20180826(了) |
ミシェル・ルグラン/6 クラシック アルバムズ |
(DISC1) |
I LOVE PARIS ― 1954 |
①-⑯ |
VIENNA HOLIDAY ― 1955 |
⑰-㉓ |
(DISC2) |
VIENNA HOLIDAY ― 1955 Cont. |
①-⑦ |
HOLIDAY IN ROME ― 1955 |
⑧-㉓ |
(DISC3) |
CASTLES IN SPAIN ― 1956 |
①-⑰ |
LEGRAND IN RIO ― 1957 |
⑱-㉔ |
(DISC4) |
LEGRAND IN RIO ― 1957 Cont. |
①-⑦ |
LEGRAND JAZZ ― 1958 |
⑧-⑱ |
2016年10月/CD/4枚/ムード音楽~軽音楽+ジャズ/Real Gone |
<★★★,Disc4⑧-⑱のみ★★★☆> |
※ |
Michel Legrand、1932年2月24日 - |
フランスの作曲家、ピアニスト、映画監督、俳優。パリ出身。歌手のバンジャマ |
ン・ルグランは次男。父は指揮者・作曲家のレイモン・ルグラン、姉は歌手のク |
リスチャンヌ・ルグランという音楽一家で育つ。母親はアルメニア人・・・ |
パリ国立高等音楽院でナディア・ブーランジェのピアノ伴奏クラスにおいて学び、 |
1950年代からジャズ、映画音楽の分野で活動。ジャック・ドゥミ監督と共に手掛 |
けた『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』をはじめアカデミ |
ー歌曲賞を受賞した『華麗なる賭け』(主題歌『風のささやき』)、『おもいでの |
夏』、『愛と哀しみのボレロ』(フランシス・レイとの共作)、『栄光のル・マン』 |
『ネバーセイ・ネバーアゲイン』など数々の映画音楽を創作し、20世紀後半の |
フランス映画音楽界を代表する存在である。携わった作品の数はテレビも含め |
ると200以上・・・ |
ジャズ・ピアニストとしても活動し、自己名義のアルバム『Legrand Jazz』(略) |
ではマイルス・デイヴィスと共演。他にもジョン・コルトレーン、ジャック・ジョーン |
ズ、ジョニー・マティス、リナ・ホーン、サラ・ヴォーンら大物ミュージシャンとの共 |
演作品も数多い。さらに後年にはボイストレーニングを受けて、自作曲の歌唱 |
もこなすようになった・・・ |
※※ |
以上はWIKIから拝借。今や86歳なんだね。 |
上記だと案外印象深いのは『栄光のル・マン』。有名な映画は上記以外にも |
たくさんあるが、載ってないものでは『愛のイェントル』がワタシは絶対に外せ |
ないところ。 |
でも、このCDを手に入れたのは、そのあとの記述であるジャズの分野を想定 |
していたから。 |
安かったとはいえ、大マヌケでした。確認しなかった。 |
『Legrand Jazz』は確かに最後の4枚目の後半に入っていますが、なんとジャ |
ズはそれだけ。あとのLP5枚分はすべて‘ムード音楽’あるいは‘イージーリス |
ニング’と言われるジャンルに属する。 |
ヘンな4枚組!今更しょうがない。 |
始めのものなんか、1954年なんだから、ルグランさんはまだ22歳! |
パリ音楽院で、なんとナディア・ブーランジェの教えも受けた人材が、はじめ |
の仕事としてこんなムード音楽に関わっていたんだなぁ。少し時代錯誤っぽ |
い気もするものの、いくらか先取りをしていたかもという気もする。 |
ヴィクター・ヤングやパーシー・フェイス、マントヴァーニなどなどの向こうを張っ |
た世界で活動を始めていたなんて、知らなかった。伴奏やジャズをやってい |
るものだと思った。 |
でね、とにかくアレンジがみんな凝ってる。特異、あるいは凝り過ぎと言って |
もいい。ただきれいな、流れるようなものを目指す気はまるでなく、印象に残 |
るアレンジを施そうと若いルグランさんは勝手気まま、我儘に頑張った。セン |
スがある気はするが、奇を衒った面もあるのではないか。だからあんまり売 |
れなかったんじゃないの?想像だけど。ただし音楽家としては売れていたん |
でしょう、こんな変わった編曲を施しても出せたんだし、有名なジャズメンを |
集めた夢のようなアルバム「ルグラン・ジャズ」も作らせてもらえたんだから。 |
どのアルバムもかなりへんてこりんなアレンジが含まれているが、中でも奇 |
