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7、「地獄とは神の不在なり」
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| これも中編。神のご意思の話。 |
| その気まぐれな恩寵やら試練について、この世界じゃうんと具体的で、 |
| 天使の降臨という形を採ってどんどん起きる。たまに堕天使も降る。 |
| しかるに人は試練にすら恩寵を感じるというオカシサ。 |
| なんと、天国のみならず地獄も具体的に表現される。 |
| 面白いかどうかよくわからんが、今とのずれ方が猛烈でかつ非常に刺 |
| 刺激的であることは確かやね。 |
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| ライトシーカー(光が伴う降臨に立ち会い、それを追いかける人)になっ |
| た主人公。もともと身障者で変にねじ曲がった考え方を持つ者だが、最 |
| 愛の妻を亡くした後、神を愛する動機や理由について、さらにねじ曲が |
| った論理を、周りを巻き込みながら展開する。彼がかかわりを持つ人々 |
| 自身もなかなかややこしい。これが最後まで続く。 |
| 天使の降臨は、恩寵とともにまるで歩留まりとでもいうように死人も出て、 |
| アメリカ中部をよく襲う竜巻みたいなのね。 |
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| 結論は? |
| オフクロはこの頃体力的な問題で教会に行っておらず、教会の情報は |
| 教会員が届けてくれている。とまあ、それはともかくとして、そこの若い |
| 牧師はミステリー好き(これは一応知っている)で論客らしい(この点は |
| よく知らない)。ミステリー好きな牧師がいたって何の不思議もない。彼 |
| にこの物語(宗教談義)を読ませて、なんと言うか訊いてみたい気がし |
| た。それが結論かい?と言われるとちょっと恥ずかしい。 |
| 聖書では確か「神を試してはならない」ってことだった。牧師を試すのは |
| どうなんだろうねえ・・・。 |
| 関係ないけど、下世話を知らない牧師なんてあまり人を導けそうでない |
| 気はする。(彼はそうじゃないと思う) |
| えー、読んでもらって感想を聞くなんてこと、実際にはしません。 |
| <★★★△>(7/21) |
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| 8、「顔の美醜について ― ドキュメンタリー」 |
| ドキュメンタリーってのがふるっている。 |
| 「もし、人びとが外見でお互いを判断しないような環境に住むこと |
| ができたら? もしそうした環境で自分の子供を育てることができた |
| ら?」 |
| その仕組みの呼び名は“美醜失認処置”。脳の神経を弄る技術やね。 |
| ある大学で使われ始める。追随する大学も。学生会議の議題で、採用 |
| するしないの投票があるらしい。 |
| ある女学生がそれをセットしてみたら・・・外してみたら・・・などと、10組 |
| に満たない関係者のインタヴューのようなもので構成されている。 |
| 中には学生のみならず先生たちのコメント、化粧品会社のPRの文章な |
| どもある。 |
| 面白い切り口がネタの話。真面目に考え始めると、実にいろいろな問 |
| 題を含んでいることがわかってくるんだ、これが。 |
| 単純には、例えば、個性や平等の考え方に、とか、意識せず知らずに |
| 優れた形質ないし遺伝子を生物学的に選択してしまう仕方に、とか。 |
| そう、美の感じ方ってのは深い。それをストップさせたらどんなふうにな |
| るか、またそれを外したらどんな影響が出るかってのを小説にしちゃっ |
| た。全体的には道徳・倫理・礼節などの真面目な反応の出てくるウェイ |
| トが高いが、なんだかなあ、結論的にはノンシャランな色恋系で幕が |
| 引かれる・・・ |
| ただ投票に大きな影響を与えるのは、上記化粧品会社がある女学生 |
| のスピーチ映像を流したこと。(ま、今と同じ、メディアのかかわりかた) |
| ほかにもね、、相貌失認(処置)など失認処置は色々あることになって |
| いる。 |
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そのときそのときの社会が茶々を入れるので、話が複雑になりがちで
すが、実際は生物としてのありように大きくかかわることで、案外単純。
だから根が深いとか浅いとか言えるものではないと思うのですが、一
応なにか反応したくなりますね。
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でもでも、正直なところ面白いかどうかよくわからなかった。すごいのは
これを小説にしちゃったことかな。
小説として・・・成立してますかねぇ。
なぜか、あらかた忘れてしまっているはずのS・レムを連想しました。
(星の数は甘い)
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| <★★★>(7/27) |
| 「作品覚え書き」 |
| 数学や物理学への興味が強い方のようだけれど、4や5から、言語(の |
| 想像的力)に関する興味はそれ以上のよう。(実はそうでもなかった。) |
| 7は聖書の知識がもう少しあったほうがよかった(ワタシのこと)かなぁ。 |
| 8、こんなものがあったら、作者と同じで、試してみたい。 |
| この覚書を読んだら「あちゃー!」なんじゃないかと心配したけど、書くき |
| っかけになったものをちょっと教えてくれる程度で、具体的に中身に繋が |
| るものはほぼなかった。 |
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| もうちょっとわかりよけりゃあなあ。 |
| チャンが最も評価しているというのがグレッグ・イーガン。昔っから読み |
| たいリストに入れていた作家で、いまだに果たしていない。もうほとんど |
| 忘れていたけどね。イーガンの作風は・・・ |
| “形而上学の領域へ科学が手を伸ばし、人間の問題をハードSFとして |
| 扱うことを可能にした” |
| チャンさんもその点を称賛しているんだそうな。 |
| ワタシのようなノータリンにはイーガンも難しいかもしれないが、またイ |
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ーガンの名が浮上。(もう読まないか)
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