休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『人生スイッチ』

イメージ 1
20160620(了)
映画『人生スイッチ』 Relatos salvajes/Wild Tales
  ダミアン・ジフロン監督/ペドロ・アルモドヴァル他製作
  2014年/アルゼンチン&スペイン映/122分/DVD/レンタル
  <★★★△>
 
(映画.com解説) スペインの名匠ペドロ・アルモドバルがプロデューサーを務め
たブラックコメディ。2014年・第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に
出品され、第87回アカデミー賞ではアルゼンチン映画として外国語映画賞にも
ノミネートされた。人生において決して押してはならないスイッチを押してしまっ
たがために、絶望的な不運の連鎖に巻き込まれていく男女6人のエピソードを
姿を描いた・・・
 
テーマによる短編集。
英語のタイトルは‘Wild Tales’で、こういうのをWildっていうのかいな。
 
このスイッチ、全て自分で押してしまうわけではないけれど、でも広い意味で言
えば、まあ、自分が引き金になったといっていい。(邦題だから関係ないけどね)
いずれの主人公も(まあ周りを引き込むケースもある)、とんでもない転落の連
鎖に入り込んで、落ちるところまでおっこっちまう。
えらくリアルで、悲惨で、嫌味で、ブラックなんだが、その‘これでもか!’のエ
スカレート具合に、しまいには笑ってしまう。
‘人の不幸は蜜の味’みたいな言い方があるけれど、この映画じゃあ、そういう
風にはならなかった。 (そもそも映画では、思い返せば、そういう感覚にはまり
込むことにはならんね。) そして、ポスターのような‘爆笑’もできなかった。
それが普通なのか、ワタシだからなのか、よくはわかりません。
最初の飛行機の話が、ちょっと毛色が変わっており、最後の結婚披露宴の話
がちょっと上向きで終わる。2番目から5番目までは、まさにズブズブもの。
コクのある映画作り、というのとは違うし、6つの話が関連付けられているわけ
でもない。ただもう “ひでぇ”の連鎖。各エピソードは、余韻も早々に、ほとんど
切れ目なく描かれる。
もっとも、想像だけれど、アルゼンチンの国民性の傾向 (不自然なほど誇り高
いというようなことなど) が見え隠れするような気もする。それがしつこい恨み
や頑迷さや暴力につながる、とかさ。
政治的には、今は‘恐怖’が付くようなものではなくなっているんでしょ。知らな
いけど。
映画でなきゃならないとは思えないが、映画賞の関係者が喜んだとかいう話
は分からぬでもない。