妙、珍妙なアレンジは1枚目から2枚目にかけての「VIENNA HOLIDAY」とい |
うのがピカイチ。リズムや音色などのいじり方(≒ゆがめ方)など、、、ものすり |
ごい。いわばムード音楽からはほとんど逸脱してしまっている。それでもね、 |
ムード音楽系にしか入れられない。 |
仕事場のBGMとしては、違和感なく、なんかちょうどよかった。そのことは書 |
いておかなくちゃね。 |
それから、最後の「ルグラン・ジャズ」以外でジャズっぽいものがあったのかと |
いうと、2か所でありました。始めはジャズアルバムだと思い込んでいたので、 |
まあお許しいただくとして、、、 3枚目のほうの「ルグラン・イン・リオ」に2トラ |
ック、⑱CARAVANと㉒SIBONEY。⑱はエリントンの有名曲なのでスタンダー |
ドのイメージですが、ここではラテンジャズ風に、㉒はもともとルンバだけど、 |
ここでは普通のビッグバンドジャズになってました。 |
そういった仕事の最後に、ジャズで名をとどろかせた『Legrand Jazz』が入っ |
ている。繰り返しますが、奇妙な組み合わせのセットものだと思います。
アルバムはほぼ録音された順に並んでいるようで、これが最も新しい。
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我儘とはいえ、よっぽどジャズのアルバムを作りたかったんやね。この時、 |
なんとまだ26歳!(きっと鼻持ちならない若造・・・) |
(LPの時もたしかこれがジャケットだったと思います)
このアルバムは、ルグランでは初めて手に入れたLPでしたね。マーキュリー
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だかフォンタナだかの廉価版。定価は1200円か1300円だった。 |
今はもちろんLPはありません。今回聴いてみて、中身も覚えてなかったな。 |
笑っちゃいけない、意外にもそこまでのLP5枚分の音楽とほとんど違和感なく |
繋がってしまった・・・ 直前が‘LEGRAND IN RIO だったからか。 |
昔も、はっきり言ってそう素敵だと思ってなかったろう。アメリカのジャズとは、 |
とにかく雰囲気が違う。だからというわけではないんだけれど、どうも今回も |
好みじゃなかったですね。ちょっとだけ新鮮ではありました。 |
マイルスには感じず、コルトレーンの音にだけはハッとしました。昔もきっと |
そんなふうだったんだぜ。 |
ックを歌ったアルバムを中心に、一時好きでしたっけ。
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ルグランさんの歌はサントラを通じ少しは耳に入って来てました。インストル |
メンタルに嫌いというのはなかったけれど、ワタシはできれば彼の歌は遠慮 |
したいほう、ここに入ってなくてよかった・・・ |
しかるべく、とりとめのないメモになりました。 |
おお、そうそう、音はちゃんとリマスタリングされていたようで、古臭いとは思 |
うが、60年以上たっている割には、悪くはなかったですね。もっとも、奇妙に |
聞こえる楽器が使われていて、それは録音のせいかもしれないけれど、ムー
ド音楽ものとしては、やっぱりヘンテコリンでした。
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(鼻持ちならない若造だったかどうかは知りません、若いころのルグランさん)
(9/7 何度か聴いているうちに、馴染んできました。奇を衒ったというのは
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言い過ぎかな。いつものワタシのパターンです。1954年から57年!こっち |
は小学生で、虫を追いかけたり野球のようなものをやったり・・・。 |
当時はこういうムード音楽を評価する媒体なんてあったんだろうか。全然 |
古くない、むしろアレンジのオリジナリティ横溢し、今でも新鮮。その後の |
フランスのムード音楽ったら、プールセルやポール・モーリアなんかを知っ |
ているわけですが、彼らのアレンジにも通じるところもある気がする。いや、
どっちが先かは知りません。)
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