休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ケクラン/『ペルシャの時』

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20180724(了)
ケクラン/『ペルシャの時』
Charles Koechlin(1867-1950);Les Heures persanes Op.65〈1913‐19〉
                           (Version orchestrale、1921)
 ①旅立ちの前の昼寝 3:36
 ②キャラバン(昼寝中の夢) 5:57
 ③暗がりの山登り 3:01
 ④すがすがしい朝、高い山間にて 2:56
 ⑤町を望む 3:13
 ⑥街道を横切る 3:59
 ⑦夜の歌 2:06
 ⑧テラスから見る月の光 3:03
 ⑨夜明けの歌 2:50
 ⑩真昼の日差しを受けるバラの花 1:46
 ⑪石像の泉の近くの日陰で 3:10
 ⑫アラベスク 2:04
 ⑬日暮れ時の丘陵 2:16
 ⑭語り部 6:30 abcde
  a)Introduction b)The Genie in the Bottle c)The enchanted Palace
  d)Dance of the Youths e)Moonlight on the Garden
 ⑮夜の平穏、墓地にて 4:44
 ⑯真夜中のイスラム教修道僧たち 6:52
  ハインツ・ホリガー指揮/シュトゥットガルト放送交響楽団
  録音:2004年1月、Stadthalle Sindelfingen Tot.58:03
  CD/2006年/hänssler CLASSIC
  <★★★★>

NAXOSピアノ曲の解説から) フランク、フォーレドビュッシーら先人の影響
を受けながらも、伝統的なハーモニーと作曲技法を独自に拡大し、時には無調
の作品までをも書いたフランスの作曲家ケクラン。彼は良き教師でもあり、近代
和声学、対位法の著作も残し、また映画からもインスピレーションを受けるなど、
多方面に渡って影響を及ぼした人でもありました。彼は夜になると望遠鏡で星
を眺め、宇宙の神秘を解明しようと試み、またある時は神話や旅行記、未知の
国についての書物を熱心に読んでいたともいいます。そんな知識人であり夢想
家であった彼ならではのピアノ曲がこの傑作「ペルシアの時」です。「ピエール・
ロティの『イスパーンの方へ』に基づくピアノのための組曲」という副題をもち、
彼の特徴でもある静謐さと、東洋的な雰囲気が横溢した16曲からなる組曲で、
時に聞こえてくる古代の響きや、砂漠の熱い風が感じられる、今の慌ただしい
時間を忘れさせてくれるかのような音たちが蠢いています・・・
上の解説を改めて読んでみた。多分この方、かなりの変人かもね。
ワタシは何か有名な作曲家の曲を、この方の編曲で聴いて、興味を持ったんじ
ゃなかったでしょうか。それが何かは忘れてしまいましたが。
で、はじめは「ジャングルブック」などを聴き、このピアノを聴き、室内楽を少し聴
きして、あの精妙なピアノ曲をそっくりそのままオーケストレーションしているの
を知って、ちょっと聴いてみたくなった。
ピアノのほうは、捉えにくいけれど、その独特のムードが気に入ってまして、時
時仕事場に持ち込んだりしています。音がどでかくなるところが少ないからね。
ワタシにはペルシャがどうのという感じは持ってませんが、CDのジャケット写真
が、波打った夕方の砂漠に、ラクダに乗った隊商の一部がシルエットとして映っ
ている。その写真の影響はゼロとは言えないですね。でも、解説にもあるように
まるで無調のようなところもあったりして、なかなか尖がったところも見せる。
そのオーケストレーションだからね、気になりまして。
ピアノ同様弱音部分が多くて、これは耳をそばだてなきゃならない、でも非常
に美しく精妙。ワタシにゃエスニック風味はやっぱり感じられんが、乾いた抒情
や神秘的な感じは、まさに乾ききった土地にぴったり。
またその色彩の鮮やかさは半端じゃない。フランク、フォーレドビュッシーの名
が上記にあったが、ラヴェルを含め印象派の総まとめみたいな感じ。ローマ三
部作の時のレスピーギのような華麗さもある。
もちろんのことピアノの何倍もダイナミックレンジがでかい!
すなわち、ピアノとはまるっきり別物だね。同じ曲とは思えない。
ピアノ曲としての完成後2年でそっくりそのままオーケストレーションしたんだか
ら、何をかいわんや。ピアノ曲としても完成度は高いとは思うものの、ワタシに
は、オーケストレーションしてこその曲という感じだった。
「ケクランなんてきいたことないワ」というかた、是非聴いてみてほしいと思う。
曲よし、オケよし、録音よし。ホリガ―さん、いい仕事してたんですねぇ。
作品数が多い作曲家なんですが、奥も深そうで、もうちょっと聴き進みたい気
がします。パラパラ見てみると、安く手に入るものがほとんどないのが残念・・・
このクソ暑い時ではありますが、冷房の効いたところでメモしてます・・・
昨日は埼玉の熊谷市で、まあ高い気温の常連ではありますが、41.1℃とか、と
んでもない気温を記録してましたっけ。NHKのニュースでやたらと“命の危険”と
連呼している。確かになぁという気になります。