休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『サーミの血』

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20181026(了)
映画『サーミの血』 SAME BLOD
  監督・脚本;アマンダ・ケンネル//レーネ=セシリア・スバルロク
  2016年/スウェーデン・デンマーク・ノルウェイ合作/108分/DVDレンタル
  <★★★★>

(映画.com解説から) 北欧の少数民族サーミ人の少女が、差別や困難に立
ち向かいながら生きる姿を描いたドラマ。1930年代、スウェーデン北部の山
間部に居住する少数民族サーミ族は、支配勢力のスウェーデン人によって劣
等民族として差別を受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通うエレ・
マリャは、成績も良く進学を望んだが、教師からは「あなたたちの脳は文明に
適応できない」と告げられてしまう。ある時、スウェーデン人のふりをして忍び
込んだ夏祭りで、エレは都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。スウェー
デン人から奇異の目で見られ、トナカイを飼育しテントで暮らす生活から抜け
出したいと思っていたエレは、ニクラスを頼って街に出る・・・
監督はサーミの血を引き、主役の少女も、そして少女の妹役(彼女らは実際
に姉妹)もサーミであるとありました。
サーミ、聞いたことはありましたが、どの国、どの地域にも、こうした話がまだ
残っているもんで、特に目新しいものではないのですね。赤道直下であろう
と、極地に近かろうと。
だから飽き飽きしたかというと、意外にそうでもありませんで、かなり高齢の
サーミの女が、長らく没交渉であった妹の葬式に参列したことをきっかけに、
虐げられたサーミの生活圏からひたすら逃げ出したかった少女時代を回想
するというスタイルの映画は思いのほか刺激的でした。
老女のひどく険しい目つきの理由、少女の好奇心や怒り、彼らが往々に見せ
る食いしばりなどが、ストレートでリアル。
嘘偽りなく興味深く観ました。

ではありますが・・・
彼女が少女時代の話は1930年代のスウェーデン
今はどうなのか。
サーミは、アイデンティティの牢獄にまだいるのでしょうか。
同郷の人びとの視線や老女の目つきからは、まだまだ問題があることは明
らかなようです。いやそもそもこういう映画が製作される意図が、狭い世界
や差別の存在にかかわっていると考えるほうが自然でしょうね。
悪口同様、差別も――民族意識もそうなんですが、これは歴史が案外浅い
――人間の大好物であることは、おいそれとは変わるはずがないということ
になりますか。


WIKIによれば)
居住地域
ラップランド    133400
ノルウェー      37890
アメリカ       30000
スウェーデン    14600
フィンランド      9350
ロシア         1991(?)
ウクライナ       136(?)
総人口       227000