M・エマニュエルなんて作曲家、たぶん初めてじゃないか。音楽学者だっ |
たとか。教会関係にも結びつきが強かった。民謡やオリエントの旋法に |
強い関心を持っていたとある。作品数は少ない。生年が同じドビュッシー |
とは生涯友人関係だったとか。 |
この①-③がびっくりするほどステキな曲。とろけるように甘いけれどとて |
も上品。 ラヴェル(1875-1937)の「マ・メール・ロワ」に似た旋律が第二楽 |
章でいくつも聞こえ、第一と第三楽章では‘メリーさんのひつじ’みたいな |
のが。(「マ・メール・ロワ」にも民謡が使われているということなんだろう |
な) |
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さて本命はもちろんケクラン、まだまだよく知らない作曲家の室内楽。 |
上記同世代のエマニュエルの曲がなんで始めに入っているのか。なんだ |
か似た雰囲気でしたね。素敵な曲を書いているのに、こんな機会でもな |
いとなかなか紹介されないから、なんて意図があったのかもしれません。 |
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フルート・ソナタ④-⑥、穏やかでアルカイックとでもいうような感じ。終楽 |
章の軽やかさも絶品。 |
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作品番号が並んだ双子ふうの二つのクラリネット・ソナタ。こういうの、続 |
けて作曲するのは珍しいんじゃない? どんなことがあったんだろう。 |
Op.85は、明るくひょうきんな始まり。プーランクほどぐっと掘り下げた感じ |
にはならないものの仄暗く沈んだアンダンテ/アダージョを挟んで、最後は |
落ち着いた感じの短いアレグロ・モデラート。 |
次のOp.86は、第一第二楽章ともとてもメロディアスで、最後はそれほど |
明るくなりきらない、やはり短いアレグロ。 |
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Sonatine modale⑬-⑰はフルートとクラリネットの二重奏。案外多くない |
組合せやろね。五つの部分に分かれて各曲短く、少し物悲しいニュアン |
スも感じる静かな牧歌、という感じ。老境にさしかかってからの作。 |
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⑱-⑳14もある中から3つだけ?みんな入れてよ、と言いたくなる、老境 |
の作品。3つなのでソナタみたいに聞こえる。 |
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最後の小品㉑もフルート、クラリネットとピアノ。さりげなくふっと終わってし |
まって、まあアルバムとして余韻が、、、ちょっと乏しいか。 |