休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

万城目学/「とっぴんぱらりの風太郎」

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20160427(了)
万城目学/小説「とっぴんぱらりの風太郎
  2013年9月/時代小説/文藝春秋/単行本/中古
  <★★★★>
厚み4.6㎝もある分厚いお笑い伝奇小説の単行本。
「ふうたろう」ではない、「かぜたろう」でもない、「ぷうたろう」と読ませる。
もちろんのこと、今でいう「プータロー」に引っかけてある。
(ネット解説) 天下は豊臣から徳川へ―。重なりあった不運の末に、あえなく
伊賀を追い出され、京(みやこ)でぼんくらな日々を送る “ニート忍者”風太
郎。その人生は、1個のひょうたんとの出会いを経て、奇妙な方向へ転がっ
ていく。やがて迫る、ふたたびの戦乱の気配。だましだまされ、斬っては斬
られ、燃えさかる天守閣を目指す風太郎の前に現れたものとは?
直木賞本屋大賞にノミネートされたんやね。チェックしていない。
獲るなら「山田風太郎賞」なんてものだよ。
ニヒリストのくせしてわりと律儀で、かつぼんくら(≒鈍感)。
伊賀を追い出されたこの風太郎と、お化けひょうたんとの出会い。その素っ
頓狂なやり取り(主役風太郎はあくまでボケ役)がむやみにおかしいが、と
もあれ、それによって物語は転がりはじめ・・・
豊臣から徳川への変わり目、大阪冬の陣、夏の陣を中心に据えて、京都と
大阪を行ったり来たり。陰ながら結果的になにくれとなく活躍する。
お化けひょうたんも愉快だが、巨漢秀頼のキャラはとりわけ特異。
夏の陣が締めくくりの大山場で、燃え落ちそうで崩れない大阪城における
様々なシーンが長々と続く。ほとんどが炎と煙の中。
これでも忍者か!
と笑いながらも、転がり具合が楽しく、本の厚みなど気にならないページタ
ーナー。ああ面白かった!で幸せに本を閉じることができる。
これ、100円!!!
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