休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

コンラッド/「闇の奥」

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20161029(了)
コンラッド/「闇の奥」(黒原敏行訳)
JOSEPH CONRAD; HEART OF DARKNESS (1899)
  2009年9月/小説/光文社[古典新訳]文庫/中古/ネット
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(カバー惹句) 船乗りマーロウはかつて、象牙交易で絶大な権力を握る人
物クルツを救出するため、アフリカの奥地へ河を遡る旅に出た。募るクル
ツへの興味、森に潜む黒人たちとの遭遇、底知れぬ力を秘め沈黙する
密林。ついに対面したクルツの最期の言葉と、そこでマーロウが発見し
た真実とは。
若い時の思い出語りをマーロウ船長が延々やる。
実はそれだけ。
イギリス、テームズ川をロンドンまでさかのぼるのが前段で、あとはポン
コツ蒸気船でコンゴ川をさかのぼる。
前段はあくまで前段で、そのあとのアフリカでのいろいろと、なんとなく
象徴的ふうに繋がっているらしい。
象牙を扱う商社的な会社に所属し、支店長がいて、その下にクルツとい
うのがいる。象牙を集めることに長けていて、出世しそうなのだが、どう
やら大変な変人で、魔境の主みたいになっている。
クルツがいるところまでの道行と、ある事件がメインの縦糸で、あとは
なんでかまるっきりわからんが、クルツへの共感のようなマーロウのク
ルツに関する気持ちや考えの類がたくさん。
暗黒大陸でもないし、人種差別的ったって知れたもんだし、ましてや当
時の政治談議なんてもんでもない。
なんですかね、陰気な長話のこの小説。
もっともらしいほら話。
英文学の先生と翻訳者(新訳)のお二方がそれぞれ長い解説を付けて
いらっしゃる。よく知られた小説だからいくつも翻訳があって、その比較
もされている。それらの解説も読みました。
いかにも中古でね、英文学者さんの解説には鉛筆でたくさんの傍線が
引いてある。学生が勉強に使ったんやろうね。
今は研究者以外は古典として有名だから読むというケースなんだろう。
でも当初はアフリカのイメージづくりに少しは役に立ったんだろね。
もっともワタシにゃあ、アフリカのことなんて、こんなもんじゃまるで分ら
なかったんじゃないかと想像する。
むしろ、これをベトナム戦争に置き換えて地獄の黙示録なんていう
映画にしちゃったことのほうが、なんぼかすごいかも。もっともあの映画
もワタシ自身は何が面白いのが全く分からなかったけど。とすると共通
するもの(面白いと思えない訳)はあるってことか。
映画と言えば・・・、この小説の姉妹篇のような小説「ロード・ジム」とい
うのも、きっと陰気な小説だったんだろうが、リチャード・ブルックスとい
う名匠が映画化していた。舞台はミャンマーか、あのあたりだったっけ。
オトゥールや伊丹十三。もう忘れた。
まったくなんで読むことになっちまったんだろ。思い出せん。
新訳でもアカンかった。有名な中野好夫の訳なんかだと、もっと暗く、も
っとダメだったんだろうて。
今も恐いっちゃあ恐い。あのあたりだとISに入れあげた‘ボコハラム’な
んてのが暗躍しててさ。
(あとは自分の無教養やその訳なんかを愚痴る内容になったので、ボツ)