ラローチャが来日し、スペインものを弾いた時のことを、このアルバムの解 |
説者はこんなふうに書いている。 |
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・・・あえていうなら、かつてスペインを支配していた異教徒たちが遺した |
文化への挽歌とおぼしき憂愁が、微妙な息遣いのうちに歌いだされる。 |
こうした味わいこそは、飛び切り鋭敏な感受性に恵まれたスペインのピ |
アニストでなければ、到底自分のものとして出し得ないのではあるまいか |
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(もう昔のことではありますが、この批評家はエラそうで、好きではありま |
せんでした。) |
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スペインものよりむしろ、ドイツ、オーストリアの音楽に秀でることで、女流と |
しては珍しいぐらい巨匠扱いを受けた方でしたが、お国ものはなんたって、 |
素晴らしかったのですね。でも上の文章はちょっとオーバーな表現。 |
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(1)この名曲、去年秋にラジオでやってましてね、ちゃんと聴きたくなって見 |
つけたものです。ラジオで聴いたのと同じ演奏。録音の雰囲気がいい! |
ピアノはとてもピリッとした強靭なタッチの演奏。ブルゴス/ロンドン・フィルも |
まずまずで、無理してローカル色を出しましたという感じではなく、わりと柔ら |
かく付けているのがいいのでしょうか、ファリャ(1876-1946)の作曲意図が |
十分発揮されたアンダルシアのムードなんじゃないかと思われます。わかり |
ゃしませんけどね、行ったこともないんだから。 |
でもいい曲。若いころはまった「三角帽子」や「恋は魔術師」に比べるといか |
にも地味でね、あまり好きにはならなかったんです。 |
ふしぎです、こういう曲でも感じかたが変わっているんだと思うと。 |
この曲、この演奏は<★★★★△>でもいい。 |
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(2)これはアルベニス(1860-1909)の曲をクリストバル・アルフテルがアレ |
ンジしたもの。いかにもスペインという感じのメロディやリズムが連なってで |
きている。すぐとなりにフラメンコがあるよという感覚も。 |
アルベニスが東の端のカタルーニャ生まれ、ファリャが南の端のアンダルシ |
ア。雰囲気の違いなんかほんとうのところわからない。 |
ピアノ独奏をしっかり残し、オケの部分はさほど凝ったものではないけれど、 |
いい色合いやムードに出来上がっていると思います。ワタシはピアノだけよ |
り好きですね。リムスキー・コルサコフの「スペイン奇想曲」と似たような、ス |
ペイン・ア・ラ・カルトめいたものになっているかもしれないけど。 |
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(3)トゥリーナ(1882-1949)はセビリア生まれなので、アンダルシア。 |
これだけ聴いてどうこう言えるはずもないですが、カタルーニャのアルベニス |
とは違う・・・なんてね、当然怪しい。 |
この時代の作曲家はほとんどみんなフランスに行って勉強した。誰を先生に |
したか、フランスの好きな作曲家は誰だったのか、なんてことで、作風も影 |
響を受けたんじゃないか、と推測するほうがまだしもかも。 |
小品だけれど、オケは潔くわかりやすい感じで、やはりピアノが素敵な曲で |
した。 |