休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

クリストファー・ラウス;Odna Zhizn/Sym.3&4他

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20170626(了)
クリストファー・ラウス - Christopher Rouse (1949-)
Odna Zhizn(2008) 16:05 
②-⑦交響曲第3番プロコフィエフによる)(2011) 28:24
⑧⑨交響曲第4番 (2013) 22:20
プロスペロゥの部屋 (2012) 9:23
 アラン・ギルバート指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック
 録音:①2010年2月、②-⑦2013年6月、⑧⑨2014年6月、⑩2013年4月
     ニューヨーク、リンカーン・センター、エイヴァリー・フィッシャー・ホール Tot.76:15
 CD/Ⓟ&ⓒ 2016 Dacapo Records(Copenhagen)/Made in Germany/輸入
  <★★★☆>


(帯紹介文) このアルバムにはクリストファー・ラウス(1949-)が作曲した4つ
世界初演作品が収録されています。ラウスはアメリカ出身でニューヨーク・
フィルハーモニーの「マリー=ジョゼ・クラヴィス記念コンポーザー・イン・レジ
デンス」を2012年から2015年まで務めており(前任者はマグヌス・リンドベル
イ)このアルバムの「プロスペロの部屋」「交響曲第4番」「odna zhizn」はオー
ケストラとの共同作業となります。「現代における作曲家の中で最も重要な
働きをするクリス・ラウスは、偉大な作曲家だけが成し得る方法で、音と音楽
の流れを形づくります」とアラン・ギルバートも絶賛するラウスの刺激的な音
楽、ぜひお楽しみください。
(1)Odna Zhizn。何のことやらわからないが、“Life”を意味するらしい。
神秘感やファンタジーを喚起する聴きやすいサウンド。バーバリズム風なと
ころやバーンスタインのリズム、冒険活劇のスペクタクルなどなど、とにかく
盛りだくさん。
(2)Sym.3。少し前に聴いたケヴィン・プッツを引きずっている気もするが、
音色のも内容にも類似点があるんじゃないか。
涼しい感じながら華麗なオーケストレーションがいきなり炸裂する。(1)と似
ている。マルコム・アーノルド交響曲(5番か6番)を連想したが、確かプッ
ツの時にも持ち出したんじゃなかったか。そういうのも長くは続かず、どんど
ん曲想が変わっていく。連想も変わっていく。(プロコフィエフによる)とある
のは、その2番と関係があるらしいこと以外はよくわからない。
時に現れる緩徐部分には、いろんな作曲家に聴かれるアメリカ的としか言
いようのない、乾い感傷がある。
(3)Sym.4。(2)をもう少しドラマティックにした感じで、特に深みが加わると
いうこともなく、とでもカラフルな表現。
今どきはやらない表現だろうが、映像的。
鮮やか至極な交響的作品だけれど、(2)同様シンフォニーというイメージで
はない。いやそんなこと、べつに構わないんだけどね。それよりは「オーケス
トラで“観る”一大ファンタジー」なんていうのはどうだろう。 まあこの表現は
CD全体を通して言えるようですけどね。
(4)プロスペロゥの部屋
(3)をさらに外連味たっぷりにし、やや暗さも盛り込んでいる。といっても陰
気さとは無縁。
ポーの「赤死病の仮面」に出てくる‘王と七つの部屋’などを題材にしている
とすれば、暗さや陰気さはもっとあっても、と思わぬでもないけれど、インパ
クトはこの4曲のなかではピカイチ。
現代音楽の技法としては、決して目新しいというものではないのだろうが、
耳に新しさはあるような気はする。様々な引用や影響があるように感じられ
るものの、具体的にはわからないので、ワタシの言う新しさの程度などはエ
エカゲンです。
とにかく心地よく楽しい、規模感のあるサウンドが身上の音楽。
演奏は、さすがにニューヨーク・フィルハーモニック、安定感抜群。
日本にもたびたび来ているギルバートさんは、白人系の米国人と日本人の
ハーフなのね、知りませんでした。アラン・タケシ・ギルバート。