休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

サントラ 『クレオパトラ』

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20170407(了)
サントラ クレオパトラ Original Motion Picture Soundtrack
  
    (Disc1) 76:12  (Disc2) 74:49
  作曲・指揮;アレックス・ノース
  Ⓟⓒ 2001 20th Century-Fox /Varese Sarabande
  CD/2枚組/映画音楽/
  <★★★★>
  *映画「CLEOPATRA」:1963年、米映、192分(劇場用)(実;244分)、
    ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督//E・テイラー/R・バートン/R・ハリソン


製作上の裏ネタの宝庫のような、とにかく異常に金のかかった映画。
そのあたりはほとんど興味はないけれど、超大作の面白さはあった。
音楽は、当初はさほど印象には残らず、ただ「Love Theme」だけは
気に入ってました。
同じアレックス・ノースの担当した歴史もの、これも大作『スパルタカ
ス』の「Love Theme」ほどではなかったけどね、サントラではない、ム
ード音楽系のLPを確か買った。『スパルタカス』のほうのテーマはも
っと有名になった。ビル・エヴァンスも取り上げていた。スタンダード
ナンバーの域に入っていると思う。
音色に非常に凝る人で、楽器の組み合わせが斬新。ポップス系の音
作りもするけれど、基本は分厚い音作りといえる気がする。オーケスト
ラでも小編成でも。この分厚さが独特で、とりわけ特色が出るのがブラ
ス。なものだから、ファンファーレふうなものがあると端的にわかるわ
けで、つまり、『スパルタカス』や当盤はピッタリのはず。
果たして予想にたがわず。
歴史ものの大作というと、ミクロス・ローザの聖書劇のサントラが有名
だけれど、ノースのものは、聖書からは解放されているせいか、臭い
盛り上げが必要でなく、代わりに、なんというか、いわば‘現代的’とで
も言えばいい感じ。クラシックの系統でいうと、新即物主義で知られる
ヒンデミットの例えば「画家マチス」なんてのにとても共通する音色が
多い。つまり、かっこよく感じる音色、曲調のオンパレード。
前置きはこれくらいにして、サントラ、なんと2枚組!気が付かなかっ
た。気付いて儲けた気分になったものの、トータル151分てのは完全
版かい? 逆に長すぎかも・・・
音は、このところブーレーズ/ドメーヌ・ミュージカルの古い録音を聴き
続けていたので、困ることはなかったものの、55年ほども前の録音で
あることはよくわかって、しかもサントラなのだから、まあまあというと
ころでしょう。
それでもサウンドの魅力はしっかり感じました。2枚組は儲けもの!
透明な情感や陰鬱な気分のところもいい。時には現代のハードボイ
ルドの感覚のところや、パーカッション群と木管でのやたらモダンなと
ころもあって、びっくりさせられる。
しかし、なんといっても、今ならCGでやっつけてしまうだろうと思われ
る巨大な行列が、クレオパトラを載せて進むところの音楽。やはり人
間がやっているからこその不揃いさで、行列画面が独特の揺れ方を
する、またそれを強調するかのように的確にとらえる撮り方がスゴか
った。
そんな時の重いリズムとブラスの尖った咆哮! ぞの分厚く書き込ま
れた複雑な和音の魅力にはほんとに抗いがたい。
おそらくこの分厚さこそこのサントラの魅力の根源やろね。金管だけ
でも弦だけでも。様々な打楽器やパーカッションも貢献するし、例え
木管だけのアンサンブルの時でもそう。キラキラ感もエスニック風
味も失わずに分厚い。
ホレボレ。
時おり録音の古さ(ホールトーンや鮮やかさが不足気味)が気になる
ものの、なに、こちとらの映画の記憶の曖昧さを補って余りある。‘金
を使いすぎた稀代の駄作’なんてのをはじめ、さまざまに言い募られ
た評価の低さだってぶっ飛ばしてくれるすばらしさ!!!
そもそも音色や音質についても、ホールトーンや鮮明さの乏しさのこ
とを書いた。ひっくり返すみたいで恥ずかしいが、ベールのように全
体を覆うそれらとて馴染むと妙に‘風合い’(≒魅力)に思えてくる。
映画から離れても楽しめる音楽を求めているような書き方をついして
しまうワタクシメですが、映画から離れるなんて簡単じゃない。特に観
たことがある映画ではね。
ところで・・・
エリザベス・テイラーオードリー・ヘプバーンだったり、リチャード・バ
ートンがピーター・フィンチだったりする可能性があったという。もしそ
うだったら、まるで違った映画になってしまったろうね。 音楽だって、
同じノースが担当しても、あちこち相当違ったものになってしまったの
ではないか。
と、ばかっ話まで書いて長たらしくなっちゃった。
151分に免じてご容赦!
この作曲家、できればまだまだ聴きたい。大好きな映画音楽作曲家
として、十分に聴いた気がしていない。
クレオパトラ」以外に聴いたことがあるのは、
 ・欲望という名の電車(1951)
 ・革命児サパタ(1951)  一曲のみ
 ・悪い種子(1956)
 ・スパルタカス(1960)
 ・荒馬と女(1961)
 ・ヴァージニア・ウルフなんか恐くない(1966)
 ・2001年:宇宙の旅(キューブリック監督から強引に差し替えられる
   までに書かれていたものをまとめて、弟子格の友人J・ゴールド
   スミスが指揮・録音したもの。映画音楽じゃあ往々おきる話。た
   だこのケースでは、礼を失したキューブリックのやり方は責めら
   れるべきものだったが、実際に使われた既存の音楽のすばらし
   さは、まあ、ノースさん悲し、指示があったかオルガンを入れた
   り、「ガイーヌ」の“アダージョ”っぽい曲調など入れ大いに頑張っ
   ている。 オリジナルとして決して決して悪いスコアなんかじゃな
   い、今聴いても素晴らしいんだが、、、今更蒸し返すような議論
   の余地などない。 リヒャルト・シュトラウスヨハン・シュトラウス
   ハチャトゥリアン、そしてなによりも出来立てのほやほやの曲も
   含んだ現代音楽作曲家リゲティの数曲! これらがあまりにも
   嵌っていた。〔1968〕)
といったところで、ほかに手に入りそうなものはそんなにない。
(持っている「スパルタカス」は録れ直しの組曲ふうな短いものなので、
サントラを手に入れてみよう・・・)
「華麗なる激情」という大柄な映画もノースさんだった。思い出した。
昔、ラジオで時々聞いた。ちょっと覚えてます。映画自体では、この「ク
レオパトラ」同様、レックス・ハリソンが主役を支えたと評されたんでし
た。このサントラも、ちょっと高いけれど、手に入れることはできそう・・・
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