休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

海賊ブラッド:エロール・フリン作品集

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20180203(了)
海賊ブラッド:エロール・フリン作品集
CAPTAIN BLOOD: CLASSIC FILM SCORES FOR ERROL FLYNN
 The Adventures of Don Juan:Suite (Max Steiner) 
     ドン・ファンの冒険 (9:35) 1948
 The Sea Hawk:Suite (Erich Wolfgang Korngold) 
   「シー・ホーク」 (8:08) 1940
 Captain Blood: Ship in the Night (Erich Wolfgang Korngold) 
   「海賊ブラッド」 (2:08) 1935
 They Died with Their Boots On:Suite (Max Steiner) 
   「壮烈第七騎兵隊」 (8:41) 1941
 Dodge City:Suite (Max Steiner) 
   「無法者の群」 (7:56)1939
 Objective Burma:Parachute Drop (Franz Waxman) 
   (未公開) (2:16) 1945
 The Sun Also Rises: Prologue, The Lights of Paris (Hugo Friedhofer) 
   「陽はまた昇る」 (4:42) 1957
 The Adventures of Robin Hood:Suite (Erich Wolfgang Korngold) 
   ロビンフッドの冒険」 (12:20) 1938
  チャールズ・ゲアハート指揮/ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
  録音:1974年11月、ロンドン、キングズウェイ・ホール
  CD ⓒ2010 SME Ⓟ1975 SMERCA)/映画音楽/輸入
  <★★★★>

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マスタリングが成功したんでしょうか、とてもいい音。
そしてその音の影響というわけではなく、中身が極上でした。
小学校の高学年ぐらいから、観るともなく観ていたフリンの映画。なん
といっても剣劇は印象に残っていますね。
脳天気な映画のアクション・スターだったわけですが、時代の要請でも
あった映画だったのだから、今更演技や映画の出来を云々したりする
筋合いのものでもない。じっさい小学生時代、やっと身近にテレビが来
てから、フリンの映画はちょくちょく見た記憶があり、鉄腕アトムだとか
月光仮面だとかハリマオだとかよりは、フリン物のほうが正直なところ
よっぽど‘本物’らしかった。演技なんか無理しない。ドラマの面白さと
いうよりはもちろんアクション。活動大写真の延長線上のもの。

そして今は音楽だけ(でもないかもしれないけれど)を聴きます。
音楽だけです。
先に書いておきましょう。全体にポルタメントなんか多いんだが、よく歌
って気持ちがこもり、血が通っているのです。堂々たるものです。
音楽だけだからね、正当な楽しみかどうかというと、若干怪しいですが
・・・さすがスタイナーやコルンゴルト。やっぱり手抜きなくちゃんと書い
ていました。
① このシリーズで聴いたことはあるんですが、組曲として聴いたのは
初めて。で、曲想がいろいろあって、それがいいのです。あの「風と共
に去りぬ」より素敵かも。 オーケストレーションも素晴らしいが、演奏
がとにかくすごい。
・・・思い出した。「グーニーズ」!
勢いのいい出だしのところは、「グーニーズ」のカジモドめいた‘スロー
ス’というキャラが「S」マークを胸に付けたスーパーマンのスタイルで
颯爽と現れて、帆船上で活躍するときに使われていた・・・ような気が
する。
②も上記と全く同じ。いやもっと上かも。コルンゴルトのオーケストレー
ションも演奏も。名曲の名演奏。
この始めの①②だけでもいいくらい。本当にスタイナーやコルンゴルト
のオリジナルのスコアをうまくつないだだけなんだろうか。いや繋ぎ方
だってむずかしいはず。
CPOだとかNAXOSで、サントラから譜面に起こし直したものが出てま
してね、いくつか手に入れました。「シー・ホーク」なんて2枚組という労
作。それをやったかたの名前もちゃんと載っていて覚えてます。
しかも録音はこのRCA盤よりも15年から20年近く後なのに悪くはない
がよくもない。スコアが散逸してしまっていたからこその企画でしょう。
なのにこのRCA盤の見事さときたら。だものだから、ちゃんとスコアが
あったからこういう録音ができたんじゃないか、ということになってしま
いそう。もっとも、すごい手練れのオーケストレイターがやったんだが、
名前は伏せてある、なんてこともありうる・・・

写真も多い③はせっかくのコルンゴルトながら楽曲がちょっと短すぎ。
④のスタイナー、悪くはないのだけど、軍隊調がちょっと・・・
同じスタイナーでも⑤の西部劇調のほうがいい。曲調のバラエティも
豊かで楽しめる。
⑥の未公開作品は終戦の年。ビルマ戦線のことだろうから、そりゃあ
戦争が終わったって、公開はないわねぇ。“ビルマの竪琴”の話より、
なんといってもこの戦線での日本側の大失策・・・ これはワックスマ
ンですが、残念ながら音楽にも面白みなし。
 名前だけは知っているフリードホーファーの作品。名前からすると
ユダヤ系の方でしょうか。これだけでは特色はよくわからない。メロド
ラマっぽいというか、ムード音楽タイプの仕上がり。
 これはやはりNAXOS盤(ロシアのオケ)で聴いていましたが、当盤
のほうが、演奏も録音も上。言いたかないが、気持ちの乗っかり方が
違うんじゃないかなぁ。①②に次ぐ出来映え。
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                       Errol Flynn duels with Basil Rathbone in Captain Blood
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