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イラン北部の田舎の小学校。主人公の隣に座る友達が宿題を所定のノート |
にやってこないことが3度を数え、これ以上やったら退学させると、厳しい先 |
生が申し渡す。が、そっくりなノートを持っている主人公が間違えてその友 |
達のノートを持ち帰ってしまう。このままでは自分のせいで友達が退学にな |
ってしまう。返しに行きたいが、母親はいろいろと言って行かせない。こっそ |
り抜け出すも、友達の村がわからない、村がわかっても地区がわからない、 |
地区がわかっても家がわからない、親だと思った男についていくが違う、変 |
な爺さんに教えてもらうがらちが明かない・・・ |
日が暮れてくる。どうなるんだろう・・・というような子どもの話。 |
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近ごろは観ていないキアロスタミ作品がたまたま目について観ることにしま |
した。今から30年以上も前の作品。 |
カフカづいているもんで、ということは当然『城』を連想。自分で笑っちゃう。
かわいい男の子!
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最後はいい解決方法があって、回避することができるんだけれど、のんび |
りした映画の割には、不思議なサスペンスが感じられて面白かった。 |
ともあれ、教師の教条主義、母親のわからずやな感じだとか、助言もしな |
いでしつけや体罰に拘るジイサン、主人公が友達の親と勘違いしてしまう |
人の話を聞かない男の傲岸不遜とか・・・ 最後のお年よりは悪い人では |
なかったけどね、とにかく少年にとっても観ているほうにも、引っかかって |
しまうような人ばかりという感じなのね。 |
この感じを与えるキャラたちの言い草を、イラン独特のものということはで |
きないにしても、いくらか‘その気’はあるに違いないとか、古めのイランな |
のかなと思ってしまうとか、つい思ってしまうのは避けられないよ。日本に |
いては絶対わからない「住みにくさ」とかさ。 |
じゃない? |
それとも普遍性とかユニバーサルを言い立てる人のほうが多いだろうか。 |
女性は男の子の母親しか出てこない。彼女の息子へのわからずやなきび |
しさが、彼が大人になったら逆転するんだろうなア、などというのは拡大解 |
釈なのかな。 |
映画の最後では、このお母さん、ちゃんと優しかった。 |
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低予算な映画でしょうが、映画としての面白さがありました。 |
世界的に評価されたに違いありません。三部作の第一作。 |
(今近所のTsutayaにはキアロスタミ作品が6-7作並んでいます。リニュー |
アルされたんやね。ワタシはそうせっせと観る気はないのですけどね・・・) |
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音楽はところどころで鳴りました。 |
どういう楽器なんでしょう。金属系の弦を張ったものでしょうが知らないで |
す。インドのシタールや東欧のツィンバロムなんかと親戚というような音で |
した。 |