休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ディーパンの闘い』 Dheepan

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20160715(了)
映画『ディーパンの闘い』 Dheepan
  ジャック・オーディアール監督//アントニーターサン・ジェスターサン/
  カレアスワリ・スリニバサン/カラウタヤニ・ビナシタンビ
  音楽:ニコラス・ジャー
  2015年/仏映/115分/DVD/レンタル
  <★★★☆>
 
(映画.com解説) 「真夜中のピアニスト」「預言者」「君と歩く世界」など数々の
名作を手がけるフランスの名匠ジャック・オーディアール監督が、2015年第68
カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した作品。内戦下にある
スリランカからフランスに渡るため、偽装家族となった元兵士ディーパンと女と
少女の3人は、パリ郊外の集合団地でささやかな幸せを手に入れようとしてい
た。しかしその矢先、3人は新たな暴力に見舞われてしまう。人種や宗教、移
民問題に揺れるヨーロッパ社会を背景に、暴力や戦いを捨て、愛や家族の絆
を求めた人々を描いた人間ドラマ。主人公ディーパンを演じたアントニーターサ
ン・ジェスターサンは、スリランカ内戦の元兵士で、フランスに亡命後に作家と
して活動しており、今作で演技に初挑戦した。
やくざ映画だ、ノワールだ、などという言葉が見られるが、そういうもんじゃな
い。今の世界情勢からは、もう当たり前みたいな話で、するっとフランスに来
ちゃう。来たら、あとはどう落ち着けるかとか人間関係の問題になっちゃう。そ
れ以外にはテロしかないの? というと、そうでもない。
スリランカの内戦というのも仄聞ながら、なんとなく記憶にある。
ここでは内戦下としか書いていないが、彼はこの時点では多分体制側だった
んだよね。それが、こんな戦乱下ではたいしたこととも思えないきっかけから、
トンズラする。
便宜的な家族なんで、描くには何ともおあつらえ向き。
パリ郊外も‘こういう状況’なんだと思えば、そりゃISにもテロにも走る。そん
な感覚がすごくわかりいい。
でも、パリ。ああいう感じのところって、あるわけ? 
こんな風に、ある種、打ちっぱなしのコンクリートのように、がさつにではなく、
きちっと描いたって、わかるような気はするんだが、まあこういう描き方。効果
があるようなないような・・・、こういうところって、映画観るうえで、重要な気が
する。
「巨匠」さんのものは『預言者』を観たことがあって、これは印象に強い。 これ
が賞を獲れなくて、今回のがパルムドールかよ?というような記述もあるけれ
ど(理解もするけれど)、 まあこういうネタは今や旬。 (これまでだってたくさん
あったけれど、これからは紛れもなく大ジャンル。描かれ方がどんなふうに変
わっていくのかなあ、というところですよ。)
最も盛り上がったところで、はっきりは映さないんだが、この管理人として重宝
がられる男は、さすが元兵士、銃の腕前や行動力のすごさをちらっと見せ、あ
あそうだったんだよな、と思い出させる。
エンディングは・・・あれでいいのか、あんな国に行き、あんな同じ民族での小
さなコミュニティーに入って・・・。あれはつけたしであって・・・とりあえずいいん
だよね、きっと。(書きすぎました)
映画としてどうなの、で済ますわけにも行かない。
メンドクサイっちゃあ、メンドクサイ。