こんな作曲家、勿論最近まで知らなかった。NAXOSのCMに当たるもので、 |
下記文を読んで、“ほしいものリスト”に加えておいただけ。たまたまポルト |
ガルの作曲家に気に入ったものが多いという状況があったというのが一番 |
かな。 |
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(帯紹介文) ポルトガルの現代作曲家、ルイス・ティノコ(1969-)による"不 |
可思議な音の世界"にご案内いたします。フランス印象派の残滓とブラジ |
ルのジャズの香り、官能性と郷愁。これらが入り混じった音楽は、これらの |
曲に初めて触れた人にも強烈な印象を残すことでしょう。エキゾチックで夢 |
幻的な音の戯れ、時折訪れる破壊的なリズム、これらが混沌とした音の |
中に溶け合う様子は、まるで大きな望遠鏡で銀河を眺めるかのように茫 |
洋としたものです。ソプラノ独唱を伴う3つの作品は、それぞれ違う歌手を |
起用することで、味わいの違いを引き立てています。実験的な手法を用い |
ながらも、根源的な美しさを追求するというこの作曲家の独自性が良く表 |
れた曲集と言えるでしょう。 |
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①上記解説がまさにピッタリで、極めつけは“大きな望遠鏡で銀河を眺め |
るかのように茫洋とした” というあたり。 |
「2001年:宇宙の旅」なんかも思い出して、余計なお世話なのに、こりゃあ |
使えそうだ、なんて思ってしまった。この映画の音楽については、いろいろ |
と悶着があったし、リゲティの音楽に馴染むきっかけになったし。 |
リゲティと比べると、このティノコの音楽のほうが掴まえやすい。リジェクトさ |
れたアレックス・ノースの音楽よりは、ぐっと前衛。もっともこの一曲だけで |
は、件んの映画には不足だけど。 |
この映画、ワタクシメにとっては逃れられない初恋の思い出(≒弱味)みた |
いなものです。 |
ともあれなかなかいけてます。これのみ<★★★★>。 |
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②歌が入ってきたために、上記表現の中で言えば、“ブラジルのジャズの |
香り、官能性と郷愁・・・エキゾチックで夢幻的な音の戯れ”などというほう |
に近づくイメージだろうか。明るいソプラノ、よく言えばやや軽い。詩はポル |
トガル語と英語。 |
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③-⑥ ややくすんで暗めのソプラノ。柔らかい声だが、凄い高音が何回も |
ある。タイヘン。オケが包んではくれるものの、少々しんどい。韓国系。英 |
語。詩を解さない(解そうとしていない!)ので、入り込める気がしない。 |
サウンドも前の二曲のようには楽しめない。 |
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⑦-⑩ 前二人のソプラノの中間という感じの声質。ポルトガル語。 |
繊細でキラキラした感じが美しいだけでなく、リズミカルで一種サスペンス |
フルな曲想などもあって、楽しい。魅力的なサウンド。詩は解さないが、難 |
解さは感じない。最後は唐突に終わる。 |
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歌の入ったものとしては最後のものが一番しっくりきたように思うも、この |
三曲、詩を知らずに書くいつもの無謀。(ま、これからもそうでしょう) |
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歌付きオケのサウンドは基本的に好きな形なんですが、オペラは苦手な |
ものが少なくないですしねぇ、どうなんだろうなあ。 |
例えばマーラーの歌付きの交響曲のような息の長いものには猛烈に惹 |
かれるわけですが、それらにのカッコの良さには及ばない。もう時間の流 |
れ方が違ってしまっていて、比較すること自体無意味。 |
ワタシとしては、まあ、ただいま現在のワタシにカッコよく聞こえてくれれ |
ばいいだけ。 |
音楽は、なんだか恥ずかしいが、‘身体性’との関わりだとか基準だとか |
で聴いていて、理屈では聴いていないと思います。 |
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(この焦点ボケがワタシなんでしょう。かつての知り合いに、4大Bがあれ |
ば、クラシック音楽なんて基本的に事足りるんですよ、と言った御仁がい |
た。Bach、Beethoven、Brahms、Bruckner。 これ、難しいですがけっこう |
含蓄があると思います。ワタシには、そんなふうに言い切るのは、ちょっと |
無理。音楽とのかかわり方が違うというような言い方しかできないですけ |
どね。) |