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バスーン(フランス名 バソン)とファゴットの違い・・・ |
ワタシのような脳天気に聴くだけの素人人間にとっては、木管楽器の低 |
音部担当であって基本「同じ楽器」なんだけど、プロにとってみればシス |
テムとして捉えることは必須で、とすれば「別の楽器」ということになる。 |
受け売りだがもう少し突っ込んでみると、バスーンは、音が溶け込みやす |
いファゴットに比べ、ホルンに似て音色が非常に特色があり、音量がファ |
ゴットよりかなり少ないというような点から「敬遠されがち」である。それが、 |
どういうものか技術的に「扱いにくいと思われがち」ということに繋がって |
いる、、、かもしれないんだって。 |
ワタシなんざまるで気にしたことがなかったです、恥ずかしながら。 |
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木管系の室内楽では当然だけれど、オーケストラでもやたら聞こえてくる |
楽器ですし、例えば出だしだけとってみても、「春の祭典」や「悲愴」なん |
て確かそうですよね。 |
単体で聴くと、爺さんの独り言みたいだったり、おっとり味やコミカルな味 |
のイメージが強い。 |
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さて、ごく最近、ラジオでケクランのファゴット・ソナタの一部を聴いて魅力 |
を感じた。これまで興味を持ったことなんかなかったのに、どういうことな |
んだろうな。この頃よく書くけどね、年齢のせいだろうか。 |
で、一枚手に入れてみたのがこれ。 |
これはまさに‘バソン’。ホルンに似るかどうかはよくわからないけれど、な |
んと魅力的な音色。そりゃ音は低めだけれど、どんなメロディだって大丈 |
夫。‘爺さんの独り言’は言い過ぎた。 |
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①② グロヴレーズ。朗らかで軽い。こんなにセンスいっぱい。この作曲家 |
初めてだが、参りました。 |
③-⑤ タンスマン。編曲者として知っているぐらい。これもたいそう素晴らし |
い。軽快な楽章に挟まれた緩徐楽章の憂いのなんという心地よさ。 |
グロヴレーズは近代、タンスマンに至っては現代。ともに近い世界の(まあ |
フランス近代の)音楽として、最高のセンスに満ち溢れている。 |
⑥-⑧ ケクラン。このCDのきっかけ。前の2曲に負けてないかとなぜか心 |
配した。作曲年はこの3つの中では最も古いが、印象派の系譜、かな。 |
以上3曲で満足しちゃった。あとは付録・・・てことはないけど・・・ |
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⑨ フォーレの原曲、わかりません。19世紀。とても美しい。 |
⑩ ブトリ。知らない作曲家。現代もの。といっても尖った感じはない。始め |
はちょっとタンゴっぽい感じ。美しい緩徐部分の後はストラヴィンスキのよう |
なリズムや曲調。 |
⑪ ギャロン、知りません。この方もほとんど現代ながら、近代から出てない |
感じ。よく歌う曲で時代錯誤かもしれないが、美しい。 |
⑫ ファンのデュテイュー。戦中の曲。妙にほのぼのとした印象の前半で、 |
デュティユーらしくない。後半はややひねくれているが軽快。‘魔法使いの |
弟子’ふう。まだまだ本領を発揮する前なんでしょうね。 |
⑬ ビッチ。知らない作曲家です。年代的には現代だが、現代音楽作曲家と |
しては扱われることはあり得ない。メランコリックで猛烈に甘ーいところと、 |
現代ものに使っては妙だけど「モダン」なところ。なかなかいい。 |
⑭ ジャンクール。この人も知らない。このCDの中では最も古い。バスーン |
の演奏家だったよう。ロマン派初期の音楽という感じながら、ここに交じっ |
て、ぜんぜん浮いていない。 |
⑮ ピエルネ。指揮者としてかなり新しいものを知っていたはずのピエルネ |
だけれど、この曲は古臭い。ま、19世紀に書かれているわけだけれどね。 |
⑯⑰⑱ ドビュッシー。有名曲の編曲もの3つ。バスーンで全く違和感はな |
い。“ゴリウォグのケーク・ウォーク”なんて、かわいい。 |
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この女性奏者、技術的に非常にしっかりしたものがあるように思うが、とに |
かく優しく品のある演奏だね。ぜーんぶ。 |
選び抜いて集められたというんじゃなく、さりげなく選んでみれば、こんなふ |
なことになるんですよ、とでも言っているみたい。実際は選び抜いたに違い |
ない。 |
バスーンによるメロディがこんなに美しく楽しいものだとは、考えもしなかっ |
た。 |
いいものに当たりました。 |
・ |
そうそう、プーランクに、バスーン・ソナタなんていう曲はなかったなあ、残 |
念。オーボエ・ソナタかフルート・ソナタを編曲するとか、無理なんやろか。 |
無茶かもね。 |
・ |
英語圏でファゴットを「Fagott」という綴りのつもりで言っても、「Faggot」と |
いう同じ発音の意味にとられる可能性があるので、注意しなさい!なんてこ |
とが書かれていた。Faggotは侮蔑的に使われる「オカマ」を意味するんだ |
って。 |
英語圏では、つまり、違いには目をつむって、「 バスーン」を使ったほうが無
難ということなんだ。
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