休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ソコロヴィッチ: 想像上のフォークロア

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20160515(了)
ソコロヴィッチ: 想像上のフォークロア
Ana Sokolović(b.1968): Folklore Imaginaire
 
ヴェズ Vez(2005) 6:48
    ジュリー・トゥルードゥー(c)
ポートレート・パール Portrait Parle(2006) 12:18
    アラン・ジゲール(vn)、ジュリー・トゥルードゥー(c)、ブリジット・ポーリン(p)
3つの練習曲 3 Etudes(1997/2013) 8:16
  ③Etude №1 1:34
  ④Etude №2 4:14
  ⑤Etude №3 2:28
    ブリジット・ポーリン(p)
メッシュ Mesh(2004) 11:25
    ロリ・フリードマン(Es管cl)
霧の花束 Un Bouquet de brume(1998/2014) 5:09
    ガイ・ペレティア(バスfl)、ブリジット・ポーリン(p)
チャッコーナ Ciaccona(2002/2011) 14:12
    
  アンサンブル・トランスミッション
  録音:2013-2014年、カナダ、モントリオール Tot.58:08
  Ⓟ&ⓒ2016 Naxos Right US、8.573304/輸入/ネット
  <★★★☆>
 
‘いかにも現代音楽’。
 
(紹介文) 現代カナダを代表する作曲家アナ・ソコロヴィッチ(1968-)の作品
集です。彼女は多くの賞を獲得し幅広い人気を誇っています。この彼女の
室内楽のための作品は、どれも真摯な風景の中に、ほんの少しのユーモ
アが感じられるのが特徴で、例えばトラック2の「ポートレート・パール」に隠
されたテーマは「人体の各パーツを説明する」というもので、髪、鼻、唇、口、
あご、体の側面、正面、などが各々の楽器で描かれているというのです。な
かなか難解ではありますが…。ピアノのための「3つの練習曲」も極めてユ
ニークで、それぞれ「リズム」「ハーモニー」「メロディ」のための曲で、これが
またなんとも面白いというか、ある意味電子音楽のような雰囲気を持ってい
て、確かにただものではないな。と思わせるだけの魅力があるのです。新し
い音楽がここにあります。
 
 
カナダを代表する? そうなんですか。
「どれも真摯な風景の中に、ほんの少しのユーモアが感じられるのが特徴
で・・・」 なるほど。
わかるわからんで言えば、捉えきれた気はしないにしても、語弊を覚悟で言
うなら、ちょっと「可愛い」とか「愛すべき」とか、そんなふうな感じ。
紹介文には‘難解’とあるけれど、どんなもんですか。こんな言葉は使ってほ
しくない気がしますな。
 
現代音楽で、分りやすいなんていえるもの、なかなかないでしょう。
なにをもって現代音楽というかということも、どうでも良さそうなことなんです
が、意外とこうるさくて、現代の音楽だから「ゲンダイオンガク」だろ!という
と、どうもそうじゃない。年代の括りなんかではさらさらない。その採る手法
の新しさなんかに関わるものがあるようであることと、ある種権威の認め方
というのがあるみたい・・・。こうなると、まじめに付き合う気も失せますがね。
 
さて戻りまして、これらの室内楽にはものものしさはないし、少なくとも社会
的な、あるいは歴史的な主張みたいなものも感じられない。ワタシにはそれ
がいい。もちろんだけれど、センスが素敵。
アルバムタイトルを誰が付けたのかわからないが、フォークロアというのは、
民族だとか民間伝承だとかの意味。細かくは、民族衣装にイメージを求め
たスタイルをさし、ファッション系の語彙。
とすると、作曲者の出自も若干気になる。
もっとも、カナダって、そういうものからは割合フリーだという言い方もできそ
うですが、でもお名前からすると、もとは東ヨーロッパやポーランド、ロシアな
んてところの血を引いてそうでもあるから、かならずしも‘フリー’だと決めつ
けられるわけにも行かない・・・。はい、いつもの蛇足。
女性的関心事に彩られたものかもしれませんね。
軽く遊びのあるカラフルで楽しい音楽だと思いました。