休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『幸せなひとりぼっち』

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20171114(了)
映画『幸せなひとりぼっち』 En man som heter Ove
  監督・脚本:ハンネス・ホルム//ロルフ・ラスゴード/
  バハー・パール/イーダ・エングボル
  2015年/スウェーデン映/116分/DVDレンタル
  <★★★★>

スウェーデンのかつての新興住宅街。もう新興じゃなくなってる。
そこへある一家が引っ越してくる。出身がペルシャ湾岸の奥さんが3人
目を妊娠している。
そのすぐそばには規則にうるさい偏屈ジジイが一人で住んでいて、なに
かとぶつかる。最近奥さんが亡くなったらしいのだが、それにしてもいっ
たい何だこのジイサンは、というわけだ。まあゆっくりと事情が分かってく
る。そしてやたらと死にたがっているのですな。
いろんな事件やぎくしゃくとした触れ合いが積み重なってゆき、あれ?こ
のジイサンそんなに変でもないかも、なんて思い始めつつ・・・まあおしま
いのほうになるまで、ホントの事情はわかりません。
「死」がテーマなのかもしれないというのに、おしまい近くまでは危なっ
かしいが、かなり笑えるのです。
もう一つのベースは純愛だし、ストーリーの構造はわかってしまうと言っ
てもいいんだけれど、、、素敵な映画に仕上がっていると思います。
年寄りの話には入り込みやすくなりました。カミサンは当然のように泣い
てましたが、ワタクシメも実はちょいと泣かされてしまった。
ところで、ここは社会福祉国家として名を馳せた国ですが、今は福祉行
政は多く民間に下請けさせているか民営化されていて、利益追求によ
って、ねじれたおかしな現象が起きている。それがこの映画の中にけっ
こう露骨に出てきます。サスペンスの一端を担っている。これ、今の日
本じゃ(もちろん日本だけではないと思うが)かなり理解しにくいと思った
のですが、どんなもんでしょう。
原作小説がベストセラーになったものだそうで、それゆえ監督はたいそ
う苦労して作ったもののよう。


この監督がスウェーデンの世界に誇れる、というかお勧めは、
アストリッド・リンドグレーンの「はるかな国の兄弟 」だそうです。