休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

サントラ『オスロ空港/ダブル・ハイジャック』

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20160530(了)
サントラ『オスロ空港/ダブル・ハイジャック』
 ①RANSOM - Main Theme 2:41  ②Standard Issue 1:49
 ③Queen's Messenger 2:39     ④Mission Aborted 5:05
 ⑤No Alternative 2:24        ⑥Sky Chaser 5:40
 ⑦Course Of Action 2:59      ⑧Just Sit Tight 2:39
 ⑨No Alternative(reprise) 2:24   ⑩Peeping Tom 2:39
 ⑪Ransom - End Credits 2:38    Tot.34:04
  作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミス
  ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
  CD/ⓒ&Ⓟ2005 Prometheus Records/映画サントラ/輸入/中古/ネット
  <★★★☆~★★★★>
  *映画「RANSOM」;キャスパー・リード監督/ショーン・コネリー/イアン・マクシェーン
    1974年、英映(米公開タイトル;The Terrorists)
 
長らく指をくわえて待っていたものの一つ。ようやく安いものを見つけた。
たった34分。
「RANSOM」が原題で、ずいぶん長い邦題にしたもの。映画の評としては、
ストーリーは面白いのだが、ヘタクソな作りになっていて、駄作(もしくは
好事家向き)らしい。観てません。
なのに、音楽は一級品。そういうの、よくあった話で、つまり、映画がうず
もれたために、音楽もうずもれてしまったものが、けっこうあったろうとい
うこと。
「RANSOM」というと身代金。「身代金」というと、メル・ギブソン主演の誘
拐ものがありましたねえ。見ると原題は同じ。ギブソンの方は映画は観
たことがある。音楽はジェイムズ・ホーナー。どんな音楽だったか全く覚
えてませんが、ちょっと聴いてみたい気もします。これは安く出てます。
ホーナーは去年だったか、自家用機の墜落で亡くなったのでした。いくつ
か好きな作品がありました。「エイリアン2」とか「フィールド・オブ・ドリー
ムズ」だとか・・・
さて、本題。
第一印象は、音がよくないこと。トラックにもよる。ライナーの写真(絵)
の安直さなどからも、どうも海賊盤的だなあ。
オーケストレーションにピアノがちょこちょこ入っていて若干合わない気
がすること。
サスペンスの盛り上げのために打楽器などでズコンズコンろ打ち込みが
かなり激しい。(今なら簡単にシンセの仕事になっていて、もっとズーンと
来るが、それだけ聴くとひどく無機的。)
第二印象以降はって、そんないい方しないか。
よろしくない音にもテーマにもだんだん慣れてきた。
序曲風①、けだるいジャズの②、これからのサスペンスを匂わせる③、
ヨーロッパも匂う、、、ウム、いいじゃないか、ティンパニや小太鼓が少し
ウルサイけど。少なくとも①や⑥⑪などは絶品の傑作トラックだし、例に
よってつなぎの部分が音楽として見事。
1990年の「ロシア・ハウス」(同じくゴールドスミス担当で、なんとこれもシ
ョーン・コネリー!)とちょっと似た雰囲気、似た楽器の使い方のところが
ある。もっともこっちの方が新しい作品だから、参考にしたなら、逆。 ここ
でのピアノは悪くない。
さらに、もっとずっと古い同じコネリーの「007 ロシアより愛をこめて」(19
63)にも似たような雰囲気やサウンドがちらほら。007とは何の関係もな
いだろうから、‘コネリーつながり’なのかなぁ。ヘンだけど。
さて何度か聴いてみて、、、最高傑作とまでは言えないものの、十分水
準には達している。
いい音で聴いてみたい気はするんやけどねぇ、まあ無理。独特な音の録
りかた(いかにも人工的な残響など)、ミキシングをしているんで、とても
サントラのサウンドの線で再現できるとは思えない。モチ、素人考えです
けどね。
楽譜があるとして、それを単純に演奏しても、おそらく似ても似つかぬ音
になるにちがいない。
ゴールドスミスさんは、日本でも別の国でも自作をオーケストラで演奏を
した(確か神奈川フィルを使って)ことがあるが、サントラとイメージがうん
と違って聞こえるものは取り上げなかったんじゃないかな、想像だけど。
その際シンセを使ったかどうか。それも大事な点だけど、ワタシは知らな
い。(それでも聴きたかったな。ご存命の頃だから、もう20年ほども前のこ
となんだね・・・)
そういえば今年、ジョン・ウィリアムズの映画音楽のコンサートがあると新
聞に宣伝されていた。「スター・ウォーズ」の新作に便乗したんだろう。
 (レナード・スラットキン指揮、フランス国立リヨン管。わざわざフランスの名門
 オケを日本に連れてきてやるんだ。守備範囲の実に広い指揮者ですね
 え。映画物はお父さんであるフェリックスの影響でしょうか、ハリウッドボ
 ウル交響楽団でもってセミクラや映画音楽を得意としていた方だったと
 記憶している。)
ウィリアムズの音楽は、そのまんま正味のオーケストラを鳴らしてちゃん
と効果がある作曲家のタイプなんで、たぶん幻滅を心配しないで済むん
じゃないでしょうか。ご本人とボストン・ポップスの録音だけでなく、様々な
指揮者やオーケストラで音楽会にのせられ、録音もされている。
 
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