休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ジェームズ・ロリンズ/「ダーウィンの警告」 上・下

イメージ 1
20180118(了)
ジェームズ・ロリンズ/「ダーウィンの警告」 上・下
 The 6th Extinction 〈堯The Sigma Force Series⑨ 訳;桑田健
 (上)
    プロローグ
    第一部 闇の創世記
    第二部 幻の海岸
 (下)
    第三部 地獄岬
    第四部 文明退化
    エピローグ
    2016年11月/冒険小説系/竹書房文庫 上下2冊/ⓒ2014/from娘
    <★★★△>


イメージ 2

<帯惹句>
 我々は、ここに来るべきではなかった……
 ──チャールズ・ダーウィン
 南極大陸から〈第六の絶滅〉が、今、始まる……
 全世界で日本でベストセラー! シリーズ最新作!
  第一の絶滅──4億4400万年前、全生物の85%が絶滅。
  第二の絶滅──3億6700万年前、海洋生物の70%が絶滅。
  第三の絶滅──2億4500万年前、陸海で全生物の90%が絶滅。
  第四の絶滅──2億年前、全生物の80%が絶滅。
  第五の絶滅──6500万年前、恐竜が絶滅。
 哺乳類の時代が幕開けした。そして、現在──
 人類に第六の絶滅が迫っている……
〈ネット解説~あらすじカリフォルニア州軍事研究施設から、爆発
とともに謎の物質が流出した。その研究所から発信された最後のメッセージ
は、〈殺して……私たちを全員、殺して〉。現地に赴いたシグマフォースのペ
インター・クロウ司令官は、山間部を死の世界に変えながら拡散する物質の
封じ込め作戦の指揮を執るが、正体不明の物質への対処法が見つからな
い。一方、研究施設で行なわれていた実験内容を探っていたグレイ・ピアー
ス隊長は、施設の爆発後に行方不明となったケンドール・ヘス所長の知り
合いのアレックス・ハリントン教授から要請を受け、南極大陸に飛ぶ。しかし、
現地ではグレイたちの調査を妨げる勢力が待ち構えていた。カリフォルニア
州での災厄と氷の大陸での攻撃を、裏で画策しているのはいったい何者な
のか?
◆歴史的事実に関して──複数存在する〈南極大陸〉の地図
本書の中には、氷で覆われていない南極大陸を描いたものと思われる古代
の地図が何枚も登場する。これらは実在する地図で、何世紀も前に作成さ
れたものであるが、こうした地図に関する議論は今なお続いている。一つは
っきりとわかっているのは、古代の人々は我々が考えているよりもはるかに
以前から、世界各地の大洋を航海していたということである。人類の航海年
表は毎年のように歴史をさかのぼり続けている。古代の知識の宝庫であっ
た有名なアレクサンドリア図書館の破壊とともに、どれほどの量の真実が灰
燼に帰してしまったのかは知る由もない。 
・・・ ・・・ ・・・
イメージ 3

読むなら置いていくよ、と娘。
読まないからいいよ、とも言えないではないか。
で、半年ほどたってようやく手に取ったというわけです。
見たことがあるようなシリーズものですが、興味を持ったことはない。その
第10作。
おおむねダ―ウィニストであるワタシですから、当然タイトルのダーウィン
の名に惹かれたし、荒唐無稽なお話の中にダーウィンの名は確かに出て
きて、彼が、南極に行って見つけた恐ろしいものに警告の意味の蓋をした
んではないか、と空想されている。更にこじつけは徹底していて、、、
Develop and Revolutionize Without Injuring Nature(自然を傷つけない発
展と大変革)の頭文字、D・A・R・W・I・N、環境対策の中核的な考え方と
しての‘ダ    ン’。
実際にあるのかもしれない考え方だね。(巻末の解説には載ってなかった)
このテロの正体が何だということも大事だが、何よりぶん撒かれた物質の
正体がわからない。吸ったり浴びれば致死。治療法はもちろん不明。
徐々にわかってきたところによると、DNA、RNAの代わりと目される合成さ
れた遺伝物質XNAがかかわっている可能性がある・・・
すなわち、人類に第六の絶滅が迫っている……
このシグマ・フォースという特殊部隊の活躍と合わせて、カリフォルニアの
爆発の近所にいて命からがら逃げ伸びた女性パークレンジャーが(どうや
ら実際にいる方をモデルにしているらしい)、南米にまで行く大活躍をする。
誘拐され薬剤を打たれる・・・ あのテーブルマウンテンのあるあたり。
南極における活劇は、ほかにも読んだことはあるものの、まあ珍しいほう
じゃないのかしらん。
で、ここでの南極に関する記述は空想の産物だけれど、上記の‘歴史的
事実に関して’のように空想を膨らませたくなる大陸。
調査方法は忘れてしまったけれど、南極大陸の氷を取り除けば、表面に
は川などの無数の地形の跡があるとわかっているんでしたっけ。
それがここでは、巨大洞窟の状態で存在し、火山のせいで暖かい。当然
長らく孤絶してきたので極めて独自の進化を遂げた生物たちがわんさか
いる。危ないやつもね。そうした中で追いつ追われつ。
ブラジルのロライマ州と、南極のドローニング・モード・ランドの一角でドン
パチが始まる。シグマ・フォースはひたすら苦戦。
でも、迫力から言うと、‘衝突’の初期段階で爆破によって、ウェッデル海
の棚氷が基地ごと傾いて割れ落ちようとするところがハラハラさせたなぁ。
「人類に第六の絶滅が迫っている」と言われるにも拘らず、更にそれにを
加速させようというテロ。まあそのWHO&WHYはお約束として明かせませ
ん。迫力はありましたよ。奇妙な動物もおもしろかった。
SFっぽいんですけどね、でも様々に理屈はあって、最後に根拠が(別途
ページを費やして著者からの解題として)示されています。
正月明け、1月6日ごろのニュースで、日本の冒険男が徒歩で南極点ま
で行っちゃったというのがありましたねぇ。
どこから歩き始めたんだか、単独行だったのかどうかとかは知らない。
(映像残していたら、たいへんなドキュメンタリーでしょう)
冒険心なんだろうが、まったくもう無謀な。そもそも寒いことが大嫌いな
ワタシになんぞ、理解もヘッタクレもない。
ご本人は、北極点にはすでに何度も行っていて、シロクマなどの生物に
何度か遭遇したんだが、南極じゃあ何の生き物にも出逢うことがなかっ
たということでした。
(その後、この方のこと、名前も覚えちゃいませんが、見聞きしてないで
すねぇ)