<帯紹介文から> 北東スペインの文化的都市、カタルーニャは古くから多くの芸 |
術作品を育んだ肥沃の地です。この地に生を受けた音楽家は数多く、 |
グラナドスやブランカフォート、そして名チェリスト、カザルスなど枚挙にいとまが |
ありません。このアルバムは彼らの手による美しい小品を集めたものです。合 |
唱好きが泣いて喜ぶカザルスの「マリアの~」、そしてグラナドスの「星々の歌」 |
はピアノと合唱とオルガンによる信じられないほど素晴らしい協奏曲です。世界 |
初録音を多数含む涙ものの1枚です。 |
祖国への愛、人への愛、宇宙への愛 |
名チェリスト、カザルスたちが綴った祈りの歌 |
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カザルス: |
(1)歌詞は聖書から。Inspired by Bibleだね。独特の語り口というかメロディと |
いうか、素朴で個性的。有名な「鳥の歌」よりはるかに素敵です。 |
(2)も上記と同じような感想。これは旧約聖書。 |
(4)これは実に美しい。フォーレを思わせる。アルバム随一、絶品の歌謡。 |
繰り返して聴いていると、カザルスの3曲、どんどん良くなってきました。このア |
ルバムの花という扱いなのかもね。 |
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グラナドス: |
(3)カザルスと比べると、さすがにプロの作曲家で、素朴さもテクニックという感 |
じ。オルガンがいい。 |
(6)インスト。ピアノとヴァイオリン、甘い甘いロマンス。こういうのもあるんやね。 |
(8)これもインストで、ヴァイオリンがメインで、ピアノとオルガンが伴奏。憂いや |
感傷に満ちたもの。これもオルガンの音色が利いている。アナザーサイド・オブ・ |
グラナドス・・・ |
(11)これのみアルバムを通して頭抜けて長いトラック。はじめはピアノソロが続 |
く。次はピアノとオルガンのデュオ。半ばぐらいから控えめな合唱が加わる。 |
有名な「ゴイェスカス」だってちゃんと聴いておれないワタシでしたが、ちょっと変 |
わった構成だからでしょうか、宗教臭さがほぼなく、ラテン系独特の憂いの感じ |
がなかなかよかった。紹介文じゃあ‘協奏曲’とある。そうなのか。 |
この最後に置かれたトラック、何故か(これのみ)盛大な拍手付き。 |
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モレーラ: |
(5)初めて聴く作曲家だと思います。無伴奏の合唱。素朴な悲しみのよう。 |
(7)こちらは聖書から。地味な讃美歌という感じ。 |
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ブランカフォート: |
(9)無伴奏。短いけれど、ご贔屓だからか、素敵に聞こえます。「オーヴェルニュ |
の歌」ふうなセンティメント。もうちょっと聴きたい感じ。 |
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オルトラ: |
(10)無伴奏の合唱2曲。有名な詩人ロルカの詩。もう発禁じゃなかろうに、歌詞 |
が載せられていない。残念ながら特に印象なし。 |
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「マリア」がたくさんあって宗教臭いかというと、そうではなかったですね。 |
もっとも、ラテン系ってのはわかっても、これがカタルーニャなんだよ、と言われて |
もカタルーニャならではというイメージが、とんと掴めなかった。 |