‘いかにも現代音楽’。 |
|
(紹介文) 現代カナダを代表する作曲家アナ・ソコロヴィッチ(1968-)の作品 |
集です。彼女は多くの賞を獲得し幅広い人気を誇っています。この彼女の |
室内楽のための作品は、どれも真摯な風景の中に、ほんの少しのユーモ |
アが感じられるのが特徴で、例えばトラック2の「ポートレート・パール」に隠 |
されたテーマは「人体の各パーツを説明する」というもので、髪、鼻、唇、口、 |
あご、体の側面、正面、などが各々の楽器で描かれているというのです。な |
かなか難解ではありますが…。ピアノのための「3つの練習曲」も極めてユ |
ニークで、それぞれ「リズム」「ハーモニー」「メロディ」のための曲で、これが |
またなんとも面白いというか、ある意味電子音楽のような雰囲気を持ってい |
て、確かにただものではないな。と思わせるだけの魅力があるのです。新し |
い音楽がここにあります。 |
|
|
カナダを代表する? そうなんですか。 |
「どれも真摯な風景の中に、ほんの少しのユーモアが感じられるのが特徴 |
で・・・」 なるほど。 |
わかるわからんで言えば、捉えきれた気はしないにしても、語弊を覚悟で言 |
うなら、ちょっと「可愛い」とか「愛すべき」とか、そんなふうな感じ。 |
紹介文には‘難解’とあるけれど、どんなもんですか。こんな言葉は使ってほ |
しくない気がしますな。 |
|
現代音楽で、分りやすいなんていえるもの、なかなかないでしょう。 |
なにをもって現代音楽というかということも、どうでも良さそうなことなんです |
が、意外とこうるさくて、現代の音楽だから「ゲンダイオンガク」だろ!という |
と、どうもそうじゃない。年代の括りなんかではさらさらない。その採る手法 |
の新しさなんかに関わるものがあるようであることと、ある種権威の認め方 |
というのがあるみたい・・・。こうなると、まじめに付き合う気も失せますがね。 |
|
さて戻りまして、これらの室内楽にはものものしさはないし、少なくとも社会 |
的な、あるいは歴史的な主張みたいなものも感じられない。ワタシにはそれ |
がいい。もちろんだけれど、センスが素敵。 |
アルバムタイトルを誰が付けたのかわからないが、フォークロアというのは、 |
民族だとか民間伝承だとかの意味。細かくは、民族衣装にイメージを求め |
たスタイルをさし、ファッション系の語彙。 |
とすると、作曲者の出自も若干気になる。 |
もっとも、カナダって、そういうものからは割合フリーだという言い方もできそ |
うですが、でもお名前からすると、もとは東ヨーロッパやポーランド、ロシアな |
んてところの血を引いてそうでもあるから、かならずしも‘フリー’だと決めつ |
けられるわけにも行かない・・・。はい、いつもの蛇足。 |
女性的関心事に彩られたものかもしれませんね。 |
軽く遊びのあるカラフルで楽しい音楽だと思いました。
|