休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ファリャ/「スペインの庭の夜」

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20190201(了)
ファリャ/「スペインの庭の夜」
(1)ファリャ/交響的印象「スペインの庭の夜」
  ①第一楽章 ヘネラリフェで 10:19
  ②第二楽章 はるかな踊り 5:17
  ③第三楽章 コルドバの山の庭で 9:12
(2)アルベニス(アルフテル編)/スペイン狂詩曲 Op.70 ④17:53
(3)トゥリーナ/交響的狂詩曲 Op.66 ⑤8:51
  アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ) <1923-2009>
  ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
  指揮:ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス <1933-2014>
  録音:1983年7月/ロンドン/Walthamstow Assembley Hall
  1995年/CD/協奏曲/ポリドール/邦盤/Ⓟ1984 Decca/中古
  <★★★☆>


ラローチャが来日し、スペインものを弾いた時のことを、このアルバムの解
説者はこんなふうに書いている。
 ・・・あえていうなら、かつてスペインを支配していた異教徒たちが遺した
 文化への挽歌とおぼしき憂愁が、微妙な息遣いのうちに歌いだされる。
  こうした味わいこそは、飛び切り鋭敏な感受性に恵まれたスペインのピ
 アニストでなければ、到底自分のものとして出し得ないのではあるまいか
 (もう昔のことではありますが、この批評家はエラそうで、好きではありま
 せんでした。)
スペインものよりむしろ、ドイツ、オーストリアの音楽に秀でることで、女流と
しては珍しいぐらい巨匠扱いを受けた方でしたが、お国ものはなんたって、
素晴らしかったのですね。でも上の文章はちょっとオーバーな表現。
(1)この名曲、去年秋にラジオでやってましてね、ちゃんと聴きたくなって見
つけたものです。ラジオで聴いたのと同じ演奏。録音の雰囲気がいい!
ピアノはとてもピリッとした強靭なタッチの演奏。ブルゴス/ロンドン・フィル
まずまずで、無理してローカル色を出しましたという感じではなく、わりと柔ら
かく付けているのがいいのでしょうか、ファリャ(1876-1946)の作曲意図が
十分発揮されたアンダルシアのムードなんじゃないかと思われます。わかり
ゃしませんけどね、行ったこともないんだから。
でもいい曲。若いころはまった「三角帽子」や「恋は魔術師」に比べるといか
にも地味でね、あまり好きにはならなかったんです。
ふしぎです、こういう曲でも感じかたが変わっているんだと思うと。
この曲、この演奏は<★★★★△>でもいい。
(2)これはアルベニス(1860-1909)の曲をクリストバル・アルフテルがアレ
ンジしたもの。いかにもスペインという感じのメロディやリズムが連なってで
きている。すぐとなりにフラメンコがあるよという感覚も。
アルベニスが東の端のカタルーニャ生まれ、ファリャが南の端のアンダルシ
ア。雰囲気の違いなんかほんとうのところわからない。
ピアノ独奏をしっかり残し、オケの部分はさほど凝ったものではないけれど、
いい色合いやムードに出来上がっていると思います。ワタシはピアノだけよ
り好きですね。リムスキー・コルサコフの「スペイン奇想曲」と似たような、ス
ペイン・ア・ラ・カルトめいたものになっているかもしれないけど。
(3)トゥリーナ(1882-1949)はセビリア生まれなので、アンダルシア。
これだけ聴いてどうこう言えるはずもないですが、カタルーニャアルベニス
とは違う・・・なんてね、当然怪しい。
この時代の作曲家はほとんどみんなフランスに行って勉強した。誰を先生に
したか、フランスの好きな作曲家は誰だったのか、なんてことで、作風も影
響を受けたんじゃないか、と推測するほうがまだしもかも。
小品だけれど、オケは潔くわかりやすい感じで、やはりピアノが素敵な曲で
した。