休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ギャラガー/管弦楽作品集

イメージ 1
20160910(了)
ギャラガー/管弦楽作品集
Jack Gallagher(1947- ): Orchestral Music
(1)ディヴァージョン序曲(1986) ① 10:07
(2)子守唄 Berceuse(1977) ② 5:19
(3)シンフォニエッタ(1990/2007)26:45 (初録音)
  ③Intrada 5:18 ④Intermezzo 4:11 ⑤Malambo 6:27
  ⑥Pavane 4:59 ⑦Rondo Concertante 5:50
(4)1楽章の交響曲「哀歌」 Threnody(1991) 21:36
  ジョアン・ファレッタ指揮/ロンドン交響楽団(1)(2)(4)、同メンバー(3)
  録音:2009年1月、at Abbey Road Studio One、London、UK 63:47
  2010年/CD/NAXOS/輸入/
  <★★★☆>
(帯紹介文) ニューヨーク生まれの作曲家ギャラガーの作品集です。彼は
カレル・フサ、ネッド・ローレムを始めとした錚々たる大作曲家たちの指導
を受け、管弦楽曲、合唱、室内楽、そして吹奏楽まで幅広い作品を書い
ています。彼の音楽はどれも壮大でかつ抒情的な音色も有しています。
彼の作品は世界中で高く評価されていますが、とりわけ「子守歌」はその
美しさでポーランドを始めとした各国のオーケストラで何度も演奏されてい
ます。「ディヴァージョン」序曲はもともとシンフォニック・バンドのための書
かれた「ディヴァージョン」の素材を使ってフルオーケストラの作品を書き
あげたものです。まるでハリウッドの音楽を思わせる雄大さがたまりませ
ん。豊かな音色のシフォニエッタ、「哀歌」と名付けられていても、中間部
ではかなりの盛り上がりを見せる「1楽章の交響曲」とバラエティに富んだ
選曲です。
(1)Diversionはドゥヴァージャンなんてな発音で、そらすこと・転換・気晴ら
シ・流用。
コープランドの抒情ふうにはじまり、西部劇ふうになっていく。制服組の姿
も見え隠れ。次はミヨーやヒンデミット・・・なんかがごちゃ混ぜに。抒情が
いい。
(2)この作曲家の有名曲。分りやすくしみじみ感がいい。子守唄そのもの
でなく、そのイメージするもの。
(3)弦楽合奏ファンにはなかなかたまらないものかも。
バルトークふうに始まり、生き生き感がいい。甘さも悪くないけど。
④乾いた叙情。粋な和音というか音色というか。
⑤フラメンコっぽい。アンサンブルに不満はあったが、緊張感がいい。
⑥たいそう美しいパヴァーヌ
⑦弦だけだがコープランドっぽく、かつ締まった最終楽章。かっこいい。
(4)ハリウッド風とか映画音楽風とかいう表現でもいいが、それでは生ぬ
るくて、むしろ、古今の映画音楽の巨匠の音楽からサウンドをいろいろい
ただいちゃったんじゃないか・・・みたいな感じのほうが近いみたい。言い
過ぎかもしれんけどね。この盛りだくさんの音色のるつぼがヨロシイ。そし
てワタシ、こういうノーテンキ・サウンドもとても好き!
ジェリー・ゴールドスミスがけっこう影響を受けたとか言われるストラヴィン
スキやバルトークからいただいたようなサウンドもある。そしてちゃんと盛
り上がり、サスペンスフルでもある。このサスペンス、夜中、仕事の帰りに
車の中で聴いていてふと思ったんだが、おしまいのほうはもろ「春の祭典
を意識した音作りになっている。曲想はあまり似ていないんだけどね、こ
れ案外当たっているんじゃないかなあ。そしてそのあとに‘サイコ’の知ら
れたサウンドみたいなのがひょいと現れた。笑ってしまった。
哀調などはむしろ少ない。それに「哀歌」というようなマイナスの感覚では
ない。どこか‘ラテン系の暗さ’とでもいうようなものの感じ。
タイトルなんか気にしてどうする! 別にかまやしない。この曲など「クラシ
ック」にはなっていかないとは思うが、楽しく聴ければヨロシイ。そしてこの
曲は実に楽しい。
ただし、演奏には注文がある。
全体に生ぬるい。もっときちっとしたアンサンブルや強弱、テンポの動かし
など、さまざま不足している気がする。指揮者かオケか、その両方か。映
画のサントラなら許されても、CDとして鑑賞するには、正直なところ、どう
なんだろう。まあ緩い音楽ではあるけれど、それだからこそ必要な厳しさ
があるべきで、、、なんてね。よくばりすぎか。
録音についても似たようなことが言えるように思った。
前回アップのクセナキスからはだいたい30年ほどたっているのだけれど、
なんとも・・・厳しくない・・・音楽。でもどっちもOK。
なげー・・・
「ハリウッドっぽくって楽しいオーケストラ曲でしたよー」で済んだかも。