休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『オリーブの林をぬけて』

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20190409(了)
映画『オリーブの林をぬけて
  アッバス・キアロスタミ監督/
  1994年/イラン映/DVD<2K New Remaster>/レンタル
  <★★★★>

(映画.com解説から) 映画作りの最中にひとりの青年が相手役の娘に愛を
告白しようと試みるひたむきなラブ・ストーリー。製作・監督・脚本・編集はイラン
を代表する監督でロベルト・ロッセリーニを継承する手法で近年国際的な評価
を得ているアッバス・キアロスタミ。今回の作品は彼の「友だちのうちはどこ?」
そして人生はつづく」の続編で実際に撮影中に生じた出来事を元にしている
・・・
テヘランから350キロほど北の村で映画監督は娘役を選ぶためたくさんの娘た
ちに話しかけている。その中の美しい娘がタヘレと名乗り、役を彼女に決定す
る。助監督のシヴァはタヘレを迎えに彼女の家に行くと、注文した田舎服では
なく、しゃれた服を着ていたので叱る。撮影現場では青年役が女の子と緊張
して話せないため仕方なく、代わりに撮影キャンプにいる雑用係のホセインを
抜てきする。しかし撮影を再開するとこんどはタヘレの様子がおかしくて再び
撮影は中断される。ホセインは監督に車の中で、大地震の前日に彼女にプロ
ポーズして断られていることを話す。シヴァの計らいでようやくタヘレが出演す
ることになり翌日から撮影は続行されることになる・・・
ロッセリーニの名は知っていますが、たぶん一つも観たことないんじゃないで
しょうか。例えばどんなところが‘継承’されているんだろう。書かれると気に
なるが、まあいいや。
ストーリーのほうはまだ続いて書かれているけれど、あとは自分で何とか・・・
前2作も同じ村で撮ったので、三部作ってことなんやね。
上記を読んでもわかる通り、映画を撮るという設定の映画なんですが、映画
内映画の入れ子状態が意外なほど面白かったです。といいますか、映画を
撮ることが主題のように見えたのが、ぐうぜん明るみに出ることになった出演
者同士の関係のほうにシフトするんですな。映画内映画はダシだった。・・・
というような、これもフリ。
2作目が何のことやら、なにが面白いのやら、とんとわかりませんでしたが、
三つめも観て正解。2作目に見た建物、見たような気のするシーンが、あっ
たように思います。この3作目は、実際にはもっと2作目との関係が深く、今
どきの言葉で言えば、2作目のスピンオフ作品ぐらいの作品のようです。
地震を当然のように引きずっていて、彼氏も彼女も大きく影響を受けている。
でもその辺は妙にあっさりしている。そして老いも若きも概して前向き。
でも、前の役者の代わりに出演することになったこの青年の前向きがとりわ
けすごいんだよね。
はじめはうじうじしているんだが、思いは募ってゆき、最後のほうなんざ、まっ
たく反応を返さない彼女に対して、唖然とするほどしつこく雄弁なアタックにな
る。長台詞! そして、けっこうへんてこりんな理屈。この青年役、素人さんな
のかプロなのか? よくわからないままなんだけれど、妙におかしい。
前2作にも印象的に登場したジグザク道を、彼女を追って駆け上り、風立ちわ
たるオリーブの林を抜け、草原を抜け、、、その姿なんか、もう豆粒のようにな
るまでずーっと彼女のあとをついて歩き、口説き続ける。長回し・・・。  
いやもうジグザグ道を越してからは二人が見えているだけで、彼の口説き
聞こえるはずはない。気にかけている監督さん(役)が見ている形になってい
るものの、彼にだって聞こえているわけがない。なのに、観ているこっちには
青年がずーっとしゃべり続けて(口説き続けて)いるに違いないと感じられる。
ホントに遠ーくになって、二つの点が止まる。二点の間隔がちょっと縮まった
気もする。
それで十分かもしれないんだけどね、その後しばらくじーっとしていたした二
点のうちのひとつがこっちに向かって来る。走っているように見える。喜んで
いるように思われる。そう思いたいので、そう見えるだけかもしれない。
4Kか8Kのリマスターでないとわからんのやないか・・・
これは‘2K NEW MASTERING’。いや、なんとか写っているようであればいい
のかも。
エンドタイトル。

2作目の音楽は気に食わなかったし、今回の始めに流れたピンク・フロイド
音楽も(ワタシがあまり好きでないこともあります)、つまらなかったのですが、
おしまいのチマローザオーボエ協奏曲(この曲知らなかった)は今回は意外
にもしっかりフィットしているように感じました。