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| (NAXOS紹介文) 2012年、ピューリッツァー賞を受賞した現代アメリカの |
| 作曲家ケヴィン・プッツ(1972-)の作品集。あの「9.11」に触発されて書か |
| れた交響曲第2番は、疑うことを知らない至福の時から暴力的な時へと |
| 激変する状況をトレースして行きます。最後に仄かな希望が見えるとこ |
| ろが救いです。ミシシッピ川の流れを模した「河の早瀬」はセントルイス |
| 交響楽団からの125周年記念委嘱作品で、透明な響きと流れの描写が |
| 見事な作品です。モーツァルトのピアノ協奏曲のモティーフが用いられた |
| 「フルート協奏曲」はオルソップのために書かれた各楽器の自由な対話 |
| と感傷的なメロディが魅力的な曲。初演時はオルソップが負傷していた |
| ため他の指揮者が指揮しましたが、今回はオルソップも万全の体調でこ |
| の録音に臨み、素晴らしい演奏が記録されました。 |
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| (1)紹介文にある『疑うことを知らない至福の時』ところね、いや実際そ |
| の通りでしたね。書き込まれているようなんだが、とても澄んで涼やか。 |
| そこへガーンとくる。そのあとにはもっと凄まじい衝撃が来る。二つのタ |
| ワーが崩れ落ちるところだろう。そのあとには呆然とした静けさ。 |
| 部分には分かれているものの、交響曲という感じじゃない。交響詩って |
| ところか。ま、そんなことはどうでもいいことですけどね。 |
| 目新しいというものじゃないが、『疑うことを知らない至福の時』の美しさ |
| は特筆もの。素敵です。 |
| ‘9.11’に関係のある音楽は、ジョン・アダムズのものと、何かもう一つ |
| 聴いたことがある。面白いものじゃなかった。いや面白いと書いたら、そ |
| れはそれでまずいもんね。でも、じゃあどう聴けばいいんだってことにな |
| ると、そんなもの、答えられないというか、余計なお世話。 |
| ワタシはただの管弦楽曲として空想を羽ばたかせ、実際には「9.11」をそ |
| れなりに意識して聴いた。不謹慎と言われても困る。 |
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| (2)紹介文には『透明な響きと流れの描写が見事』とあるんだが、(1) |
| ほどの透明感はどうかなぁ。 でも流れの描写はけっこうスゴイんだ。そ |
| れは生半可な早瀬じゃない。透明ではなくても濁流というんでもない、 |
| とにかく激流ではあるね。 |
| 唐突な終わり方をする。流れの穏やかなところにポッと出たんやね。 |
| 派手な管弦楽のファン(ワタシもまあそうです)には魅力いっぱい。 |
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| (3)モーツアルトというのは第2楽章で、これはピアノ協奏曲第21番の |
| 第2楽章、あの有名なメロディ。 |
| とんがった音楽とは程遠いものの、独特のひねりといったものがある。 |
| 全体としてはほとんど典雅さの世界。 |
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| 言ってみれば保守的な音楽であって、驚くようなものは何にもないが、 |
| 涼しげでかつきらびやかというこの美しさのセンスが身上。時々とても |
| 聴きたくなるサウンドじゃないだろうか。 |
| (楽しんだにしては点数ちょっと辛いかも) |
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| ※ボルティモアにはボルティモア交響楽団というのがあって十分に有名 |
| で、ここで指揮をしているオールソップさんとも関係が深いから、楽団 |
| の名前でも変わったのかと思ったら、どうやらこの楽団は、ピーボディ |
| 音楽院の学生や卒業したての若者たちで構成されているよう。常設 |
| なのかなあ。 |