ
ているだけの)「ルネ王の暖炉」ほどでなくても、新即物主義という主張の
もとに乾いてはいても、この団体の演奏能力(録音も無視できない)によ
って、ものの見事に叙情味が生まれ、なおかつきらびやか極まりない。実
に魅力的。最後の⑯Sehr lebhaft(非常に生き生きと)の速いパッセージが
なんなくビシーッと決まってカッコイイ。
だらだら書きました。
無理やり一言で表すとすれば・・・このような楽器構成だと、苛烈なものや
深い精神性などには向いていない。音色は暖かいしね。
で、“ディヴェルティメント(喜遊曲)”に向かいがちってのがその一言。
決めすぎかな。