休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ナショジオ8月号

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20160920(了)
ナショナル ジオグラフィック日本版 2016年8月号
(1)生命を自在に変えるDNA革命
 生物の遺伝情報を思い通りに改変できる「ゲノム編集」技術。難病の
 治療など、無限の可能性を秘めた新技術だが、その使用への懸念も
 ある。
(2)蚊と人間の終わりなき戦い
 ジカ熱やデング熱マラリアなどの感染症を媒介する蚊。地球上で最
 も危険な生物ともいえるこの虫と、人間はどう戦えばいいのか。
(3)自然と人間 パンダを野生の森へ
 中国は、ジャイアントパンダを飼育下で繁殖させることに成功し、順調
 にその数を増やしている。次の挑戦は生息地を保全し、パンダを野生
 に戻すことだ。
(4)地下水が枯れる日
 米国の穀倉地帯を支える「オガララ帯水層」の地下水が枯渇しつつあ
 る。国内はもとより、世界の食料供給への影響が懸念され始めた。対
 策はあるのか?
(5)海のハンター 大海原の王者 ヨゴレはどこへ?
 温暖な外洋に分布するヨゴレは、凶暴な「人食いザメ」として船乗りた
 ちに恐れられていたが、乱獲などによって世界の海から急速に姿を消
 した。
(6)捕らわれの鳥たち
 鳥の生態調査などのために使われる「かすみ網」。アーティストが研究
 者に同行し、網にかかった鳥たちを記録した。その姿に何を感じるか?
    2016年7月30日発行・発売/日経ナショナル ジオグラフィック社
 
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(1)
大きなウェイトを占めた力作報告。興味はあります。
CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)と呼ばれる遺伝子改変技術のことが中
心で、けっこう驚いた。遺伝子組み換え作物GMO)とは根本的に違うんだ。
医療技術にとってなど猛烈に大きい可能性だが、可能性を言えばほぼ無限
大。いくら技術が進んでも、これにはいろんな課題(倫理的な問題にとどまら
ない)が間違いなく立ちふさがる。いまから議論しておかないと、相当ヤバイ
と思うな。たとえば・・・
「遺伝子の中には、50%を超える確率で子孫に伝わる性質を持つ『利己的な』
遺伝子がある。クリスパーを使ってこうした遺伝子に有益な性質のDNA配列
を付加し、改変した個体を野生種と交配させれば、理論上は野生種の遺伝子
を書き換えられるはずだ。遺伝子ドライブ [改変した遺伝子を通常よりも高い
確率で子孫に伝えるための技術] とクリスパーを組み合わせれば、一つの集
団のあらゆる個体に、ほぼ望み通りに有益な性質を持たせることができる・・・」
なんてぇなのは、リオ五輪でのジカ熱を媒介する蚊の対策で実際に採られて
いたことじゃなかったっけ。(効果のほどは聞いていない。)
R・ドーキンズの‘利己的な遺伝子’の言い方、久々。ワタシ、これをアレンジし
てアドレスをこしらえてます。関係ない話ですが。
 
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(2)イムリーな蚊の話。前の記事とのつながりもあるのに、残念ながら記事
の文章は短い。しかし、なんたって吸血の仕組みに感嘆!よくもまあこんな精
密機械があるもんだ。6本の針の機能の素晴らしさ。これ、写したいけどワタシ
ガラケーでは無理。
でもまあ、結局はこういうことだ;
   蚊が媒介する病気は種によって異なるが、それぞれの蚊が病気を広める
   利点は何だろうか。そう生物学者に尋ねたら、きっと見る方向が逆だと言
   われるだろう。つまり、ある種の蚊が病気の運び屋として適していること
   を長い進化の過程で“学習”したのは、感染症の病原体のほうだからだ。
蚊別に媒介する病気も表になっていて見やすい。
蚊が吸血して病原菌が吸い込まれ消化器官に入る。病原菌は蚊の体内を移
動して唾液腺にとどまり、待機。次に吸血する際に、麻酔成分と凝結を防ぐ成
分を含んだ唾液に混じって次の宿主の体内に入る・・・
なにも蚊のせいじゃない、あくまで病原菌の「進化」だって。蚊の撲滅はまず
無理やね。(1)の方法が中では最も有効みたいやけど・・・
蚊よけは効かなくはないが、いちいちちゃんと塗るのは大変だということがわ
かったので、結局着込んで体表を隠すのがよい・・・と思うとねえ、どっと疲れ
た気分になるよ。
(一応一部撮ってみた)
(3)ウーン、パンダねえ、ほとんど興味が湧かないです。
生息数を増やす試みは大変そうだけれど、中国の国策。中には人も追いださ
れる。ほかの国策と矛盾するようなのは、中国じゃあたりまえ。
好きにするさ。
(4)主にアメリカ中西部の帯水層の話。
帯水層は世界中にあって、役に立っているわけだが、サウジアラビアのもの
なんかは、使い過ぎて完全に枯渇。2022年には中国をぬいて人口世界一に
なると予測されているインドが、地下水の消費がデカイと書かれている。で、
アメリカは、ということだけれど、はっきり使い過ぎがわかっているのに、何の
手も打てていないと著者は嘆く。地元はあきらめ顔で、行くだけ行くしかない
んだと。大きな帯水層地帯の状況が細かく述べられているが、論調は暗いね
え。枯渇してしまえば戻るのに1000年かかるってさ。
「枯渇への道をまっしぐらです」と、ある市長さん。
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(5)サメの名のヨゴレなんて、このナショジオのシリーズ記事まで知らなかっ
たといっていい。映画『ジョーズ』はこれだったみたい。書いていないけれど、
激減してしまい、絶滅危惧種に近いらしい。 殆どフカヒレスープになっちまっ
たんだな。
知らなかったのは学者さんも同様で、たいてい外洋にいるせいで、生態など
科学的にはまるで分っていなかったそうな。おそろしいという悪名だけは高
かったのに、実はそれほどでもなかったことがようやくわかってきた。減って
しまったからには、食物連鎖上影響があるはずなんだよな。
見かけの恐ろしさなんぞ、すごいけどね。ま、いいや。
 
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(6)カスミ網にかけて調べるというのがなんだか可哀想。ほぼ殺してしまうよ
うなことはないという。人間の見方で言うなら、著しく尊厳を傷つけているとで
もいう感じ。正しくはない。それを、しょうがないと言っていいのかどうか。
“その姿に何を感じるか”か。鳥にとっては感情ではなく、猛烈なショックやろ
うが、人にはわかるまいとは言えるんじゃないかな。
〈写真系〉
写真は語る▼身近なハンターハエトリグモ
その写真のすごさのことで、‘多焦点合成’というのね。全然ワカリマセン。
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EXPLORE探求のトビラ▼逃がした魚は大きくなる
アリゲーターガー、金魚、イタヤラなどが捨てられた場所に天敵がおらずに
巨大化している、という小記事。そうなんだ!!! 気色悪いヨ。アリゲーターガー
は名古屋のお堀だか(あの辺知ってる!)で見つかったんじゃなかったっけ。
あれどうなったんだろう。
ブラックバスブルーギルミドリガメなどは、いつもそこらへんにいて当た
り前になってしまったけれど、いまだ腹が立つことに変わりないし・・・、愚か
な飼い主がペットを捨てることで、実に様々な外来種が生き残ってしまって
いるに違いない。これらはそのうちのほんの一部・・・って、ちょっとだけ記事
の趣旨と違うけどね、、、
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