休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

原 宏一/『天下り酒場』 新奇想小説

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20160520(了)
原 宏一/『天下り酒場』 新奇想小説
 ・天下り酒場
 ・資格ファイター
 ・居間の盗聴器
 ・ボランティア降臨
 ・ブラッシング・エクスプレス
 ・ダンボール屋敷
  解説 渋沢良子
  2007年/短編小説集/祥伝社/文庫
  <★★★★>
 
Tsu社にいつものようにDVDを返却し借りるものを選んで出ようとしたら、
この、ワタシ全く知らない原宏一なる作家の文庫本が6-7冊、レコメンド
付きで並べてあった。手に取ってみたらなんだかそのレコメンドが面白く、
中から一冊選んで、通常のDVDのレンタルと併せてレジへ。
こんな経緯なんかどうでもいい話です。
とまれ、こんなことしていたら、積読分が減らん。
(「BOOKデータベースより) 経営不振の割烹居酒屋『やすべえ』の店主ヤ
スは、ある人物を雇って欲しいと常連客に頼まれた。それはなんと、片
倉という県庁の役人。居酒屋に天下った片倉は元役人の事務能力を
発揮、食材の一元管理と仕入れの効率化で店を黒字に転じた。勢いに
のった片倉はヤスに店舗拡大を唱え始めるが・・・『天下り酒場』)。『床
下仙人』でブレイクした著者が放つ、現代日本風刺小説。
だいたいがサラリーマンの世界のよう。
ブラックユーモアだとかアイロニーであり、本質的には思いつき≒ナン
センスなので、例えば星新一のちょい長ヴァージョンという感じ。またそ
う書いてみると、ちょっとスラプスティック風SFのジャンルに近い気もす
る。
一作目から、作者の個性?炸裂。呑み屋が役所(天下り中心)に徐々に
席捲され、しまいにゃあ乗っ取られる!!! その奇想が怒涛のごとく迫るさ
ま、そして嵐が去るさまには、唸らされる。
糞まじめに受け取っているようでは、絶対に楽しめない。多分腹が立っ
て、本を燃やしたくなるんじゃないですかね。
そりゃ、ちょっと極端か。
例えば・・・落語を楽しむように読めるという言い方もできそう。
最後の一篇だけは、実はワタシ、読みながら激しく反応してしまいまし
て、反省・・・
間違いなく楽しみました。
たちまち読める。もっと面白いのもあるようで、ウーン、誘惑やなあ。