休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ハウエルズ/スターバト・マーテル他


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20180109(了)
ハウエルズ(Herbert Howells 1892-1983)/Stabat Mater
(1)スターバト・マーテル(1959-1965) 48:42
  ①Stabat mater dolorosa 7:34
  ②Cujus animam gementem 7:58
  ③Quis est homo? 4:42
  ④Eia,Mater 4:55
  ⑤Sancta Mater - 5:44
  ⑥Fac ut portem - 6:35
  ⑦Christe,cum sit hinc exire  11:15
(2)テ・デウム(コレギウム・レガーレ) 〈合唱と管弦楽版〉(1944/1977)⑧ 9:05
(3)シネ・ノミネ「幻想曲」 Op.37(1922)⑨ 12:37
  デイヴィッド・ヒル指揮/ボーンマス交響楽団/バッハ合唱団
  ベンジャミン・ヒューレット(テノール)(1)&(3)、アリソン・ヒル(ソプラノ)(3)
  録音:2013年11月&12月、UK、Dorset、Poole、Lighthouse Tot.70:24
  Ⓟ&ⓒ 2014 Naxos Rights US/輸入 8.573176/中古
  <★★★★△>


                               ――English Choral Music
(帯紹介文) 古今東西の宗教作品の中でも、高い人気を誇るのがこの「スタ
ーバト・マーテル」です。日本語にすると「悲しみの聖母」であり、歌い出しの
ラテン語"Stabat mater dolorosa-悲しみの母は立っていた」がそのままタイト
ルに使われています。数多くの作曲家たちがこのテキストに思い思いの曲を
つけています。イギリスの作曲家、ハウエルズの「スターバト・マーテル」はド
ヴォルザークの作品と同様に、彼自身の9歳の息子、マイケルの突然の死が
作曲の動機となりましたが、ハウエルズ(1892-1983)は曲に個人的な悲しみ
だけを盛り込むのではなく、1962年のキューバ危機や翌年のケネディ大統
領の暗殺などの、厳しい世界情勢を危惧し、やがては核戦争への恐怖まで
をも内包した途方もない悲しみが含まれています。そのため曲は不安定であ
り、本当に悲しみに満ちていますが、時として驚くばかりの美しい響きも見て
とれます。聴き手の内面の平穏を試すかのような不思議な音楽です。
打って変わって輝かしさ際立つ「テ・デウム」では開放的な明るさを体感でき
ます。
ヴォカリーズのみ(歌詞は持たない)の声とオーケストラの響きが交錯する「シ
ネ・ノミネ」も神秘的な美しさを持っています。
長っ! 
それはまあいいけど、キューバ危機だ? ケネディ暗殺だ? 核の恐怖だ?
それはまたタイヘン・・・ そうだったのか・・・ ははは。
(1)この曲の初レコーディングという、ロジェストヴェンスキー/ロンドン響のCD
(Chandos、1994)がハウエルズが好きになった大きなきっかけでした。それと
比べることになった。
録音では20年近くもあとなのに負けてますね。Chandos盤は鋭角的に迫って
明晰で激しい。宇宙的な響きもあったりする。
ヒルさんのNaxos盤はいつものボーンマス響のホールで、もともと残響が長く、
曲によって向き不向きがある。この曲ではやや混濁気味で、鋭さはない。
でも演奏についてはタイプが違って、どっちもどっちでしょうか。少々大仰で激
しすぎじゃないかと思えるロジェストヴェンスキーさんに対し(って、これも好き
なんですけどね)、ワタシは中庸で暖かくイギリス人らしいヒルさんのファンだ
だからということも否定はしないが、曲がもう少しまとまりよく、わかりよく聞こ
えてくる気がした。教会の雰囲気かなあ。
オケのパワーや機敏さはさすがにロンドン響がすごいが、ソリストや合唱は
甲乙つけがたい。いや、合唱だけなら逆かもしれない。⑤!
まあそれにしても解説のように、 
 「そのため曲は不安定であり、本当に悲しみに満ちていますが、時として驚
  くばかりの美しい響きも見てとれます。聴き手の内面の平穏を試すかのよ
  うな不思議な音楽です。」
というのはなかなか頑張った紹介。ワタシは名曲だと思いますね。
作曲されてから30年近くもたってChandos盤が初録音だなんてもったいなか
ったし、信じがたい。
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                             (ロジェストヴェンスキー盤/CHANDOS)

(2)、これと次の(3)が初めてなので、仕入れてみようという気になりました。
「スターバト・マーテル」の最後が静かに暗目に終わるので、(2)の輝かしさが際
立ちます。
わざわざオケ伴とうたってあるので、もとはオルガン伴奏なんだろうが、なん
たってオケ伴がいいな!
(1)では比較対象があって気になりましたが、この曲では合唱(英語)が主
役で威力があります。オケもどうしてニュアンス豊かに響き渡ります。
(3)若書きと言えるのに、すっごく立派。
ヴォーカリーズは安っぽくならずに親しみやすい。神聖なる恍惚感とでもいう
ような神がかり的盛り上がりがなんとも素晴らしい。オルガンも加わって大音
響になる。曲の完成度だって決して低くないと思う。
ここではホールトーンも利いて、ホント、カッコイイ。若干通俗?
宗教は苦手なくせして、‘宗教性’は嫌いじゃないんです。
・・・とまれ、解説はこの曲には少々そっけないなぁ。
中学生のころに『ベン・ハー』を観て、M・ローザの音楽にイカレタもんですが、
それをちょっと思い出しました。(後年、サントラやオリジナル・サウンドトラッ
ク・レコーディングを意識して聴いてみると、かなり粗い音でしたけどね。)
ドヴォルザークの「スターバト・マーテル」は時々聴きかじったことはあるので
すが、いいなと思ったことはなかった。去年秋口頃にやはり部分だけれど、
ラジオで聴く機会があって、とてもいい印象だったので、ワタシのほうの用意
ができたのかもしれない。よさそうなのがあったら手に入れてみたい。

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