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(映画.com解説から) 人生の再出発のため1600キロに及ぶパシフィッククレ |
ストレイルを踏破した実在の女性シェリル・ストレイドの自叙伝を、オスカー |
女優のリース・ウィザースプーンが製作・主演、「ダラス・バイヤーズクラブ」の |
ジャン=マルク・ヴァレ監督がメガホンをとって映画化したドラマ。脚本は「ハ |
イ・フィデリティ」「アバウト・ア・ボーイ」のニック・ホーンビィ。母の死に耐え切 |
れず、優しい夫を裏切り薬と男に溺れて結婚生活を破綻させたシェリルは、 |
母が誇りに思ってくれていた自分を取り戻すため、人生を一からやり直すた |
めに1600キロ踏破の旅に出る。極寒の雪山や酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、 |
命の危険にさらされながらも、その過酷な道程の中でシェリルは自分と向き |
合っていく・・・ |
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原題の「WILD」ではなにやら掴みにくかろうということで考えられた邦題で |
すね。 |
もちろん‘わたしに会う’というのがミソ。 |
母の死を受け入れられないという、まあいわばマザコン乙女(少女じゃない) |
の一皮むけるための通過儀礼ふうな旅。 |
何もかもが危なっかしいが、実は十分に大人だし、前向き。 |
「自分探し」系のロード・ムーヴィーと言ってしまうと身も蓋もないけれど、ま、 |
そういうことです。 |
呆然自失状態での自堕落な生活もこの過酷な旅も、やってみなきゃわから |
んでしょ!というわけです。 |
両極に振れなきゃいけない(わかるわけない)と言わんばかりなのが、間の |
グレイゾーンのほうがよっぽど広いし密度があるぞ、という立場のワタシと |
しては相当抵抗感があるところですが、この映画に文句言ってもしょうがな |
い。 |
とはいえ、背負うたくさんの荷の中身をあらためるシーンで、中にたくさんの |
コンドームがあったりする。そんな時、なんかね、勝てないなあと思う。勝ち |
負けの問題でないのはわかっているが、ワタシとしてはそんな感覚。 |
これはたぶん1970年前後の頃のことだよね。 |
ワタクシメ、マザコンでもファザコンでもなかったが、貧乏な学生で、しかも |
奥手。女の子と知り合いになるのもたいへんだった・・・ |
関係ないか。 |
すくなくともこの時点までの彼女の人生や人生観は総括されることになりま |
す。日本人(の若者)にも、こういう感性の人がすごく増えた気はしている。
「やったー!」なんてものではさらさらない。
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たぶん低予算でしょうが、古くていつも新しい今がある、なかなか インパク
トのある作品でした。
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音楽は既成のものだけ。 |
サイモンとガーファンクル版の「コンドルは飛んで行く」の出だしのアコース |
ティック部分(だと思う)をやたら使っていた。 |