休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『立ち去った女』

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20180726(了)
映画『立ち去った女』 
  
  ラブ・ディアス監督//チャロ・サントス・コンセロ他
  2016年/フィリピン映/228分/DVDレンタル
  <★★☆>

<映画.com解説から〉 ・・・フィリピンの・・・上映時間3時間48分に及ぶ人間ドラ
マ。殺人の罪で30年間投獄されていた無実の女ホラシアが出所した。事件の真
の黒幕で、彼女を陥れたかつての恋人ロドリゴに復讐するため、ホラシアは孤独
な旅に出る。そんな彼女の前に、困っている者、弱い者たちが現れる。貧しい卵
売りの男、物乞いの女、心と身体に傷を抱えた謎の女、彼らに手を差し伸べ、惜
しみなく愛を注ぐホラシア。そんな彼女を慕う者たちの助けにより、ホラシアは復
讐のターゲットとの距離を次第に縮めていく。
モノクロのフィリピン映画
フィリピン映画なんて珍しいし、ベネチア映画祭で最優秀賞を受けたなんてことで
選びました。
上記解説では感じが全く掴めませんが、しょうがありません。
冤罪で30年も投獄されていた女性が、ひょんなことから真犯人がわかって釈放
される。30年はいかにも長い。恨みも募る。
女は縁者へのあいさつの後は、海を渡り、事件の裏で糸を引いた男(付き合いが
あった)にゆっくりと近づいてゆく。
この‘ゆっくりと’というのがミソでねぇ・・・
彼女は昼間は普通のおばちゃん、夜はスラックス、ジャンパー、野球帽のわけの
ワカラン格好でその街をうろつく。後者が映画の一応の主眼なんだが、書いたよ
うに‘ゆっくりと’なのね。そのゆっくりが半端じゃない。
まあ、映画の初めからゆっくりではあったけれど・・・
夜の間にいくつかの出逢いがあって、特にめぼしいのは、卵売りのオッサンと、
ゲイのおねぇ。
さあ、はじめこそめそめそしていたが、だんだん何考えてんだかわからなくなって
くるように見える。ともあれ復讐の臭いがほとんど漂よってこない。
男(ヤクザのボスやね)も時々出てくるが、なにをするわけでもない。告解めいた
ことをするシーンがあるとか、卵売りのオッサンに偶然近づくとか、その程度。
どうなるんだと眠気をこらえて観続けるも、まるで進捗がない。
病気もちのおねぇが暴力を受けて転がり込むことになって、やっとお話は急転直
下、コーダを迎える。
長い夜の感じはよくって、なんだか親しみのわく雰囲気・・・、もっとも夜の街って
のはどこも変わらん気もするけどねぇ。いやもうワンシーンの長いこと・・・
参りました。
ワタシにはわかりませんが、この長尺に大きな意味があるのかもしれません。
でも正直3時間48分は・・・持病にも関係して、しんどかった。
はじめに時間に気がついておれば、多分観なかったと思う。
これは確かルソン島や近所の島が舞台ですが・・・
この映画を観た日の朝刊に、フィリピンのニュースが載っていました。
ミンダナオ島に、イスラム系住民による自治政府の樹立が認められる運びだと
いう。
フィリピンは全体では9割がたがキリスト教(たぶんカトリック)だけれど、ミンダ
ナオ島でのみ、イスラム教が2割を超えるんだそうな。マレーシアやインドネシ
アにも近いってことなのかなぁ。
でこのイスラム教徒が分離独立を求めて70年頃から蜂起、武力闘争に発展し
ていた。ドゥテルテさん、ミンダナオ出身ということもあってなのか、平和のため
にもともと自治政府の設立を方針に入れておられたそうな。
さあ、どんな形になるんでしょう。大きな島だもの、島全体をイスラム自治
府が治めるってわけでもないんでしょ?
そうだ・・・
携帯、スマホが一切出てきませんでした。
すくなくとも21世紀にはまだ入っていない頃のお話なんでしょうね。